どんどん退化していくのが進化なのかもしれない人体の不思議

ブログネタ:ペタンコ靴、ヒール靴、よくはくのは?

ミッキー
人間ってどれくらい進化するんだろうな
ミニー
あら、何かしら、突然、気持ち悪いわね。必ずしも進化ばかりとは限らないんじゃないかしら
ミッキー
え?どういう事だ?
ミニー
中には昔の人よりも減ったり劣ったりしている点があると言っているのよ。現代人は昔の人よりも身体を使わないから筋力は落ちているでしょうね。病気や怪我にも弱いんじゃないかしら。視力も落ちているでしょうし、何も進化ばかりではないはずよ
ミッキー
そっか、なるほど。たぶん昔の人は足腰も強かったんだろうな。あれ?でもスポーツはどんどん昔の記録が塗り替えられたりしてるじゃないか。実は進化してるのかもしれないぞ
ミニー
あら、私の意見を真っ向から否定するなんてずいぶん進化したわね。記録が塗り替えられるのは一概に進化とは言い切れないわよ。昔と今ではトレーニング法が全く違うじゃないの。その競技に最も適した筋力が鍛えられるように計算されているのよ。しかも以前はうさぎ跳びが良いと思われていたり、運動中に水分は補給しない方が良いと思われていたり、逆効果になるだけのトレーニングだってたくさん取り入れられていたみたいだものね
ミッキー
そう言われればそうだな。今は効率よく鍛えてるってカンジか。確かに小中高校生の運動能力の数値が落ち続けているとか言われるし、全体的には退化してるのかな……
ミニー
ええ、そうね。あなたを見ているとよく分かるわ
ミッキー
おい!僕が運動音痴って言いたいのか!そこそこ体育の成績は良いんだぞ!
ミニー
うるさいわね。全ての説明を聞きもせずに反射的に興奮するなんて、脳と精神を結ぶ回路に重大な退化が見られる証拠じゃないかしら、腹立たしい。あなたが退化しているのにはちゃんと理由があるに決まってるじゃないの。あなたの腹筋は六つに分かれているでしょう?
ミッキー
え?うん、そんなにはっきり判別出来るほど筋肉がついてるわけじゃないけど……それと退化とどういう関係があるんだ?
ミニー
あら、知らないのね。それはただの無知であって退化ではないから安心して良いわよ。かつては腹筋が八つに分かれている人が多かったそうよ。でも現代ではそんなに分かれている必要が無い生活をしているから六つの人が増えてきている、と聞いた事があるわ。それだけ昔の生活は日常的に腹筋を使う動作が多かったというわけね。同様に足の小指が将来は無くなる、という話もあるわよ。既に間接とか骨の無い若い女性が増えているらしいわ。先が尖った靴を履く影響ね。こういうケースはもちろん本人ではなくて祖先が必要の無い生活を続けた結果、という事になるでしょうけれど
ミッキー
確かに生まれ付きそういう身体なわけだからな。じゃぁ固い物を食べないから噛む回数が減って顎が細くなる、とか言われてるのとはちょっと違うのかもな
ミニー
さぁ、どうかしらね。生まれつきの骨格で顎が細い人もいるんじゃないかしら。それにしても小指が退化してしまうとタンスの角やふすまの角やテーブルの脚はどうやって存在をアピールすれば良いのかしらね。逆にどんどん横へ幅を広げていって、薬指どころか中指まで狙うような進化を見せるかもしれないわ
ミッキー
タンスもふすまもテーブルも小指と激突するために存在してるわけじゃないと思うぞ!
ミニー
うるさいわね。正論ならば大声で言っても良いと思ったら大間違いよ。いつかこういう話が通じなくなる時代が来るかもしれない、という意味で言っているのが分からないのかしら。でも捉えようによっては、退化は退化ではなくて、やはり時代に合わせて進化した結果、と考える事も出来るのよね
ミッキー
なるほどな。暮らしていく環境に合わせて身体が変化してるだけだからな。無くなって不便なら退化だろうけど、無くても困らないなら退化とも言い切れないわけか
ミニー
ええ、そうね。あなたのは退化でしょうけれど
ミッキー
こら!別に腹筋が一段無くても全く不便してないぞ!どうして僕だけ退化になるんだ!
ミニー
うるさいわね。不便かどうか以外にも色々と不足を感じればそれは退化なのよ。あなたのは確実に退化だと思うわ。反論は許さないわよ
ミッキー
反論も何も、別に不便や不足は感じてないってのに……
ミニー
違うわよ。反応が試せないわよ、って言ったの。身体の器官にしろ筋肉にしろ、あればあるだけくすぐったり抓ったり叩いたりして何か面白い反応をする箇所を発見出来る可能性が高まるじゃないの。その機会が奪われた私に悲しみをもたらしてしまったあなたはどうみても退化しているわ
ミッキー
……僕の身体に何をするつもりなんだ全く……っていうかそもそも僕の腹筋をいつ見たのか気になる……

続く

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公認会話士

電子作家の公認会話士です。 2015年4月、アメブロとFC2から引っ越してきました。 気楽に楽しめる作品をビシバシ更新していくつもりなので、気が向いたらいつでもお立ち寄りください。

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  • ボコッ!ボコッ!モリッ!
    うおおおお!俺の肉体が
    …砂で盛られている。

    • 「あらそう。砂浜に埋まっていればいくらでも好きな肉体にしてくれそうだものね。そのまま家を建てて住み始める人も出てくるんじゃないかしら。台風のたびにどんどん新しい家に建て替えていきそうね」

  • 僕は電化製品などを長ーく使うので、20年ぶりくらいに新製品を買うと、進化に驚きますね。  ジョギング中に出会うノラ猫に話しかけても、未だに通じません。

    • 「あら、そうね。電化製品はどんどん新しい機能に進化していくわね。でも人間が操作するうちはまだまだなのかしら。そのうちノラ猫が操作するようになるかもしれないわね」

  • 人間の脳は、原始時代と比較すると、むしろ退化しているそうですね。生きるために頭を使う必要がなくなったからだとも言われています。逆のようですが違うんですね。

    • 「あらそう。代わりにスマートフォンやパソコンが考えてくれるものね。SNSも勝手に交流しておいてくれるかもしれないわよ。気付いたら皆のAI同士がコミュニケーションしているだけだった、なんて事になるのかしら」

  • 体育会系の運動と、うさぎ跳び、練習中に水を飲んではいけないは、基本中の基本でしたね。むしろ無くなるなんて想像もできなかったです。そのうちに腰を痛めるからと腹筋のトレーニングも無くなるかもしれませんね。

    • 「あらそう。極力練習をしないのが正解という事になるかもしれないわね。そうして一部の生まれ持った天才的な能力を持った人だけが活躍するのがスポーツになっていくのかしら」

  • おはようございます。

    昔々、あるところに
    お爺さんがおったそうな。
    ネットがないので
    走り回ってたそうな(笑)

    • 「あらそう。ネットが無いと何をするにも代わりに人が動かなければならなかったのかしらね。飛脚や伝書鳩もずいぶん能力を失ってしまったのかしら」