どうも公認会話士です。
昨日「母と惑星について、および自転する女たちの記録」という舞台を観てきました。
芳根京子さん、田畑智子さん、鈴木杏さん、キムラ緑子さんの4人だけで演じる舞台で、久し振りに乃木坂46、欅坂46、日向坂46のメンバーが出演してない作品です。
出演者がたったの4人というのも私が観劇してきた作品の中では過去最少ですね。
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感想の前にまずは舞台の公演スケジュールを載せておきます。
東京
2019年3月5日(火) ~26日(火) 紀伊國屋ホール
高知
2019年4月2日(火)・3日(水) 高知市文化プラザかるぽーと 大ホール
北九州
2019年4月6日(土) 北九州芸術劇場 中劇場
京都
2019年4月13日(土)・14日(日) ロームシアター京都 サウスホール
豊橋
2019年4月20日(土)・21日(日) 穂の国とよはし芸術劇場 PLAT
長崎
2019年4月25日(木) 長崎市民会館 文化ホール
というわけで、東京公演の後は西日本を中心に各地で公演します。
2016年に初めて上演され、今回は再演となる人気の舞台です。
でも当日券などがあるかもしれないので、興味のある方は劇場に問い合わせてみましょう!
公式ホームページ
では東京公演の劇場となる紀伊國屋ホールについて触れておきましょう。
名前の通り、新宿の紀伊國屋書店の中にあり、立地の良さから舞台好きの間では有名な劇場です。
役者にとって憧れの舞台の一つ、と言っても良いでしょう。
隣の席との間隔がかなり狭く、大柄な男性が3人横並びになったら真ん中の人は気分が悪くなってしまうんじゃないか、というレベルですが、そこは意外と観ているうちに慣れるかも?
私が紀伊國屋ホールに来るのは松村沙友理さんが主演した「FILL IN~娘のバンドに親が出る~」の観劇以来、2度目です。
上記の通り狭い劇場ですが、横が狭く縦長な印象なので、後方の席の方はオペラグラスを持っていく方が良いと思います。
突然の母の死からひと月。私たちは何と決別すればいいのか。
徹底的に放任され、父親を知らずに育った三姉妹は遺骨を持ったまま長崎からあてのない旅に出る。
「私には重石が三つ必要たい」毎日のように聞かされた母の口癖が頭をめぐる。次第に蘇る三姉妹それぞれの母の記憶。
奔放に生き、突然消え去った母。母は、何を欲していたのか。
自分はこれからどこに向かえばいいのか…。三姉妹の自問の旅は続く…。
公式ホームページより
という事で、母と三姉妹による家族の物語ですね。
あらすじだけだと何だか暗そうな話ですが、どのような内容なのか注目ですね。
ではなるべくネタバレしないように感想を。
まず気になっていた【暗そうな話】かどうかという点ですが、やっぱり重く暗い話です。
でもところどころ笑いはあります。ありますが、基本的に重い雰囲気のまま展開していくので、観ている側としては突然笑いのスイッチが入らないというカンジで、客席が爆笑に包まれるような事にはなりません。
とにかく自分勝手な母に振り回され続けた三姉妹が、死んだ母との思い出に浸りながら今後の人生を模索していく話です。
自分が幸せなのか不幸なのかを決めるのは他の誰でもない、自分自身である。というのが私の持論ですが、この舞台の最大のテーマもきっとそういった事を伝えたかったんじゃないかと思います。
救いがあったのか救われなかったのか、それは観た人によって感想も異なるのかもしれないですね。
15分の休憩を含めて2時間半の長い舞台ですが、中だるみする事もなく4人の会話を楽しめました。
一応4人の寸評も載せておきます。
芳根京子(シオ)……4人全員が主役という捉え方も出来ますが、確実に主役は三女のシオです。若手ナンバーワンの実力派の呼び声も高く、オーディションに芳根京子が現れたら他の参加者達はその時点で諦める、なんて業界内の噂もあるらしい彼女、流石の演技力に惹き付けられました。
とんでもない母親に育てられた三姉妹の中でも特に自分だけは一切愛されてなかった、と思い込んで悩んでいる女性を見事に演じてます。
個人的には演者にストーリーテラーをさせる舞台は好きじゃないんですが、彼女がやるとあまり違和感がありませんでした。
今回で舞台は2度目だそうですが、映像の仕事だけでなく今後も色々な舞台に挑戦していって欲しいと思います。
田畑智子(美咲)……母親と妹達の間で板挟みになって生きてきた経験から、中々上手く人生を歩んでいく事が出来ない長女の役です。
彼女は同じ役の再演という事もあり、美咲という女性そのものに見えるくらい安定感があったように思います。
何だかんだで一番母親の影響を受け、一番救いのないまま終わるのが彼女なのかもしれないですが、これからは逆に妹達に影響を受けて変わっていくのかも、というカンジで良かったと思います。
鈴木杏(優)……姉と妹に上手く隠れながら明るく育った次女の役です。
彼女も同じ役の再演なので、田畑さんとの掛け合いは本当に長い年月姉妹だったかのように息がぴったりでした!
