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映画「ゆらり」(池袋シネマ・ロサ)を観た感想・岡野真也、内山理名、戸次重幸出演

どうも公認会話士です。

実はここ数日、とんでもない高熱が出て寝込んでました。
まぁ一応ブログの更新やコメントの返事はミニーさんがしてくれてたので、特に問題は起こらなかったんじゃないかと思いますが……。

日曜日の朝までは全く普通だったんですよねぇ。
朝食を食べてちょっとしたら「ん?何か喉が痛いかも」と感じて、そこからはみるみる体温が上がって、昼頃には38℃を超えて、最大で38.9℃まで上がりました。
身体の節々は痛いしだるいし、首筋のリンパが物凄く痛いし、喉も痛いし頭も痛いし、という事ですっかり寝込んでしまいました(既にご存知の方も多いと思いますが、私の部屋には布団が無いので、座椅子を倒してコタツで寝ました)。
えー、私ってこんなに眠れるの?というくらい寝ました。

喉が痛くて高熱が出ただけで咳や鼻水などは出なかったので、急性扁桃腺炎とかいうヤツだと思われます。
基本的にちょっとずつ免疫力と体力が回復して治っていく、という形しかないみたいです。
1週間くらいかかるのかなぁ、と思ったんですが、普段ほとんど眠らないだけに、睡眠の効果は人一倍あったようです。
2日ほどで何とか出歩ける程度には回復したので、昨日は以前から気になっていた映画を観てきました。

タイトルは「ゆらり」という映画で、主演は内山理名さん。
その情報をキャッチした瞬間から「これは絶対に観なければ!」と楽しみにしてた映画です。

実は何を隠そう私は昔から内山理名さんが大好きなんです。
きっかけは2000年にTBSで放送された「QUIZ」というテレビドラマを観たからなんですが……私が観たのが再放送?なのかレンタルDVD?なのか、一体いつどのようにして観たのかまでは覚えてません。
でもその時に観た真っ白なセーラー服を着た女子高生役の内山理名さんにすっかり目を奪われました。
もしかしたら私の人生で最初にファンになった芸能人かもしれません。
今にして思うと、その時観た内山理名さんの姿が私の生み出したキャラクターの姿に無意識に投影されていたのかも……?そうなのかも。違うかも。

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究極のドラマ?

ちなみにこの「QUIZ」というドラマ、もし「面白かったドラマTOP 10」とか「期待外れだったドラマTOP 10」という個人的なランキングを作成するとしたら、どちらも1位になるドラマです。
というのも、全11話のうち、10話までは究極の面白さなんですよ。子供が誘拐されて、被害者の家の中は完璧に監視されていて、犯人から次々にクイズが出題されて、容疑者になり得る怪しい人が何人かいて、犯人に辿り着けそうでなかなか辿り着けなくて、意外な共犯者が明らかになって……。
それこそ一気に全話観てしまうレベルです。
恐らくリアルタイムで1週間に1話ずつ観ていた人は、先が気になり過ぎて発狂寸前だったんじゃないでしょうか。

さぁ、そしていよいよ最終話!

と、これ以上ない期待を持って観始めると、予想外の事態が発生します。
まぁ作家の端くれとしてネタバレはしたくないので内容は伏せますが、とにかく「史上最大のガッカリドラマ」として幕を閉じます。
「は?何でこんな終わり方にする必要があるの?」みたいな。
意味不明な、奇をてらった、辻褄が合わない、雰囲気だけで押し切る、細かいところにこだわらない、伏線を回収しない、そんな小説を私が書かないように心掛けているのはこのドラマの影響がやはりかなり大きいと思います。
どうしても気になる方は、今は配信で観れるみたいなので、私と同様に10話まで盛り上がって、最終話でガッカリしてみてください。

久々の主演

と、話が大幅に逸れてしまいましたが……それはさておき、最近の内山理名さんはドラマのゲスト出演みたいな仕事ばかりだったので、主演映画とは嬉しい限り。

しかーし!一つ大きな問題が。

なんと、東京では池袋のシネマ・ロサのみでの上映との事。

日本全国でもほんの数件の映画館でしか上映されません。
※詳しくは公式ホームページをどうぞ

往年のフランス映画じゃあるまいし、これだけの有名女優が主演してる新作映画が単館上映って、一体今の邦画界はどうなっちゃってるんでしょうか。
同じような少女漫画が原作の青春恋愛映画ばかり作ってんじゃねーぞ!と言いたくなります(お前もそういう小説ばっかり書いてるだろ!というクレームは受け付けておりません)。

病み上がりどころか、まだ上がり切ってないような状態なのにわざわざ観に行ったのも、そういう事情があったからです。
一体いつまで上映されるのかすら決まってなかったので。
※今はシネマ・ロサのホームページが更新され、11月17日までの上映と記載されてました。短い!

映画界がこんなにこの映画に冷たくするのは何か特殊な事情でもあるんでしょうか?
戸次重幸さんとか渡辺いっけいさんとか鶴田真由さんとか、他にも有名な俳優さんがいっぱい出てるのに!

