恋人との出会いがどれだけ特別でも世間ではありきたりな出会いでしかない話

ブログネタ:恋人との出会いはなんだった?

ミッキー
僕達は高校の入学式で出会ったけど、他の恋人達はどんな出会い方をしてるんだろうな
ミニー
さぁ、どうかしらね。思ったよりはありきたりな出会いが多いんじゃないかしら。転校初日にも関わらず彼は遅刻してしまって、母親からパンを渡されて急いで学校へ行くのよ。そのまま無事に教室に辿りついて、無難に自己紹介をするわ。そしてホームルームの後に当然周囲からちやほやされるけれど、彼はもう空腹に耐えられなくなって質問なんてそっちのけでパンを食べ始めるのよ。そこへ短気な女の子が【ちゃんと話を聞け、新参者のクセに】と思い切り体当たりをするのよ。すると二人とも衝撃で脳がおかしくなってしまって、昔からの知り合いのような気がしてしまうわ。【あっ、あの時の……】と言ったが最後、恋に落ちないわけにはいかなくなってしまうわ。転校生がパンを食べると必ず女の子とぶつかるから面白いわね
ミッキー
そんな特殊な例は日本中探してもまず見付からないと思うぞ……
ミニー
あら、そうかしら。それなら部活で知り合うのかしらね。地学部などというマイナーな部活に入ってしまったために、ほとんど誰とも話さずに放課後を過ごしていた男子生徒が、どうしても校庭を掘りたくなってしまって一心不乱に発掘作業をするのよ。するとある女子生徒の教科書が掘り起こされるわ。彼女は風の強い日に校庭で落として、そのまま教科書は砂を被ってしまって見付からなくなっていたのよ。彼女は1割のお礼をしようとして、彼は教科書を1割破って受け取るわ。それを見ていた風紀委員の女子が【なんと潔い男子だ】と感心して想いを寄せるようになるのよ
ミッキー
えっ?その落し物の子と付き合うんじゃないの?
ミニー
当たり前じゃないの。教科書を拾ってくれただけで好きになるほど女子の気持ちは軽くないわよ。もっと心の奥底に響くから好きになるんじゃないの。そして風紀委員の女子は校庭に毎日埋まり続けて、ついに彼に10回発掘してもらうのよ。晴れて10割を受け取ってもらったわけね
ミッキー
恐ろしい執念だな……っていうかそんな世界に一人もいないような人を例に出されても困るんだけど……今回はありきたりなよく聞く話で良いんだぞ?
ミニー
あらそう。それならバイト先で知り合うのが良いんじゃないかしら。幼い頃に両親を亡くした彼は、生活費と学費を稼ぐためにコンビニのバイトに応募して採用されるのよ。そして初めての研修の日にもう一人別の女性も採用されていた事を知るわ。全く恋愛の経験が無い彼は何とか仲良くなりたいと思って、ずっと横目で彼女の様子を窺いながら研修をするわ。結局全く研修の内容を覚えられない彼は店長に叱られてしまうのよ。そこで【彼女と同じ職場では仕事に集中出来ません、今日で辞めます。その代わり付き合って下さい!】と彼女に告白をするわ。でも当然彼の事なんて目もくれずに研修を受けていた彼女は彼を振ってしまうわ
ミッキー
……えーと……既に恋人との出会いじゃないような気がするんだけど……
ミニー
あら、まだ途中よ。彼の一途で純粋で経験が乏しい様子に心を打たれた女店長が、彼の里親となる事を名乗り出るわ。母親と息子としての新たな生活が始まるけれど、少しずつ成長する信頼や好意が、お互いに相手を好きと思う感情に変わっていってしまうのよ。そうなると一つ屋根の下に暮らす二人はお互いへの想いを膨らませて……
ミッキー
ちょ、ちょっと待ってくれ!血は繋がってないけど何となく禁断の関係っぽくなってるじゃないか!っていうか今回はありきたりな恋愛の話で良いって言ってるのに
ミニー
うるさいわね。ありきたりな話が何もかも自然で違和感の無い話とは限らないから仕方ないわ。私は事実しか話さないもの
ミッキー
いや、さっきまでの話が事実だとはとても思えないんだけど……
ミニー
違うわよ。私の実話しか知らないもの、って言ったの。恋人との出会いなんて実際にはたった一度しか経験した事が無いから話しようが無いわ
ミッキー
……そう言うわりには物凄い話をしてたような気がするけど……

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公認会話士

電子作家の公認会話士です。 2015年4月、アメブロとFC2から引っ越してきました。 気楽に楽しめる作品をビシバシ更新していくつもりなので、気が向いたらいつでもお立ち寄りください。

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  • 道に迷って通りかかった人に道案内を頼むと北海道の道場でお父さんが待ち構えていて柔道を習わされて熊を倒して焼いてどんちゃん騒ぎの宴会になって、数年後、あのときのくまさんのカタキを討ちたいとクマ娘がプリティダービーで大活躍してモテモテになるという出逢いはどうでしょうか。

    • 「あらそう。いつどこでどう関係が繋がっているか分からないものね。ウマ娘もクマ娘もシマウマ娘も実は知り合いなのかもしれないわね」

  • おはようございます。

    パンを落としたり、
    ペンを落とすと
    女の子とぶつかる説(笑)

    • 「あらそう。パンを咥えて走る技術が必要になるわね。まずは事前にいつ転校生がやってくるかリサーチしておく方が良いのかしらね」

  • 「出会いは~いつでも偶然の風の中~♪」

    追伸
    納豆派の僕は、ぶつかったら臭いで嫌われます。

    • 「あらそう。何度もぶつかっているうちにネバネバしてくっついていくのかしらね。人間関係も納豆のようなものなのかしら」

  • コンビニの店員さんとか、お互い顔は知っていても、それ以上に発展することはほとんど無いと思います。他にも郵便配達の人とか、知り合いならたくさんいるんですけどね。普通に生活してたら出会いなんてほとんど無いですけど、やはり積極的に探すべきなのかな。

    • 「あら、そうね。客と仕事中では立場も全然違うものね。無闇に話しかけるとかえって嫌がられるケースが多そうだものね」