音痴なのに歌のテストで恥をかかない方法

ブログネタ:緊張をほぐす方法

ミッキー
あー、緊張するな
ミニー
………………
ミッキー
いよいよ今日だからな
ミニー
………………
ミッキー
どうしたもんだろう
ミニー
………………
ミッキー
あんまり緊張してると実力が出せないような気がする
ミニー
………………
ミッキー
なぁ、どう……
ミニー
引っぱたくわよ
ミッキー
何でだよ!まだ何も言ってないぞ!
ミニー
うるさいわね。どうせ【ついに今日こそこの黒い女に別れ話を切り出すつもりだが、一体どんな仕返しや嫌がらせをされるだろうか。もしかしたら刃物や鈍器のようなものを持って襲い掛かってくるかもしれない。そもそも鈍器のようなものと表現される鈍器って何の事なんだ。最後にそれくらい説明したらどうなんだ、この全身真っ黒なドンキーコングのような女め】と言おうと思ったんでしょう?鈍器というのは刃の無い凶器の事よ。一瞬で相手の戦意を喪失させるような切れ味鋭い言葉ではなくて、いつまでもわけの分からないつまらない話を続ける嫌がらせのようなものでしょうね。って、誰が鈍器のような発言ばかりしているのかしら、腹立たしいわね
ミッキー
いきなり何を言ってるんだ!お前と別れたりするわけないだろ!いつも切れ味鋭い話が聞けて一緒にいると楽しいぞ!
ミニー
……うるさいわね。何を妙な言葉を勝手に心臓に突き刺しているのかしら、いかがわしいわね。とにかくもう飛ぶほどの力も残っていないセミが地面で暴れているような動きをしていたけれど、何をしたいのかしら?
ミッキー
そんなに騒々しかったか……?えーと、ほら、今日の音楽の授業で歌の発表があるじゃないか。だから今から緊張してるんだ
ミニー
あらそう。合格すると歌手への道でも拓けるのかしら?一生を捧げるほどの夢だったとは知らなかったわね
ミッキー
いや、そんな大々的なイベントじゃないぞ。上手く歌えなかったら恥ずかしいし、それで緊張するんじゃないか
ミニー
あらそう。要するに自分を良く見せたいとか、人より優れた成績を収めたいとか、そういう自己顕示欲があるんでしょう?何がどうなろうと自分自身の実力を見せるだけだと思えば緊張なんて全くしないわよ
ミッキー
な、なるほど。まぁ失敗して笑われたらどうしようとか、悪い評価になったらどうしようとか、そういうのが緊張する理由だからな。とはいえ自分の歌を聞かせればそれで充分、みたいな精神状態に持っていくのは難しいぞ。そんなに上手じゃないのは僕が一番分かってるわけだし
ミニー
しつこいわね。上手じゃないなら尚更緊張なんてしないじゃないの。かえってある程度実力のある人こそが日頃の練習ではありえないような失敗を恐れて緊張するんじゃないかしら。どっちみち上手じゃないなら本番では上手くいくかもしれないわよ。人間は期待すると裏切られるけれど、期待しなければ意外と世界は優しかったりするんじゃないかしら
ミッキー
うーん、なるほど。よし、もう開き直って思い切って歌うしかないな。期待し過ぎず、自分の実力を知って、周囲の反応を気にしないのが緊張しないコツか。確かにお前は全く緊張してないように見えるけど、もう心の準備は出来てるわけか
ミニー
ええ、そうね。全く歌わないと心に決めているから全く緊張なんてしないわよ。というより音楽の授業中は音沙汰が無くなって姿をくらませてしまうでしょうからね
ミッキー
こら!僕の緊張状態より酷いじゃないか!結果や周囲を気にし過ぎだぞ!
ミニー
うるさいわね。歌でしか評価されない採点方法に問題がある、と問題提起をするためにあえてそうするのよ。もし私の声帯が声を失っていたとしたら、私は音楽のテストで0点しか取れないのかしら?もちろんそんなはずがないから、私も声が出ない人と同じ試験に変更してもらっても構わないじゃないの
ミッキー
まぁ屁理屈だけなら満点だな……いや、何でもない……
ミニー
ちょっと、聞こえているわよ、失礼な。とにかくもうレポートを提出してあるから私は歌のテストは免除されているわよ
ミッキー
え?そうなのか?うーん、だったら僕達にもその選択肢くらい与えられても良いと思うんだけどな
ミニー
あらそう。だったらあなたもレポートを提出すれば良いんじゃないかしら
ミッキー
ちなみにお前はどんなレポートを提出したんだ?
ミニー
あら、私が音痴なのは私の身体的な欠陥ではなくて、音符の丸みを帯びた形状が私の遺伝子とは壊滅的に合わない重大な欠陥を持っているから、という学説を科学的に立証したのよ。音楽教師も感動して何も言わなくなってしまったわね
ミッキー
……やっぱり僕は大人しく歌った方が良さそうだ。感動したっていうか、音を上げただけなんじゃないだろうか……

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公認会話士

電子作家の公認会話士です。 2015年4月、アメブロとFC2から引っ越してきました。 気楽に楽しめる作品をビシバシ更新していくつもりなので、気が向いたらいつでもお立ち寄りください。

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    • 「あらそう。耳も脳もすっかりおかしくなってしまうかしら。ただのレクイエムになっている恐れもあるわね」

  • ミニーちゃんに一本とられましたね。
    音程外しても、命に別状ないので楽しんで歌ってくださいね。

    • 「あらそう。音程が一つも合わないというとんでもない才能を発揮してしまうから中々難しいわね。何か今までには考えられなかった新しい音程に関する仕事とかを依頼されたら困ってしまうものね」

  • 「枝毛」絶賛発売中ですね。子供のころから楽器をやっていたら、音楽の授業のテストなんて無問題ですよ。

    • 「あら、音楽に関する物語だったかしらね。私とはずいぶん掛け離れた人達というカンジかしら。歌や楽器が出来る人というのはどういう脳の作りをしているのかしら」

    • 「あら、そうね。それも良いかもしれないわ。って、これではレベルが低過ぎたかしら」

  • 怪味ソースの時の(ミッキーさんいわく)屁理屈には聞き惚れましたが、
    この、音符の形状が壊滅的に合わないという学説、原稿用紙100枚位になっていそうです。
    私は歌のテストとても嫌でした。今でもカラオケでは歌いません。
    一人口ずさむのは時々します。

    • 「あら、人には色々と遺伝子の形もあるし、そもそも外見が全員違うものね。だから音符がどうしても合わない人が存在するのは仕方がないんじゃないかしら。音を楽しむのが音楽だとしたら、こんな風に音と人間との関係性を考えるのが楽しい私もちゃんと音楽のテストには合格しているはずよ。音楽教師は楽しくなさそうな顔をしていたけれど」

  • ミニーさん、ミッキー君とカラオケ行ったりしないんですか? まあ、重要な場では誰でも緊張するもんですけど、見てる方にとってはそんなに自分が思ってるほど重要ではない、言い換えれば「僕のことなど誰も注目していない」というのが実際ではないでしょうか。

    • 「あら、カラオケに行く意味がよく分からないから行った事は無いわね。音階もリズムも分からないから、マイクで会話をしているようなものかしら。注目したくない人も気にしてしまうほどの音痴のはずだから、参加しない方が周囲のためというカンジね」