上手く生きてきた、というか、深刻な事から目を背け続けて生きてきた、というカンジですが、最後の最後に幸せに生きていくためのヒントをくれる重要な役だったりします。
ショートカットのボーイッシュな役は今までイメージになかったので新鮮でした。
キムラ緑子(峰子)……お金にもお酒にも男にもだらしなく、三姉妹を死ぬまで(死んでも)振り回し続ける母親の役です。
厳しいけど良いお母さん、みたいな役を演じる事が多いキムラさんですが、まぁ今回は荒れ狂った傍若無人な役を見事に演じてました。
最近の世間の流れではネグレクトで育児放棄で児童虐待と言われる母親だと思いますが、もしかしたらとんでもなくツンツンしているツンデレなのかもしれない?というのがミソですかね。
愛情の形も人それぞれなら、その伝え方も人それぞれというか、自分が娘だったらそう思って納得させるしかないかもしれません。
他には鈴木杏さんのイラスト集(?)とポスターを売ってました。
乃木坂46が出演する舞台と違って、やっぱりグッズは少なめですね。
というわけで以上「母と惑星について、および自転する女たちの記録」の感想でした!
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人間関係を引力に例えたんでしょうか。
奇妙なタイトルに舞台好きでなくても好奇心をかきたてられますね。
「あら、そうね。タイトルを連想させるような分かりやすい描写や台詞はなかったみたいだけれど、どういう物語なのかを喩えているんでしょうね」
素人の戯言?で、あんまり演劇を知らないので 気にしないでほしいのですが 大人数より少数の方が 誤魔化せない分 演技力を求められて
玄人な演劇って……言葉が足りなくて恥ずかしいんだけど そう感じました
私も 幸福に対するとらえかた 公認会話士さんに 似てるって思いました(この場合同感って言えばいいですね)
「あら、そうね。人数が少なければ少ないほど観客の想像力に頼らなければならない部分も出てくるから、その想像を掻き立てる演技力が必要になるものね。亡くなった祖母を4人で囲むシーンすらただ布団が敷いてあっただけらしいけれど、そういうところも圧巻の演技だったみたいよ」
おはようございます。
実力派の俳優さんが演じる舞台は、
自分の中に入り込んできましたか?(^-^)/
「あら、そうね。重い話でも全く退屈しないのはやはり演じる人の実力によるところも大きいのかもしれないわね。とんでもない母親に育てられたと自覚している人なら一層心に突き刺さったんじゃないかしら」
良質な作品のようですね。演劇はほとんど観たことありませんが、渋谷のユーロスペースなどの小劇場でマイナーな映画を見るのが好きでした。演劇はそれに近いものがあるのかな。
「あらそう。やはり舞台はまた映画とは違った空気が感じられるんじゃないかしらね。演者もお客も一発勝負、みたいな気持ちが無意識に芽生えているんじゃないかしら」