小説が原作でも漫画が原作でも原作が無い映画でも結局は同じようなもの?

ブログネタ:『ノルウェイの森』見る?小説、読んだことある?

ミッキー
小説が原作で映画になる作品って昔からたくさんあるな
ミニー
ええ、そうね。それがどうかしたのかしら。あなたの半生を描いたノンフィクション小説なんてきっと映画にならないと思うわよ。幼稚園に行きたくなくてこたつに潜り込んだところをお母さんに引き摺り出されそうになったわね。そしてこたつの足に必死にしがみついていたらこたつの足が外れて、あなたはこたつのテーブルの下敷きになってしまったわ。少なくともそのシーンを入れないとどうやっても盛り上がらないと思うわ
ミッキー
そういえばそんな事があったような気がするな……って、高校から知り合ったお前が何でそんな事を知ってるんだ!しかもそこが人生のピークだなんて酷いぞ!
ミニー
うるさいわね。結局は送迎バスに乗っていた保母さんが手を差し出してくれたらあっさりこたつから出て行くようになったわね。その後はそれを目当てに数日間、朝になるたびにこたつに潜り続けたわ、いやらしい。あなたの本性を表現する上でとても分かりやすい貴重なシーンじゃないの。せっかく映画にするなら観る人全てにあなたの本性を伝えるべきだと思うわ
ミッキー
別に保母さんが好きだったとか、そういう記憶は一切ないんだけどな……とにかくもし僕の映画を作るとしたら、ほとんど全編お前が出てくるような映画になると思うぞ。何だったら幼少期なんて省略してお前との出会いからスタートでも良いくらいだからな
ミニー
あらそう。出産のシーンが終わってすぐに私が登場するのね。それはどういうメッセージなのかしら。私が出産するシーンで終えようとか、そういうあなたの遺伝子のサイクル的な内容にしたいのかしら、いやらしい。ひょっとして私はほとんど裸じゃないでしょうね
ミッキー
どんな映画なんだよそれは!それじゃ事実と全く違うじゃないか。そもそも僕達が映画として上映出来ないような展開になった事なんて一度もないし……
ミニー
何をぶつぶつ難解なロシア映画みたいに呟いているのかしら、気持ち悪いわね。どうして落ち込んでいるのかしら?あなたが自分の半生を描いた映画を作りたいとか言い出すから悪いのよ。間違いなくつまらない内容になるけれど、しっかりと現実的に案を練った結果だから仕方がないわ
ミッキー
僕が落ち込んでるのはそんな事についてじゃないぞ!僕達の関係性をどうやって発展させるかについて……いや、何でもない。それに僕は半生を映画にしたいなんて一言も言ってないんだけど……
ミニー
うるさいわね。どうせ私を理不尽で暴力的なヒロインとして描きたいんでしょうけれど、そうはいかないわよ。ちゃんと編集作業に立ち会って、あなたが何を言いたいのかさっぱり分からないからイライラを募らせているだけ、という内容に変えてもらうわ
ミッキー
僕は映画化される小説の話をしたかっただけだぞ!最初に言ったじゃないか!
ミニー
うるさいわね。映画には台本があって、その台本も小説だと考えればどの映画も元は小説みたいなものよ。無声映画だって台本や脚本があるでしょうし、映画は全て小説が原作という事ね
ミッキー
まぁそういう考えもあるのかもしれないけど……
ミニー
だから私達は映画にならないわね。全く向いていないと思うわ
ミッキー
そうか?今までの会話がそのまま台本になったりするんじゃないのか?
ミニー
そんな展開が決まっている会話なんて面白くも何ともないじゃないの。私達の全ての会話はその時、そのタイミングで瞬間的に発せられたものだものね。台本なんかがあったら言いつけてしまうわよ
ミッキー
いや、よく分からないけど……誰に言いつけるんだ?僕達の会話を書いている人か?
ミニー
違うわよ。気付けてしまうわよ、って言ったの。私の言葉の奥底や行間に潜んでいる想いをあなたに気付かれてたまるもんですか、みっともない
ミッキー
な、なるほど。色んな言葉で隠しつつ実は僕への想いを言ってそうな時があるからな。だったら僕としては逆に台本がある方が嬉しかったりして……
ミニー
違うわよ。傷付けてしまうわよ、って言ったの。私の本心に気付いてしまったらあなたを傷付けてしまうかもしれないわ
ミッキー
何だって!?そんな内容の事を言ってる時もあるのか!?

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公認会話士

電子作家の公認会話士です。 2015年4月、アメブロとFC2から引っ越してきました。 気楽に楽しめる作品をビシバシ更新していくつもりなので、気が向いたらいつでもお立ち寄りください。

View Comments

  • スパイダーマンは映画しか観たことないのですが、小説でアクションを表現するのは凄いなあと思います
    オバケのq太郎の実写版とか観てみたいです。

    • 「あらそう。映像と文字とでは情報量がまるで違うものね。その代わり人の想像力に訴える力は負けてないでしょうけれど」

    • 「あらそう。それに向けて喧嘩したり良い雰囲気になったり、演じる側も大変ね。最後は迫真の演技になるんじゃないかしら」

  • 村上春樹作品はまだ未経験です。熱狂的なファンもいるようですが、そんなに良いんですかね? 小説なら読んでみてもいいかな、と思います。

    • 「あら、そうね。食わず嫌いなら一度体験してみるのも良いんじゃないかしら。物凄くハマってしまうかもしれないものね」