一年間で人生がガラリと変わってしまう事を覚悟しながら生活しておくべき?

ブログネタ:去年の今ごろ、なにしてた?

ミッキー
去年はまだ僕達って出会ってなかったんだよな
ミニー
あらそう。良かったわね
ミッキー
おい、それじゃ出会わない方が良かったみたいな意味になっちゃうじゃないか。聞き捨てならないぞ
ミニー
あらそう。良かったわね
ミッキー
いや、だから全然良くないってのに。お前と出会わない人生なんて考えたくもないぞ
ミニー
あらそう。良かったわね
ミッキー
ちょ、ちょっと待った。お前はもしかして僕と出会いたくなかったのか?まさか別れたがってるとか……
ミニー
あらそう。良かったわね
ミッキー
おい!どうしてそんな事を言うんだ!
ミニー
うるさいわね。何を興奮しているのかしら?面倒だから早く今年のあなたを出してきてちょうだい。去年のあなたでは言葉が全て別の意味で受け取られてしまうじゃないの
ミッキー
え?何を言ってるんだ?去年の僕なんてここにいるわけないぞ
ミニー
あら、もう入れ替わったのね。良かったわね
ミッキー
う、うーん、何だかよく分からないな……何の話をしてたっけ……何か僕と出会わない方が良かった、みたいな話を……
ミニー
しつこいわね。もう出会った事実は変えられないから良かったじゃないの。って、何を言わせるのかしら、みっともないわね
ミッキー
あっ、そっか。去年は全くお互いに知らなかったのに、今は実際にこうして出会って付き合ってるから良かった、って意味で言ってくれてたのか。そ、それはホントにそう思うぞ。お前は僕の全てみたいな存在だからな……出会わないなんて考えたくもないぞ……
ミニー
何をごにょごにょつい油断して簡単な足し算を解いてしまったために一生研究施設で計算ばかりやらされるハメになってしまったチンパンジーみたいにつぶやいているのかしら、気持ち悪いわね。とにかく何を話したいのかしら?話題もあなたもどの時間軸にいるのかさっぱり分からないわ
ミッキー
いや、だからまぁ去年の今頃って何をしてたかな、と思ってさ。いや、そうじゃないな。そういうのは大体分かるから、ちょうど今頃っていうか、まさに今この同じ日にちの同じ時刻って何をしてたんだろう
ミニー
あら、それを知ってどうするのかしら。去年と全く同じ行動をすると異次元が近い存在になってパラレルワールドに行きやすくなるとかいう都市伝説でもあるのかしら?
ミッキー
いや、別にそんな事は無いぞ。だってお前がいない世界になんて行きたくないじゃないか
ミニー
まぁ、私はこの一年の間に突然地球上に湧いて出てきた存在だと言いたいのね。あなたの生き血をすすって生きるぼうふらみたいな女で悪かったわね。近くで蚊が飛んでいるみたいでうるさいと言うなら両手で押し潰せば良いじゃないの。精神の弱い人間なんて蚊と同じくらい簡単に死ぬ生き物かもしれないわよ
ミッキー
何を物騒な事を言ってるんだ!お前がうるさかったり目障りだと思った事なんて無いぞ!
ミニー
うるさいわね。大きな声を出せば蚊の飛ぶ音が掻き消されると思ったら大間違いよ。って、先程からどうして私が蚊のような存在になっているのかしら、失礼な。痛みも無く血を吸ったって面白くも何とも無いじゃないの
ミッキー
何か怒ってるポイントがおかしいような気がするけど……と、とにかく僕は去年何してたかな、と思ってさ。お前はもしかしてそういうのまで覚えてるのか?
ミニー
あら、そんな何も設定していないのに勝手に番組を録画するお節介なテレビみたいにはいかないわよ。中には覚えていない事もあるんじゃないかしら。その時間は未来になっているもの
ミッキー
いや、何の事か分からないぞ。去年の今が未来に行っちゃってるのか?さっきのパラレルワールドの話の続きなのか?
ミニー
違うわよ。去年の今頃は未来の事を考えていたから、考えている状態の私なのか、想像の中の私なのか、一体どの私についてあなたが質問しているのか分からないと言っているのよ
ミッキー
な、なるほど。去年の今頃は実際の時間とは違う時間の事を考えていたわけか。一体どんな未来を考えてたんだ?
ミニー
あら、それは今の事よ。今まさにこの時間の事ね
ミッキー
そ、そっか。ちょうど一年前のこの時間に、ちょうど一年後にどうなるのかを考えていたのか。何か小説みたいな話だな……で、今はお前の予想と比べてどうなんだ?
ミニー
あら、予想とは何もかも違うわね。最悪じゃないかしら。もう帰れないもの
ミッキー
ちょ、ちょっと待った!去年とか去年の想像の方が良かったって言ってるみたいじゃないか!いくらなんでも酷いぞ!
ミニー
違うわよ。もう変えられないもの、って言ったの。中学までと同様に全く何も無い高校生活を予想したけれど、何もかも違うわね。これはもう変えようが無いわ
ミッキー
そ、そっか。でもそれが最悪って言われると僕としては悲しいんだけど……
ミニー
うるさいわね。別に良くも悪くもないと思っていた今までの人生が最悪だった事を知ってしまったからよ

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公認会話士

電子作家の公認会話士です。 2015年4月、アメブロとFC2から引っ越してきました。 気楽に楽しめる作品をビシバシ更新していくつもりなので、気が向いたらいつでもお立ち寄りください。

View Comments

  • 同じ高校を選ぶ確率、合格率、クラス替えで同じクラスになる確率、計算上は奇跡ですね。        追伸  ドラマみたいな出会いは本当にあるのでしょうか。

    • 「あら、そうね。同じ年齢で同じ学校で同じクラスなんてとんでもない確率ね。それなのにいがみあったりいじめがあったり、人間というのは奇跡的な愚かさを持った生物なんじゃないかしら」

    • 「あらそう。全細胞が半年で入れ替わるから、2回くらい全くの別人になっている可能性があるわね。今日話した事もすっかり忘れているんじゃないかしら」

    • 「あらそう。必要の無い事まで覚えていたら脳がパンクしてしまうものね。何もない一年だったならそれはそれでアリなんじゃないかしら。思い出そうとしてもコロナの事ばかりでしょうしね」

  • この1年間は、部屋から一歩も出ない人にとって、生きるか死ぬかの瀬戸際だったかもしれないですね。

    • 「あら、そうね。部屋から出たら死んでしまうかもしれないものね。部屋にいたら死んでも発見されない可能性もあるけれど。この世に安全な場所なんて存在しないのかもしれないわね」

    • 「あらそう。今は誰とも出会わない人が賢い、という世の中だものね。ソーシャルディスタンスの間隔もどんどん広がっていくんじゃないかしら」

  • 去年の今頃というと、コロナが流行りだしたころですかね。確か中国語のレッスンをやっていました。中国に対する風当たりが強まっていまして、先生が攻撃されてないか心配でしたね。

    • 「あらそう。アメリカでもアジア人差別が強まったりしているものね。そろそろウィルスよりも人の方が怖い、という状況かしら」