【姑息】の本来の意味と誤用が卒業文集に与える影響について

あら、何かしら、突然、気持ち悪いわね。何が言いたいのかさっぱり分からないわ

あらそう。どうせ小学の時は【人の役に立って喜ばれるような人になりたい】とか、特に明確な目標の無い子供特有の、曖昧で体裁の良いその場しのぎの姑息な文章でも書いたんでしょう？ちなみに【姑息】の本来の意味は【その場しのぎ】よ

そして中学生の時は【勉強を頑張って大学に入って、社会や人のためになるようなやり甲斐のある仕事に就きたい】とか、運良く進学校に合格してしまった事で調子に乗って、自分は秀才だと言いたいのにあえて謙虚な夢を披露してイメージアップを図るような姑息な文章でも書いたんでしょう？ちなみに【姑息】は近年、【卑怯】で【正々堂々と取り組まない様子】という意味で使う人がほとんどだと文化庁が発表しているわ

あら、私が文化庁の発表を知っているのはそんなに違和感があったかしら？あなたと違って私は日々色々な事に目を光らせているのよ。あなたが少し部屋から出て行った隙に卒業文集を発見してしまうくらいには目が光るようになっているわ

うるさいわね。あなたが戻ってきても全く笑わずに、一切触れずにいてあげた私の優しさが褒め称えられるならまだしも、どうして怒られなければならないのかしら。やはりあなたの作文は全て良い格好をするためのウソで、実際は彼女を言いなりにさせて抑え付けて悦に浸るのが人生の最大の目標だったのね。二度と私に近寄らないでちょうだい

うるさいわね。読む前から恥ずかしい内容だと分かりきっているのに一緒に読んだり出来るわけがないじゃないの。子供の頃から一切笑わなかった私が笑顔になってしまったらどう責任を取ってくれるのかしら

何をごにょごにょタイムカプセルから未来の自分へ宛てた手紙が出てきたと思ったら、全く身に覚えのない不気味な暗号文がびっしり書いてあってばかりか、最終的に過去の自分の暗号が全く解読出来なかった男のようにつぶやいているのかしら、気持ち悪いわね。とにかくあなたは夢が叶いそうで良かったじゃないの

あら、私の文集なんて読まない方が良いわよ。きっと笑ってしまうもの

違うわよ。きっとバカにしてしまうもの、って言ったの。知恵も知識も知能も成長しきっていなかった事を見てバカにするに違いないわ

違うわよ。きっと分かってしまうもの、って言ったの。当時の状況が手に取るように分かってしまうわ、みっともない

違うわよ。きっと叱ってしまうもの、って言ったの。いえ、違うかしら、きっと怒ってしまうもの、って言ったの。いえ、きっとムカッとしてしまうもの、って言ったのかしら

うるさいわね。やはりムカッとして怒って私を叱り付けているじゃないの、失礼な。でも私はあなたの事くらいしか書く事が無いから仕方が無いわ

どうもこうもあなたの事を書いたら笑われてバカにされて、そしてあなたに怒られるのよ。目に見えているじゃないの

うるさいわね。あまり近寄らないでちょうだい。更にみっともない事を書かせるつもりなのかしら、恥ずかしいわね