どうも公認会話士です。
乃木坂46きっての演技派、伊藤万理華さんが映画に出演したという情報を得たので、早速映画館に行ってきました。
勉強不足で初めて聞いたタイトルでしたが、どうやら澄川ボルボックスという方が描いた漫画が原作のようです。
「また漫画の実写化かよー!」と思う方も多そうですね。
どれだけ世間で批判され続けても、ちょっとでも評価された漫画がすぐに実写化される流れは全く止まりそうにありません。
こうなるともう漫画は普段からなるべく読まないようにして、実写化された作品の実写版を観てから原作の漫画を読む方が抵抗が少ないんじゃないか?と思ってしまいますね。
って、そこまでするくらいなら実写化の方を無理して観なければ良いのかもしれませんが。
と、あくまで実写化を嫌う人に向けた話をしましたが、私自身は漫画の実写化にはあまり抵抗はありません。映像や配役よりも物語にどれくらいオリジナリティを加えたのかが気になるタイプです。
というわけで今回も思う存分映画を楽しむ事に集中します。
親の都合で田舎(栃木)の高校に転校してきた舞(足立梨花)はダサいクラスメイトとつまらない田園風景にうんざりしながらも、せっかくだからスクールライフを楽しもうと前向きに思う事に。
そんな舞の通う新たな高校には、中学の時にクラスメイトだった詩乃(江野沢愛美)がいた。舞は詩乃の存在をすっかり忘れていたが、詩乃は舞のグループから酷いいじめを受けていた。
詩乃は舞を見るなり復讐を決意。
詩乃の策略によって、舞のスクールライフは突如として地獄へと変貌してしまう。
誰も助けてくれない状況の中、泣いてばかりはいられない、とついに舞は反撃を決意する――。
といった内容です。
中学時代を前世、高校時代を現世と考えるなら、因果応報が主題になった物語なのかな、という解釈になります。
果たして実際はどうでしょうか。
監督は山岸聖太さん。
乃木坂46の個人PVや、星野源さんのMVなどを手掛けた経験があるそうです。
主演は足立梨花さん。その他に江野沢愛美さん、加弥乃さん(元AKB)、岡田結実さん(芸人・岡田圭右さんの娘)、藤田富さん、小南光司さんといったところがクラスメイトとして出演してます。
比べてみると結構原作の絵↓と近いイメージなのでは?
私が気になったのは、乃木坂46の公式サイトには出演の情報が出てたものの、映画の公式サイトにはどれだけ探しても「伊藤万理華」の名が無かった点で、実際に登場シーンを観るまでホントに出演してるのかちょっと不安でした。
乃木坂46は今、人気も知名度も絶頂期に差し掛かっている時期だと思いますし、「ゲスト出演」でも「友情出演」でも何でも良いので出演者として伊藤万理華の名をアピールしておいた方が集客に繋がると思うんですけどね……。
「出演者として名前を書くのがはばかられるくらいの端役なのかな?」という嫌な予感がしました。
本人も「撮影は一日だけでしたが、とても楽しかったです」なんてコメントをしてて、かなりのチョイ役っぽいな……と覚悟しながらの観賞です。
ちなみに公開される映画館が物凄く少ないので、せっかく興味を持っても遠出しなければならない恐れがあるのでお気を付けください(都内ですら3ヶ所だけでした)。
ネタバレしないように映画の感想です。
とりあえず言える事は、予想外だったり驚いたりするような物語ではないです。
王道のストーリー展開と言って良いでしょう。
と、私の事を知っている皆さんならご存知だと思いますが、これは批判ではなく褒め言葉ですよ。
観ている人の予想を裏切る事こそが重要なミステリーと違って、いわゆる「人間ドラマ」というか、「登場人物の心理描写」こそが重要な物語の場合、ストーリーは奇抜じゃない方がより楽しめると思いますし。
奇抜にするにはどうしても「は?何でこいつこんな事するの?」という人物を登場させなければならない確率が高まってしまいます。
というわけでこの映画、いじめる側、いじめられる側、傍観者。全員に感情移入出来てとても良かったです。
後は映像や音楽の演出が良かったと思います。
物語が王道な分、見せ方、描き方は作り手の腕の見せ所といったところでしょう。
あえていじめのシーンをポップに華やかに描いたりしてるのが面白かったです。いじめる側にとっていじめは「楽しい学校生活の一部」という事でしょうからね。
でもそれはやはり間違いで、最近はいじめの動画がネットで出回ったりして、いじめた人間の名前も顔も家族も特定されて、個人のいじめよりも遥かに恐ろしい日本全体から匿名のいじめを受ける、という事件が後を絶ちません。
この映画にもそれに近い描写がありますが、スマホが普及して簡単に撮影・録音が出来るこの時代、誰かをいじめるのは全く割に合わないリスクがあるんだよ、というのを描けてたんじゃないかと思います。
「いじめはいけない事だ」とか、「いじめられる人の気持ちになって」とか、他人の気持ちも自分の気持ちも分からないような連中にそんな綺麗事の教えが通用しない事も多々あるでしょう。
だから「誰かをいじめたら逆にお前の人生が終わるよ」みたいな打算的な教えも時には必要だと思います。
誰もが「俺得」じゃないと気が済まない、日本総クレーマー社会ですからね。
それより何より、いじめられる側にとっては、どんな理由でもいじめられなくなればそれで良いんです。
まぁとにかく、観た後はスッキリする良い映画だったと思います。
ちなみに生駒ちゃんの映画「コープスパーティー」を観た時は「お、皆どうした、大丈夫か?」と思う危ない演技力の出演者が結構いましたが、この映画の出演者は皆上手でした。
さて、次は乃木坂ファンとしての感想を。
「うーん、一体いつ出てくるんだ」
とやきもきした伊藤万理華さんの出演シーンですが、物語の中盤になってようやく出てきました。
主人公・舞の中学時代の友達という役どころ。
出てきた瞬間、あっと言う間に存在感に惹き込まれてしまいました。
ほんの数分の出演でしたが、物語のターニングポイントとなるシーンで、主人公に重要なアドバイスをする役となってます。
乃木坂46と仕事をした経験のある監督がメンバーで唯一出演者としてオファーしただけあって、流石の演技力でした。
まぁ満足はしましたが、でも彼女なら主役でもいじめっ子役でもハマっただろうなぁ、と思います。
今後もまた彼女が女優として仕事をするのが楽しみです!
