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Amazonで電子書籍を出版する方法:Kindle Direct Publishing(KDP)の説明書

どうも公認会話士です。

さて、前回に引き続き今回も、AmazonのKindle Direct Publishingで電子書籍を出版する方法を紹介します。

※まだ出版者アカウントの登録がお済みでない方は
こちらの解説ページからどうぞ

「こんな方法を皆に紹介しちゃって、作家のライバルが増えちゃうんじゃないの?」

と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、理由は最後に説明しましょう。

今回はちょうど公認会話士10作品目の最新作【サムサラ 第3巻】を出版するので、一緒に順を追って確認していきましょう。

サインインして出版


まずはサインインします。


「+新しい本を作成」をクリック。


KDPセレクトとは


最初に「KDPセレクト」で出版するかどうかを問われます。
初っ端からいきなりわけが分からない単語が出てきて挫折しちゃいそうですよね。
「Amazonさん、言いたい事は分かるけどとりあえず落ち着こうか」
と私もツッコみたくなります。

まぁ簡単に説明しますと、
「その本は未発表作品ですか?」
という事です。

「Amazonの独占販売でやらせてもらえるなら、印税を多めにお出ししますよ」
とAmazonは言いたいわけです。

なので、過去にブログで公開したり、どこかで販売した事が無い本ならとりあえずKDPセレクトに登録しておいて良いと思います。
※Amazonのチェック機能はかなり優秀なので、
「以前ブログに載せたけど、そんな恩恵があるなら未発表って事にしちゃえ」
などという嘘はつかない方が良いです。アカウントが停止されたり本を削除されたりしたら後の祭りです。

【サムサラ3】はFC2で公開していた作品なので、KDPセレクトにはチェックを入れません。

本に関する情報の項目を埋めていく


出版したい本が絵本・児童書、教育コンテンツ、コミック、漫画の場合はこちらから進みます。画像が中心の本専用の電子書籍作成ツールがあるみたいですね。
※すみません、これはまだ試した事が無いです。

私のは文字だけの小説なので、下へ進みます。
※作中にいくつか挿絵があるんだけど……という場合も大丈夫です。下へ進みましょう。


本のタイトルを入力します。
副題(サブタイトル)がある場合も入力。


個人出版ではあまり無いような気もしますが、本のレーベルがあるなら入力します。
(角川書店の【スニーカー文庫】とか、メディアファクトリーの【MFブックス】みたいな)


作品がシリーズ物の場合はチェックを入れます。
今回は【サムサラ】シリーズの第3巻なので、その通り入力します。数字は半角です。


版があれば入力します。
って、これ、先程のシリーズ物との区別が紛らわしいですよね。
例えば、以前に同じ内容の本を既に出版していて、今回はそれにおまけを書き足した「加筆版」を出版したいとか、ちょっと内容を修正した「改訂版」を出版したいとか、そういう時に書き込みます。
買う人がどちらが最新版か分かるようにするわけですね。
※本来は修正なんてせずに、最初から完璧な「完全版」で出版するのが理想です。
最初に出版した版が「1」、次が「2」という事になります。数字は半角です。
更に出版社から出版する場合は書き込みます。
私の場合はもちろん空欄です。


本の内容を入力します。
商品ページの説明文として掲載されますので、ちゃんと考えた文章を載せましょう!
多少自画自賛の文章でも良いと思います。でも中身と違う嘘の説明はダメですよ。


著者について書き込みます。フリガナとローマ字もしっかりと。
【サムサラ3】はイラストを知り合いにお願いしていますので、その方の名前も追加しました。


文章はもちろん日本語。


一般的に、出版される本にはそれぞれ識別番号(ISBN)というものがあるのですが、Amazonで出版される電子書籍はASINという独自の識別番号が割り振られますので、ISBNは必要ありません。既にどこか別のところで電子書籍として出版してISBNを取得している本の場合は記載してください。
私はもちろん空欄です。


出版する本が縦書きか横書きかを選択します。
これで本に関する基本情報の登録は終わりました。

パブリックドメインとは?