とにかくせっかくここで紹介しても、上映する映画館が近所になくて「とてもじゃないけど遠くて観に行けない」とか「日程が合わない」という方もたくさんいるんじゃないかと思います。
アメリカのホラー映画みたいに「クチコミから大ヒット!」みたいな事態になると良いんですが。

あらすじ

現在
海沿いのひっそりとした佇む民宿「赤城箱」。民宿を営むのは女主人・凛香(岡野真也)とアルバイト・瞳(萩原みのり)。ある日、中年の男・高山(戸次重幸)と(遠藤久美子)が宿泊にやってくる。特に変わった男ではないけれど、瞳への対応だけがどこかぎこちない。
一方、凛香は接客のかたわら、しきりに甘えてくる娘・ゆかり(筧礼)をついつい突き放してしまう。ショックを受けたゆかりは、父・孝介(山中崇)に「自分を誘拐してほしい」とせがみ、2人で狂言誘拐を計画するのだが…
未来
シングルマザーのゆかり(内山理名)は、息子・青空(高橋幸聖)と二人暮らしをしていた。ある日、青空が「神様なんていないんだよ」と残念そうにゆかりに話す。どうやら、学校でそんな話になったらしい。ゆかりは「神様はいるよ」と青空に神様から手紙が届くポストをプレゼントする。それは、自分が幼い頃に祖父がマジックに使っていたものだった。その日から、ポストに投函された青空からの手紙に、返事を書くのがゆかりの日課になった。 毎朝嬉しそうに手紙を読む青空を微笑ましく見守るゆかりだったが、同時に恐れていることがあった。それは、日増しに悪くなっていく自身の体調。やがて、ゆかりは入院することになり、別れた夫・正樹(平山浩行)に青空を預けることに…
そして、過去
舞台は、数年前の民宿「赤城箱」。女優の夢を諦め、実家に戻ってきた娘・凛香(岡野真也)は、母・美和(鶴田真由)とうまくいっていなかった。父・幸雄(渡辺いっけい)になだめられても、凛香の母への態度は変わらない。 そんなある日、凛香の友人(小築舞衣・弥尋)が旅館へと遊びにくる。久しぶりの再会を喜ぶ凛香と友人だったが、あるものを発見する。それは…不思議な注意書きが書かれたリモコン。「このリモコンを利用してその時間に何をしても、未来の出来事は変えられません。多少の時間のずれは起こりますが、本来の時間の流れに戻っていきます。」そのリモコンをきっかけに、凛香たちは思いがけない展開に巻き込まれていくのだった。 もしも奇跡が起こるなら、あの夜をもう一度だけ。日常のなかに、一瞬だけ浮かび上がる温かな家族の絆。三つの家族に起こった 、暖かくて 切ない「ゆらり」な物語。
(いずれも公式ホームページより)

というわけで、ひとつの民宿を舞台に、違う時間の物語が進行していく形です。

シネマ・ロサ

さて、物語の感想の前に、映画館の感想を。
場所は池袋の西口(サンシャイン60じゃない方)を出て右側にある「ロマンス通り商店街」を通り、60メートルほど歩くと左側に見えてくる「ロサ会館」の中にあります。

スクリーンは2つで、どちらも200席ありません。
でも最近のシネコンは100席程度のスクリーンも多いので、特に狭いという印象は無いです。
座席がスロープになってないので「前の人の頭が気になるのでは……」と心配でしたが、スクリーンがちょっと上方に取り付けてあるので、上手い具合に気にならなくなってました。
席の座り心地はかなり良いです。眠らないように注意、と言えるレベルかも。
※この映画に関しては眠くなるようなシーンは全くありませんので誤解のないよう。

観た感想

では物語のネタバレをしないように感想を。

あらすじと予告動画を事前に目にしてたので、「恐らく家族を題材にした感動系の映画だろう」と予想してました。
実際にその通りで、映画は家族愛がテーマです。
更に細分化すると「家族に対する後悔」というテーマ。
「あの時ああしておけば良かった」とか「あの時何であんな事を言っちゃったんだろう」とか、家族に対する態度で後悔した事がある人も多いと思います。

そんな人がこの映画を観たらたぶんエライ事になると思います。
私も「ひょっとしたらウルッと来る場面もあるかも?」なんて思ってたんですが……。

ヤバかったです。

今まで映画や舞台を観てこんなに泣いた事あったっけ?というくらい泣きました。
涙が際限なく流れてるような状態の時にエンドロールが始まって、「あー、どうしようどうしよう、もうすぐ明るくなっちゃう」みたいな。

とにかくひたすらただただ感動しました。
軽くネタバレするとタイムマシンが出てくる話なんですが(あらすじにも書いてありますね)、それを「あの時お母さんにああしておけば良かった」のためだけに使うところがこの物語の上手いところでしょう。
実際には人間にはタイムマシンなんて必要なんて無い。ほんの少し素直になるだけで、こんなに幸せな一生を送れるようになるんだ、というメッセージに思えました。