それとは別に、乃木坂ファンとして気になった描写が一つ。
クライマックスのシーンで、舞に次々にズバッと心を抉り取られていく人達がバタバタ倒れていく場面を観て、「あ、羽根の記憶」と思いました。
まぁこの説明だけで分かる人には分かるんじゃないかな、と思います。
ちなみに今回、ついに公認会話士は生まれて初めて映画館を貸し切ってしまいました!
というのはもちろん冗談ですが、お客が一人って……
本当の意味での「一人映画」体験です。
だから乃木坂46の人気を最大限利用しろ!って言ったでしょ!
せっかく面白い映画なのに、観てもらえないんじゃ意味がありません!
だから私もこうしてしっかり宣伝させてもらいます。
お時間がある方は是非ご覧ください!
というわけで、私の小説が面白いと思った事がある方も、周囲にどんどんオススメしましょう!(重要なのはそこ)
以上、「傷だらけの悪魔」の感想でした。
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対象物(モノとしか見れない)を
屈服させるまでどんどんエスカレートして
犯罪の領域に足を踏み込んでも気付かず、
周りの人も見えてなかったり見馴れすぎて
感覚が麻痺したりで認識できなくなる
という集団的中毒状態がありますね。
我々はこういう作品を通じてでも、
誰もが違う人間であって違いのうえで
信条や感情や行動があることを理解
したうえで何が起こっているのかを
冷静に俯瞰する強い観察力を持つべき
だと思います。
「あら、そうね。皆が冷静な判断力を失って、自己保身のために一人を犠牲にするといったカンジかしら。もう学校中に監視カメラも必要な時代なのかもしれないわね。それがそのままドキュメンタリー映画になってしまったりするのかしら」
寒波で、みんな家にいるんでしょうかね。 いじめ防止で、学校へ行く時ドライブレコーダーみたいに、スクールレコーダーを持ち歩く時代が・・。 昔、「傷だらけの天使」っていうドラマを見て、トマトとコンビーフかじってました。ミーハーですみません。
「あら、そうね。映画館の中は暖かくても、そこに来るまでが寒いのがネックみたいね。これはいよいよ送迎サービスなども導入しなければならないのかしら。経営状況も傷だらけなカンジかしら」
こんばんは。
この映画、あんまり知られてないんかな。
映画館、貸し切りだと好き勝手にできるのは良いけどね(^_^.)
チョイ役?スポット参戦と言うか、
伊藤万理華さんのファンは悲ぴぃ~(悲しい)ですね。
「あら、そうね。ここ数日は主演の人が結構色々なテレビに出演して宣伝しているみたいだけれどね。人気の映画だからといって面白いとも限らないのと同様に、人気がないとつまらないと思われてしまうのも人間の感覚の恐ろしいところね。ブームを作るというのも中々難しいわね」
貸し切りでしたか(笑)。会話士さんの小説、面白いと思いますよ。特に「枝毛」はブログで紹介もさせていただきましたし…僕のブログじゃ大した宣伝にはならないかもしれませんが。それと、いじめ対策ですが、いっそのこと「いじめ加害」と内申書に書いちゃうってのはどうですかね。いじめられて不登校になったら内申書に書かれるわけですから、そうしなければ不公平ってものです。
「あら、そうね。後は学校での対応にも限界があるというか、そもそも隠蔽した方が良いという体質も良くないわね。いじめが発覚して公表した方が【信頼出来る学校】みたいな評価に繋がると良いんじゃないかしら。あら、小説は一体どれくらいの人が読んでいるのかしらね。とにかくどうもありがとうね」