さて、出ました。
また見慣れない言葉の登場です。
このパブリックドメインですが、Amazonの説明では
出版する権利とは、本を出版するのに必要な権利です。Kindle 向けの本を KDP を介して出版するには、電子書籍を出版するために必要なすべての権利を本の著者およびその他のコンテンツ作成者から取得している必要があります。自身が本の著者である場合は、必要な電子書籍を出版する権利をすべて保有している必要があります。

パブリック ドメインの本を出版する場合、著作権の期間は国によって異なるため、販売地域での権利を正確に指定してください (本がある国のパブリック ドメインにはあるが、別の国のパブリック ドメインにない場合は、販売地域での権利を適宜確認する必要があります)。完全にまたは主にパブリック ドメイン コンテンツから構成される本には、70% のロイヤリティ オプションは適用されません。利用規約の詳細については、価格設定ページと利用規約をご覧ください。

本に著作権が設定されており、このコンテンツに必要な権利を保有している場合は、「これはパブリック ドメインの作品ではなく、必要な出版する権利を保有しています」を選択してください。本がパブリック ドメインの作品である場合、「これはパブリック ドメインの作品です」を選択してください。
とあります。
思わず読み飛ばしちゃいました?
まぁ平たく言うと「著作権期限切れの文章」みたいな意味で、青空文庫で無料で公開されている昔の名作みたいな作品の事をパブリックドメインと呼ぶらしいです。
その気になれば青空文庫からテキストをそのままコピーしてパブリックドメイン本として出版する事も出来ちゃうんでしょうね。

今回は自分で書いたオリジナルの文章の出版なので、「パブリックドメインではない」にチェックを入れます。

カテゴリー・対象年齢・検索キーワードの設定


出版する本のカテゴリーの選択と、対象年齢の設定、未成年に不適切な表現が含まれているかどうかの設定、そして検索用のキーワードの設定をします。
※本が実際に売れた時に、どのカテゴリーで売り上げ何位なのかが表示されるのですが、何故か毎回設定したカテゴリーと全然違うカテゴリーの順位が表示されます。果たしてちゃんと登録したカテゴリーになっているのか私にもよく分かりません。
この辺の設定は出版後でも確認出来るので、気になる方はちゃんと登録したカテゴリーに分類されたか確認してみてください。

表紙画像のアップロード


設定後にすぐ本を発売するか、発売日を決めるかの選択をして、いよいよ表紙の設定です。
事前に表紙の画像を準備しておきましょう。
サムネイルサイズになってもタイトルと著者名がちゃんと判別出来るようにするのが大切です。
縦横比が1.6:1の、1辺が1000ピクセル以上(出来たら2000ピクセル以上)の画像が推奨されてます。
※実際にはそれより小さくても自動で引き伸ばしてくれますが、その分画質は荒くなります。

デジタル著作権(DRM)の設定

さて、またよく分からん言葉が出てきました。
デジタル著作権(DRM)の設定という事ですが、要するに不正利用や複製を防ぐプログラムを作品に組み込む事が出来ますよ、という話です。
違法アップロードによって多くの作品の売り上げが激減している、というニュースは恐らくほとんど全ての人が目にした事があると思います。
「本を出版する」という行為は、ついに被害者側の仲間入りをする事を意味します。
違法アップロードされた作品を無料で入手する行為がいかに許せない犯罪か、理解出来たのではないでしょうか。
価値のあるものはお金を払って手に入れなきゃダメですよー。

「だったら何でこんなのを選択する項目があるんだよ」
とツッコまれてしまいそうですが、あえてDRMを使用しない事で、
「ある程度は無料になっても良いから作品が広く世の中に拡散されて欲しい!」
と願う人向きの設定です。
この設定は変更出来ないので、よく考えて設定しましょう。

