だから俺はクリスマスが嫌いなんだ:プロローグ1

「泣かないで」

声は届かない。

「ねぇ泣かないで」

私の声は届かない。
泣き止む事も無い。

「もう泣かないで」

彼に私の声は届かない。
彼が泣き止む事も無い。

「私は大丈夫だから」

どれだけ訴えても、彼に私の声は届かない。
彼が泣き止む事も無い。

どうしよう。
どうすれば泣き止んでくれる?

いつも聞こえてくる悲しい声。
いつも聞こえてくる苦しい想い。
いつも聞こえてくる優しい願い。

でも今日は泣き声しか聞こえない。

私はずっと聞こえてたから。
私はずっと感じてたから。
私もずっと願うから。

だから大丈夫だよ。
私が壊れてしまっても、全部ちゃんと残ってるから。

私、あなたの想いを全て持って行く。
いつかあなたの願いを叶えてみせる。

そうしたら、泣かないでくれるかな?

続く

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公認会話士

電子作家の公認会話士です。 2015年4月、アメブロとFC2から引っ越してきました。 気楽に楽しめる作品をビシバシ更新していくつもりなので、気が向いたらいつでもお立ち寄りください。

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  • 7まで読んだ後だと、なんとなく
    白銀の別世界の様子みたいに思えます。
    誰なのかも。

    • 「あら、誰にとっても他人の人生は別世界のように感じる可能性もあるわね。同じ世界で同じ時間を過ごしたらそれはスゴイ事なのかもしれないわね」

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公認会話士