リアクションの大きなレポーターほどレポートが下手な理由について

ブログネタ:やってみたいレポーター

ミッキー
テレビのレポーターとかって大変そうだな
ミニー
あら、何かしら、突然、気持ち悪いわね。そこで何がどう大変なのかを事細かに無駄なテンションと共に伝えるのがレポーターの仕事じゃないの。よくそれでレポーターを目指す気になったわね
ミッキー
いや、別に僕はレポーターになりたいわけじゃないんだけど……
ミニー
あらそう。そういうどっちつかずの夢も希望も将来性も無い若者をどうレポートすれば良いのかを知りたいのね。そんな回りくどい演出をしなくてもそのままのあなたを伝えようとすれば良いと思うわ。魅力も面白さも興味も感心も好意も何も無いもの
ミッキー
こら!どうしてレポーターについて話しただけでそこまで酷い事を言われなきゃならないんだ!
ミニー
うるさいわね。訊かれたくない後ろめたい事がある人とか、マスコミが嫌いな人を相手にする時なんてもっと酷い事を言われるわよ。こんな事で声を荒げているようでは毎日取材対象と喧嘩するハメになるんじゃないかしら。とはいえそれはそれで個性のあるレポーターとして面白いとは思うけれど
ミッキー
いや、だから僕は別にその気は無いって言ってるのに……っていうか取材のたびに喧嘩ばかりするレポーターってのも怖いな
ミニー
あら、そうかしら。本音を隠したり人間性を偽っている人に取材する時は重宝するんじゃないかしらね。景色や料理をレポートするのはまだしも、取材で人間の本心を訊き出すのは一番大変だと思うわ。だから怒らせるのが一番手っ取り早いのよ
ミッキー
まぁ言いたい事は分かるけど、ホントに僕はレポーターになるつもりは無いぞ?ただレポーターって仕事について話そうとしただけだからな
ミニー
あらそう。レポーターのレポートをしたいのね。それならさっき話したわよ。何でも無駄な動きとテンションで伝えるのが仕事じゃないかしら。少なくともプライベートでもあんなに驚いてばかりいたらショック死してしまうはずよ
ミッキー
確かにスゴイ事を伝えようとして必要以上に驚いてるレポーターもいるな
ミニー
ええ、そうね。料理を口にするたびに物凄く驚いた表情をする人がいるけれど、一体どれだけマズイと思っていたのかしらね。よく店の人も殴らず我慢していると思うわ
ミッキー
ま、まぁ確かにな……予想より美味しい、ってのが言いたいんだろうけど……じゃぁ例えばどうやって伝えれば良いんだろうな
ミニー
あら、もしかして私にレポートをして欲しいのかしら?あまりの実力に驚いてしまうんじゃないかしらね
ミッキー
お、まさかやってみせてくれるのか?じゃぁ一番得意そうなフライドポテトについてやってみせてくれないかな
ミニー
あらそう。まずは手に取った瞬間に冷たくない感触があるわね。そして固くもなく柔らかくもないわ。いざ口に入れると、ガチガチしていなくて、フニャフニャしていないのよ。そしてサツマイモでもサトイモでもない、甘くも苦くもない味が広がるわ
ミッキー
おぼろげ過ぎて何だか全然分からないぞ!
ミニー
うるさいわね。何もかも伝えたって面白くないじゃないの。食べたければ視聴者が勝手に食べれば良いのよ
ミッキー
そんな事を言ったらレポーターなんて必要ないじゃないか……
ミニー
うるさいわね。そもそも私がレポートが苦手な事なんて最初から分かっていたじゃないの。あまりの実力に驚いてしまったんじゃないかしら
ミッキー
いや、今のが初めてだったから上手か苦手かなんて知らなかったぞ
ミニー
違うわよ。あなたの実情に驚いてしまったんじゃないかしら、って言ったの。最初にあなたについて話した時点でレポートが苦手だとどうして気付かないのかしら
ミッキー
え?魅力も面白さも興味も感心も好意も無いとか言ってた事を言ってるのか?そ、その言葉が全部レポートが苦手な結果って事は……
ミニー
ええ、そうね。あなたの事が大嫌いという事を私は伝えたいのよ
ミッキー
まだ苦手なままになってるぞ!全く素直じゃない!

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公認会話士

電子作家の公認会話士です。 2015年4月、アメブロとFC2から引っ越してきました。 気楽に楽しめる作品をビシバシ更新していくつもりなので、気が向いたらいつでもお立ち寄りください。

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  • オリンピックなんかで「インタビューする側」がもらい泣きしないのは凄いなー、と感心して見てます。     僕は街角インタビューでクドクド話したり、ニヤニヤしない、と心の準備をしていますが、一度もされた事がありません。

    • 「あらそう。ちゃんと予行練習をしないと心配していた通りの結果になってしまうのかもしれないわね。インタビュアーはきっと相手に言わせたい言葉とか言わせたい内容を事前に決めて臨んでいるでしょうから、そっちに集中していて感傷的になっている場合ではないカンジかしら」

  • 書き留めている人は、言語能力がただ者ではない気がするんですよね。もはや精神異常者か異星人のレベルかも。そのうちに世界中からレポーターが殺到するかもしれないですね。

    • 「あら、書き留めている人に対して言語のリアクションが大きかったのかしらね。いつか言語に飽きられるような事が無ければ良いけれど。手を変え品を変え、いつも取材されるような存在でいなければいけないわね」

    • 「あら、カメラが回っているだけで魔法のように美味しく感じてしまうみたいだから、魔法にかかってない人は注意が必要ね。テレビで取り上げられた繁盛店がいつの間にか閉店しているような事は都内では日常茶飯事だものね」

  • おはようございます。

    テレビ番組ではオーバーなやらないた
    伝わらないのでしょうね(^-^)/

    • 「あら、そうなのかもしれないわね。普段食事している時のように話すと【実は美味しくないんじゃないか】とか疑う人もいるんでしょうね。レポーターを評価するレポーターがいると良いんじゃないかしら」

  • テレビに出るレポーターはやりたくないですが、ウェブ上のレポートならやってもいいかな? って思います。音楽とか、本とか、自分の好きなものですね。まあブログで似たようなことをやっているわけですが。毎日やるとなると大変かもしれませんね。

    • 「あらそう。ブログでレポートしている人はかなり大勢いるわね。彼もよく何か買ってきて感想を話しているものね。動画サイトでやっているような人はやはり次第にテレビのレポーターのようになっていくのかしら。どうなのかしらね」