文書ファイルのアップロード


最後に出版する文章をアップロードします。
※一旦ここまで入力した全てを保存しなければアップロード出来ない場合がありますので、その時は「ドラフトとして保存」をクリックします。

・Word (DOC または DOCX)
・HTML (ZIP、HTM、または HTML)
・MOBI (MOBI)
・ePub (EPUB)
・RTF (リッチ テキスト フォーマット)
・TXT (プレーン テキスト)
・Adobe PDF (PDF)
・Kindle Package Format (KPF)
Kindleではこれらのフォーマットに対応してます。
確か以前はepubとMOBIとPDFくらいしか使えなくて、普段TXTで執筆している私は、
「まずWordに変換して、PDF文書として保存して……」
みたいな、物凄く面倒な事をしていたような記憶があります。ずいぶん楽になりました。
縦書き、もしくは画像が含まれる文章の場合はWord
横書きで画像の無い文章の場合はTXT
がオススメです。
私の場合は、いつもWordを選択してます。
作品に目次をつけておく事も出来ますし(電子書籍ではタッチ一つで移動出来るので物凄く便利です)、やはり縦書きの小説の方が読みやすいかな、と思いますので。

出版の前に本の確認


アップロード処理が完了する前に「保存して続行」から先へ進んでも良いのですが、
「初めてのアップロードでちゃんと出来たか不安」
「実際にどんな仕上がりになるのか目で確かめたい」
という方は処理が終わるまでちょっと待ちましょう。
処理が完了すると、今アップロードした文書を事前に確認する事が出来ます。
特に挿絵がある場合などは要チェックです。せっかくの画像がちゃんと表示されないまま出版しちゃったら大変ですよね。

保存して第一段階完了


全て済んだらここまで入力した全てを保存します。
「保存して続行」をクリックして先に進みます。
項目に不備があった場合は修正を求められますので、赤字で指摘された箇所を修正してください。

出版地域・価格の設定


さぁここまでくればもう一息ですよー。
画面が切り替わって、出版地域と価格の設定をします。

今回はKDPセレクトによる出版ではないので、印税は35%です。
「Amazon.com」での米ドルによる販売価格を入力すると、自動的に全世界の通貨で同じ価格に設定されます。


米ドル価格とは別に、独自の価格で販売したい通貨がある場合は、「US価格に基づいて~」のチェックを外して価格を入力します。
日本円は「Amazon.co.jp」です。


MatchBookとは?


最後にMatchbookとレンタルの設定です。
Matchbookというのは、今回出版する電子書籍と全く同じ内容の紙の本を既に出版している場合、その本の購入者に対して電子書籍版を安く販売出来る、というものです。
Kindle所有者間でレンタル可能にするかどうかは、判断して決定してください。


規約にチェックをして、「保存して出版」をクリック!


本棚に本が追加されました!
出版処理が完了するまでは、ステータスが「レビュー中」になります。
Amazonは「72時間ほどで出版される」と説明してますが、KDPセレクトに登録しない本なら数10分後にはもう販売されてる事が多いです。
KDPセレクトに登録する場合は、本当に未公開でAmazonの独占販売になるのかの審査に時間が掛かる場合があります。

さぁ、どうだったでしょうか。
表紙と文章さえ準備しておけば難しい事はありませんよね。
って、それを完成させるのが最も難しいのかもしれませんが。

とにかくこれであなたも作家の仲間入りです!
「出版した=売れる」というわけではないですが、アメリカでは既に無名の素人から億万長者になった「キンドラー」と呼ばれる作家がたくさんいます。
日本で同様に電子書籍市場が広がっていかない現実がとても嘆かわしいです。もどかしいです。
誰もがスマホやパソコンを持っていて、世界中のどんな国よりも先を行く機械文明を持っているのに。
「紙の本の方が内容が頭に入ってくるから」
「紙の本の方が読んでる、って気がするんだよね」
「電子書籍って目が疲れるし」
「電子書籍で面白い作品って無いんでしょ?」
という方達、本当に電子書籍を読んだ事がありますか?
誰かが言っていた話をあたかも自分の価値観のように話していませんか?
古い思い込みを捨てて、一度体験してみてください。
批判を口にするのはそれからです。

