春は出会いの季節でも別れの季節でもなく、変わらない現状を確認するためだけの季節?

ブログネタ:春は出会いの季節?別れの季節?

ミッキー
春は一般に出会いや別れの季節って言われてるな
ミニー
あらそう。それはずいぶんとめでたいわね
ミッキー
まぁ出会いに関してはめでたいとも言えるかもしれないな。出会いがあるのは新たな生活をスタートさせる時だしな
ミニー
何を言っているのかよく分からないけれど、ずいぶんめでたい話をしているわね
ミッキー
え?うん、そうかもしれないけど……でも例え新たな生活に踏み出すにしても、別れってのはめでたいとは言えないと思うぞ
ミニー
さっきから何を言っているのかさっぱり分からないけれど、おめでたいわね
ミッキー
僕もどうしてそう言ってるのか全然分からないぞ!どうして別れがめでたいんだ!
ミニー
うるさいわね。あなたが言っているのは本当に出会いと別れなのかしら。例えば入学式で多くの見知らぬ人達を一気に見るような機会があったとしても、それが出会いなのかどうかは分からないわ。かつての私のように誰とも知り合い以下の関係のまま終わるだけかもしれないじゃないの。そうなると【出会い】ではなくて、お互い姿を認識する程度という意味で【見合い】というカンジかしら。もしくは猫を被った【化かし合い】をする人もいるわね。そして私は誰にも見付からないように【気合い】を入れて気配を消していたかもしれないわ
ミッキー
気合いを入れたらかえって気配が出そうな気がするけど……まぁとにかく全員と関わったり親しくなったりするのは無理にしても、そこまで何もかも拒絶しなくても良いと思うんだけどな。で、結局何がめでたいのか分からなかったぞ?
ミニー
ええ、そうね。ちなみに先程は出会いに関してだけ触れたけれど、出会ってもいないなら別れにもならないと思うわ。違う環境に進んで会う事が無くなれば、全く知り合いでさえ無かったと気付くんじゃないかしら。そういう意味では【分かれ】というカンジね。もっと最初の段階でそれくらいの事は分かれ、と私はアドバイスしてあげたいくらいだけれど
ミッキー
最初から他人として過ごすのを決め付けるのも何だか寂しいと思うぞ。それにしてもホントに誰とも親しくしない人生を送ってきたんだな……こうして僕と付き合ってくれて凄く幸せだ
ミニー
……うるさいわね。もうめでたい理由なんてどうでも良くなってしまっているじゃないの。自分にとって都合の良い解釈ばかりしたりして、本当にあなたはおめでたいわね。頭の中が空っぽで鯛か何かが泳いでいるんじゃないかしら
ミッキー
どんな人間なんだそれは!っていうか、めでたいってそういう意味で言ってたのか?
ミニー
ええ、そうね。あなたも含めて誰も彼もが出会いとか別れとか言いながらこの時期になると感傷的になったりして、ずいぶんおめでたい事だと思うわ。私のように通う学校が変わっただけで、人間関係自体は全く変わっていないかもしれないじゃないの。人生は期待するほどドラマチックなものではないのよ
ミッキー
おい、ちょっと待ってくれ。それじゃ僕とも出会ってないみたいじゃないか
ミニー
あら、あなたなんて出会っていないのと同じようなものだと思うわ。ずっと死んでいるみたいだもの
ミッキー
おい、僕達は付き合ってるんじゃないのか!?生きてるか死んでるかも分からないくらい印象が無いなんて酷いぞ!
ミニー
違うわよ。ずっと知っているみたいだもの、って言ったの。いつ出会ったのかどうかも分からないくらい自然に何故かあなたは私の隣にいて、何故か私と会話をしているわ。あなたと私の人生が行き当たる前から当たり前だったみたいじゃないの。って、何を言わせるのかしら、みっともない。人生は期待しなかったよりはドラマチックなのかもしれないわね
ミッキー
ううっ、そんなにすんなり僕を受け入れてくれたなんて嬉しいな。でもやっぱりそれも含めて春は出会いの季節って言えるんじゃないか?
ミニー
ええ、そうね。それで良いんじゃないかしら
ミッキー
また突然さっきまでと比べてガラッと考え方が変わったな……出会いと別れの季節ってのをかなり否定してたような気がするんだけど……どういう理由なんだろう
ミニー
うるさいわね。あなたが受け入れがたい表現をしたのが悪いのよ
ミッキー
え、何て言ったっけ。あ、もしかして出会いの季節は認めるけど、別れの季節って言ったのは認めたくなかったのか?
ミニー
しつこいわね。あまりしつこいと別れの季節という表現を認めざるを得ない展開になるかもしれないから気をつけてちょうだい
ミッキー
全く素直じゃないんだからな……

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公認会話士

電子作家の公認会話士です。 2015年4月、アメブロとFC2から引っ越してきました。 気楽に楽しめる作品をビシバシ更新していくつもりなので、気が向いたらいつでもお立ち寄りください。

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  • 格好良くて綺麗で逞しくてスマートで可愛くて賢い女性と出会いたい!
    そう、ここに居るのは贅沢ぬかしてる身の程知らずのクソ野郎ですよ。
    まあしょうもない話は兎も角、「出会い」と言うのは、「自分以外の存在」がうじゃうじゃ在るこの状況下においては常に発生しているもので、そこからその「他の存在」との関係が発展するかしないかで自分の運命が左右される訳ですが、「関係の発展が無い」状態を何故か「出会いが無い」と表現する人が多いですね。
    そう言う表現を使う人達は、自ら関係を発展させようとしない、受動的な人達なんでしょうかね。

    • 「あら、そうね。近くに人はいるのに出会いが無いと思っている人が多いわね。実はそういう人ほどプライドが高くて相手に求める理想も高かったりするのが現実じゃないかしら。結局自分ではなく相手に非があるような言い方にも聞こえるものね。私も人の事は言えないけれど」

    • 「あらそう。その言葉で呼ばれたら大体皆揃ってやられてしまうものね。二手に別れた方が意外とまた出会える確率が高まるかしら。別れを上手に活用出来る人が成功者なのかもしれないわね」

  • 中学に入学した時は、中3がオジサンに見えて、自分が高3になったら高1がフレッシュに見えて、自分が20歳になったら18歳が・・・。       昔の出会いは危険でした・・「出会え出会え。曲者じゃ。出会え~!」

    • 「あらそう。学校生活が人生の中心になると、かなり狭い範囲の年齢層であれこれ思う事になるわね。実は将来出会うような人と既に出会っていても気付かないかもしれないわね」

    • 「あらそう。今度は出会いで愛で哀になってしまうのかしらね。いつまでも良い事が続くと思ったら大間違いだものね」

  • 出会いと別れにもいろいろありますよね。なにも人との出会いや別れに限りません。新しい本や音楽との出会いとか…もしかしたら今までと違う世界が開けるかもしれませんよ。

    • 「あら、そうね。一瞬一瞬が新たな時間との出会いでもあるものね。そう考えると時間というものはずいぶんさりげない性格をしているわね。強く印象に残る時間はごくわずかだものね」