卒業アルバムに書く将来の夢を誰にも見せたくない時の対処法?

ブログネタ:卒業アルバムに書いたこと実現された?   

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ミッキー
それで結局卒業文集にはどんな文を書いたんだ?
ミニー
しつこいわね。全てのマスが真っ黒に塗り潰されているだけよ。消されず掲載されてしまったわ
ミッキー
全部真っ黒!?……何をやってるんだ全く……そんな事してもそりゃ掲載はされると思うぞ。載せる事よりも載せない事の方がきっと問題になるだろうしな
ミニー
あらそう。私の作文なんて誰も読みたくないはずなのにどうして載せたりするのかしらね。私も自分の想っている事を伝えたい相手なんて一人もいなかったわ。ましてや将来の夢なんて、卒業した瞬間に、いえ、入学する前から一切関わる事が無いと分かりきっていた人達に読ませてどうなるのかしら
ミッキー
いや、まぁその人達に対してじゃなくても、例えば僕みたいに後々出会う人が当時のお前の考えを知る事が出来たりするじゃないか。自分で思い返したりする事もあるだろうし。卒業文集にはそういう意味合いもあるんじゃないかと思うぞ
ミニー
あら、平凡で平坦な学校生活を送っていたわりにはよく分かったわね。でも残念ながら作文は不完全で不本意な不透明な状態で掲載されてしまったからどうにもならないわ
ミッキー
えっ?じゃぁホントは真っ黒にしたくなかったのか?どういう状態にしたかったんだ?消されずに掲載された、って言ってたけど、消してもどうせ白紙になるだけだしな……印刷だから黒くなっただけで、ホントはカラフルに塗ってたりして……
ミニー
あら、どういう事かしら。全てのマスをカラフルにちまちま塗って提出するなんて完全に頭の中が七色のおかしい人じゃないの、失礼な。ちゃんと書いたわよ
ミッキー
……黒く塗るのがちゃんと書いたと言えるのかどうか分からないけど……
ミニー
違うわよ。ちゃんと書いたわよ、って言っているじゃないの。文章を書いて、それを黒く塗りつぶしたのよ
ミッキー
えっ?そうなのか?どうしてそんな事をする必要があったんだ
ミニー
うるさいわね。先程も言ったように、将来誰かに読ませるかもしれないけれど、当時私の周りにいた人達には誰も読ませたくなかったからよ。だから私がもらう文集だけは印刷ではなくてそのまま私が提出した作文を返して欲しかったわ。ボールペンで文章を書いてエンピツで塗りつぶしたから、ちゃんと消しゴムで消せば文字が出てくるのよ。どうせあんな状態では受理されるはずがないと思っていたのにしっかり印刷されてしまったわ
ミッキー
な、なるほど。まぁたぶん担任もそこまで気付かないだろうしな……ちなみに黒く塗ったのを消すと何て文字が出てくるんだ?
ミニー
さぁ、何だったかしらね。まさに闇の中という状態になってしまったからもう分からないわ。それはそうと、あなたは私の事をどれくらい理解しているのかしら?
ミッキー
え、何だ突然……僕としては誰よりもお前の事を理解してると思ってるぞ
ミニー
あら、何故そんな事が言えるのかしら?
ミッキー
そりゃお前の想っている事は誤解せずにちゃんと理解したいと常に思ってるからな。お前が誰にも心を開かなかったのは散々誤解されてきたからだと思うし、本来は凄く優しくて楽しいし、それはお前が僕だけには心を開いてくれてるからだって感じるし……とにかく僕はお前の事を何もかも理解したくて、今の時点でも結構理解出来てると思うぞ
ミニー
……あらそう。良かったわね。夢が叶ったわよ
ミッキー
え?そうなのか?僕の夢が叶ったって事は……僕はお前の役に立ってるのか。それは嬉しいな
ミニー
あらそう。良かったわね。きっと嬉しいでしょうね
ミッキー
う、うん、それはそうなんだけど……結局お前が書いた夢ってのは何だったんだ?
ミニー
あら、こんな事を訊くなんて、まだまだ完璧には私を理解していないみたいよ。もうちょっと待っててくれるかしら
ミッキー
え?誰に向かって言ってるんだ?

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公認会話士

電子作家の公認会話士です。 2015年4月、アメブロとFC2から引っ越してきました。 気楽に楽しめる作品をビシバシ更新していくつもりなので、気が向いたらいつでもお立ち寄りください。

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  • 私の場合 卒業アルバムに書いたの 小学校の思い出だったから(学校内の相撲大会の思い出書きました)…ただ 文集?で マンガ家になりたいって書きました
    今大工してるなんて あの頃の私には思いもしなかった事で 今思うと ちょっと不思議な感じします
    実現されなかったでお願いします

    公認会話士さんは どうですか?

    • 「あらそう。漫画家も大工も決められた枠の中で作品を一から作り上げていく点では同じようなものなのかもしれないわね。ふすまや押し入れに絵を描いたりするのも面白いんじゃないかしら。あら、書き留めている人はどうかしらね。文集に書いたかどうかはともかく、ゲームで食べていく人になりたい、みたいな事を思っていたらしいわよ。そこは意外と先見の明があったみたいだけれど、何故か今は全然違う事をしているわね」

  • 最初か最後のページに、寄せ書きが有ったりしますが、だいたいクラスに一人「大和」とか「天下統一」とか書く人がいますね。

    • 「あらそう。寄せ書きというより千人針でも作っているような感覚に近いのかしらね。という事は意外と書き込んでいるのは女子かしら」

    • 「あらそう。という事は何か都合の悪い事を書いたのかしらね。周囲の誰もが期待するような聞こえの良い夢を吹聴してしまったのかしら。でも子供はよく【世界平和】だの【大金持ち】だの、難しい夢を平気で口にしてしまうものね」

  • 卒業文集とは、寄稿した小エッセイが教育機関でまとめられて発行されるのですから、作家デビューと言っても良いですよね。

    • 「あら、そうね。最初に公開された作品として希少価値が高いかもしれないわね。在学中の思い出だの将来の夢だの、他人には全く興味のない内容がほとんどだと思うけれど、文才のある人はそれでも面白い内容になったりするのかしら」

  • 卒業文集に何て書いたかな? まあ夢というのは変わっていくものだと思うんですが…心理学をやる、というのは実現したような気がします。

    • 「あらそう。内容を覚えている人はどれくらいいるのかしらね。本来ならば小学校・中学校・高校と全く同じ文章でも構わないはずだけれど、3年も経てば夢というのは変わっていくのかもしれないわね」