今回この記事を目にした皆さん、皆さんの周囲にも
「出版してみたいんだけど方法が分からない!」
「自分で出版って面倒臭そう……」
と躊躇している人がいるかもしれませんので、良かったらこの記事をSNSとかで広めちゃってください。

電子書籍が少しでも広まるように盛り上げていきましょう!

公認会話士

公認会話士の小説も是非どうぞ

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公認会話士

電子作家の公認会話士です。 2015年4月、アメブロとFC2から引っ越してきました。 気楽に楽しめる作品をビシバシ更新していくつもりなので、気が向いたらいつでもお立ち寄りください。

View Comments

    • 「あら、私が飛び出したら世の中がとんでもない事になるんじゃないかしら。でもハイジだったらそれくらいの事をいつか始めるかもしれないわね」

  • 後進の水先案内人を買って出た会話士さんの度量を感じます。サムサラ3購入させていただきました。
    Kindle生活快適ですし、意外な人も電子図書を出してます。身近な人たちに電子図書のよさをお伝えしようと思います。

    • 「あら、多くの人が電子書籍に触れる世の中になると良いわね。アメリカに比べてどうも広まる速度が遅いのが気になるけれど、いつか違う状況になるのかしら。あら、購入してくれたなら思い切り楽しんでちょうだい」

  • 恥ずかしながら 俺もね 電子書籍を軽視していた時があって 本の方が読んだ感じがするとか 紙の頁をめくる事が趣があっていいとか
    あ、でも電子書籍に面白い作品無いって事は考えははじめから思いませんでしたが…

    俺の場合は 電子書籍を読もうと思ったきっかけが 公認会話士さんなんだけど
    その電子書籍を読んで固定概念が覆されました

    考えてみたら、同じ文字を読むんだから 読みにくいって事なかったし
    最大のメリットは 俺の場合 iPhoneで読んでて だからいつもiPhone持ってて つまりは何時でも読めるって事じゃないかなって 小説がもっと短なものになるんじゃないかなって

    本は本でもちろん変わらず好きだけど 固定概念で決めつけるのは 良くないなって思いました

    • 「あら、どうしても新しい物に対して眉唾物みたいな疑いを持ってしまうのは仕方がないものね。だからこそ最初のキッカケを生み出す人がもっと増える必要があるんじゃないかしら。きっとYouTuberとかニコニコ動画などで収入を得ている人も全く作品を見た事が無い人達から憶測であれこれ言われているでしょうね。楽してお金を稼いでいるように見えるのかもしれないけれど、人の興味を引くものを作り続ける熱意とプレッシャーは並大抵ではないんじゃないかしら。もちろんそんな事は誰にも見せないでしょうけれどね」

  • とても参考になりました、ありがとうございます。これでクリエイターの仲間入りですね。

    • 「あら、そうね。更に細かく説明するような事があればまだ発信するのかもしれないわね。そのうち小説の書き方とかも話し出すつもりかしら。って、そんなのは書く人の自由でしょうね」

  • そうそう、こんな感じでしたね-。僕も以前やった覚えがあります。萌えキャラのイラストなんか描けないから、ペイントでそれっぽく図形を描いて、表紙データにしましたっけ。なんかまた書きたくなってきてしまいましたよ。まずは書かないとですね。

    • 「あらそう。表紙とか作品とか、全て自分で作れる良さがある反面、大変は大変でしょうね。でも世にたくさんの作品が出るのは良いんじゃないかしら」

    • 「あら、そう感じてしまったかしら。作品が完成さえしていればそんなに難しい事ではないみたいよ。売れるかどうかが簡単ではないんでしょうけれどね」