とにかくW主演の岡野真也さんの最後の食事シーンは圧巻です。
劇場内のすすり泣きの声も多かったです。

内山理名さんの感想

さて、では内山理名さんファンとしての感想です。

やっぱりまだ美人で綺麗ですよねぇ。
しかも素晴らしい演技力!
どうしてもっと色々な作品に出演しないの!?と日本のエンターテインメント界に文句を言いたいです。

「会話士」なんて名乗ってる私が言うのもどうかと思いますが、最近は説明のナレーションとセリフが過剰な作品が多い中、この作品は「表情だけで伝えられるだけ伝える」という手法にかなりこだわって作られてるのを感じました。
内山理名さんは夫の浮気によって離婚して小さな男の子を一人で育ててる母親役(それすら一度も説明はないですが、表情ですぐ分かります)なんですが、子育ての苦悩や喜び、自分の病気への不安などが表情だけで痛いほどに伝わってきました。

序盤は全く登場しないですが、中盤以降は最も重要な役どころで、出番も多くて大満足です。

拡散希望

ちなみに私が観た日は、上映後に横尾初喜監督、渡辺いっけいさん、弥尋さんによる舞台挨拶がありました。

撮影中のエピソードや撮影秘話など、楽しい話もたくさん聞けましたが、3人からひしひしと伝わってきたのは「この映画をもっと世に広めたい!」という想い。
確かに私の「何故この映画が単館上映?」という感想も映画を観終わるとより強固なものになりました。
全国ロードショーしてたら大ヒットだったんじゃない!?と。

自信を持ってオススメ出来る作品を作ったのに全く世間に広まらない。

このもどかしさは私も作家として長年味わい続けてるので気持ちがよく分かります。
日本人なんて所詮、マスコミがヒットさせたい作品を観て満足してるだけの、右へ倣えで個性のない底の浅い国民だ。なんて卑屈になる事もきっとある事でしょう。
などと勝手に監督さんの人間性を貶めちゃいけませんね。
私と違ってブラックな事を言いそうな方にはとても見えませんでしたので。

とにかくお時間のある方は是非とも観て欲しいです!

以上、映画「ゆらり」の感想でした!
公認会話士が出版した小説一覧はこちら
ついでに↑公認会話士の小説もたくさん読んで世の中に拡散しましょう!

公認会話士

電子作家の公認会話士です。 2015年4月、アメブロとFC2から引っ越してきました。 気楽に楽しめる作品をビシバシ更新していくつもりなので、気が向いたらいつでもお立ち寄りください。

View Comments

  • 「只今、38.9度出してます」
    と書かれたらしょばじょば泣いてしまったかも知れない。
    熱下がってよかった。ほんとよかった。

    • 「あら、高熱は人を感動させる効果があるのかしらね。今後は執筆に活かすべきなのかしら」

  • 平熱が低めな公認会話士さんだから それだけ熱が上がると 尚更大変だったのでは?と思います
    風邪は治り際があれですから 治ったと思っても ちょっと安静にしていた方がいいかも知れませんね おだいじに
    私も内山理名さん 好きです

    • 「あら、そうね。以前も38℃を超えると幻覚が見えるとか言っていたものね。今回は大丈夫だったみたいよ。でも書き留めている人が眠るなんて余程のウィルスみたいね」

  • こんばんは。

    風邪でしたか。
    日頃から体温の低い人が高熱になると
    かなり辛かったでしょう。
    移されたかもですね。
    お大事に。

    • 「あら、風邪なのかどうかは分からないけれど、でもウィルスでやられたとしたら同じようなものなんでしょうね。パソコンも人間もウィルスには気をつけたいわね」

  • そうでしたか。大変でしたね。でも良い映画だったんですね。不調を押して観に行ったかいがありましたね。僕も最近、ひどい歯痛に見舞われ、眠れないし食えないしで大変だったんです。会話士さんもご自愛くださいね。

    • 「あらそう。食べられないくらい歯が痛いとなると大変ね。書き留めている人も飲み込めないくらい喉が痛かったみたいだけれど、痛くなったり治ったりも身体の中で物凄くドラマチックな事が起こっているんでしょうね」

  • 「ゆらり」は珍しく原作が無いようですね。病の床から(全然気づきませんでした)這って観に行っただけあって、ブラックで真っ黒な公認会話士さんが変なテンションで感動されたようですね^^本当に世の中には知られていないけど読んだ人には決して忘れられないほどインパクトを持つ名作が埋もれていると思います。それに出会ってしまったのは滅多にない幸運でしたね!題名忘れないで覚えておきます。

    • 「あら、そうね。一応舞台が原作らしいわよ。監督さんが物凄く感銘を受けて脚本家に映画化を願い出たそうよ。書き留めている人の小説にもそれくらい感銘を受ける人はいたのかもしれないけれど、実際に次の展開に繋がるかどうかは未知数だものね。そういう意味では本当に形にしてしまった監督はスゴイ情熱と行動力の持ち主というカンジかしら」