手の届かない高い理想よりもまず簡単に出来る事に気付く事から始めよう

ブログネタ:何にでもなれるとしたら何になりたい?

ミッキー
特定の何かになりたいって願う人はいるけど、何にでもなれるとしたら何が良いかな
ミニー
あら、何かしら、突然、気持ち悪いわね。何かになる前にまずは一人前になる事が先決じゃないかしら。今のまま何かになっても、子供の頃から英語教育をされた結果として英語と日本語をどちらも中途半端にしか使えない憐れなバイリンガルみたいになるだけだと思うわ。専門用語ではセミリンガルと呼ぶらしいけれどね。要するにあなたはセミ人前になりたいのかしら
ミッキー
……そんなセミと人間のハーフみたいな言い方をしなくても……確かにまだ僕達は大人じゃないけど、何になりたいかを考えるくらいはしても良いんじゃないのか?
ミニー
あらそう。そこまでしてなりたいものがあるなら好きに発表すれば良いじゃないの。言うのだけは自由だものね。現実とのギャップで悲しくなるだけだとは思うけれど
ミッキー
お前は僕が将来どんな人間になると思ってるんだ?全く……でもいざ考えると絶対にやってみたい職業があるわけでもないか……
ミニー
あらそう。それがあなたのしたい事だったのね。夢の無い若者になって社会を皮肉りたい気持ちは分かるけれど、言えば言うだけ虚しくなるだけじゃないかしら。結局問題は社会ではなくてあなたの生き様だもの。努力したくない世の中だから努力しない、とか言っているだけでは世の中はあなたを救ってくれないわよ。実際に努力して報われている人だって大勢いるし、報われないながらも諦めずに努力を続けている人だって大勢いるわ。少なくとも何もしないでどうにかなるほど甘い世の中ではないのよ。反省してちょうだい
ミッキー
……僕はそこまで言ったつもりはないんだけど……と、とにかく、お前は何かなりたいものってあるのか?
ミニー
さぁ、どうかしらね。あなたがヤル気を出すまで蹴り飛ばし続ける人にでもなってみたいかしら
ミッキー
それは願わなくてもいつでもなれるんじゃないのか?
ミニー
まぁ、私はいつでもあなたを蹴り飛ばしているような女だと思われているのね、失礼な。蹴り飛ばすわよ
ミッキー
蹴らないのか蹴るのかどっちなんだ!
ミニー
違うわよ。気が咎めるわよ、って言ったの。あなたみたいな夢も希望も無い人を蹴り飛ばしたら虐待になってしまうじゃないの。せいぜい背中を押す程度よ
ミッキー
そ、そっか。僕が努力出来るように励ましてくれるわけか。ありがとう
ミニー
……何を感激しているのか分からないけれど、背中を押すのは崖の上だったり駅のホームだったりするかもしれないわよ
ミッキー
こら!死んじゃうだろうが!いくらなんでも酷いぞ!
ミニー
うるさいわね。あなたが人生を悲観して思い詰めた顔で崖やホームにいたらちゃんと押してあげると言っているのが分からないのかしら。何も下に落ちる方向に押すとは言ってないじゃないの、失礼な
ミッキー
そ、そっか。紛らわしい表現だったからつい……流石に冗談でも下に突き落とすなんて言ったりしないよな。ごめん
ミニー
天国に行くから上に行く方向という事になるわね
ミッキー
こら!上に行く前に結局突き落とされてるじゃないか!
ミニー
うるさいわね。冗談だと言っているじゃないの。でも特になりたいものがないなどとふざけた事を今後も言うようなら冗談が本気になってしまうかもしれないわよ
ミッキー
全く。うっかり電車にも乗れないなんてやり過ぎだと思うぞ
ミニー
あらそう。それなら大人しく交番に行けば良いじゃないの
ミッキー
いや、お前を犯罪者になんてしたくないけど……もしかして警察官になれ、って言ってくれてるのか?
ミニー
違うわよ。傍にいれば良いじゃないの、って言ったの。でもあなたはそんな未来にはなりたくないのね。二度と私に近寄らないでちょうだい
ミッキー
ちょっと待った!ずっと傍にいたいに決まってるじゃないか!僕はあくまで職業の話をしてたんだぞ!
ミニー
だから傍にいてうなづいたり驚いたりしていれば良いじゃないの。それがあなたの仕事よ
ミッキー
……もしかして二人で漫才師にでもなるのか?でも僕の役割はツッコミじゃなくてただのリアクションってカンジみたいだな……

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公認会話士

電子作家の公認会話士です。 2015年4月、アメブロとFC2から引っ越してきました。 気楽に楽しめる作品をビシバシ更新していくつもりなので、気が向いたらいつでもお立ち寄りください。

View Comments

  • ははは…僕って運がいいや。紙一重で
    ギリギリセーフ。ふうふうして食べよう。
    ふうー。ふうー。

    • 「あらそう。皆とんでもない幸運の上に人生が成り立っているんでしょうね。上に成り立つつもりが上に行ってしまう可能性も常にあるわけだものね。私は地の底かもしれないけれど」

  • ちょっとずつ手を借りたのが千手観音。
    貸したのがミロのビーナス。

    • 「あらそう。ずいぶん色んなところから借りてきたわね。胸像しか作られていない人のほとんどが被害者じゃないかしら」

  • おはようございます。

    そしたら私はドアマンになって
    ドアを押したり引いたりしますわ(笑)

    • 「あらそう。ドアマンも極めたらきっと人が通らないドアでも開け閉めしてしまったりするんでしょうね。心を扉を開いたり閉ざしたり、面倒臭いドアマンになる可能性もあるわね」

  • 例えば楽器を弾いて、自分はミュージシャンだと名乗れば、そんな感じでなんにでもなれますが、一人部屋に閉じこもって毎日パソコンを見ているのは、そういう人間になりたかったからなのでしょうね。ときどき一発逆転を狙って、ニュースになったりしてますが。

    • 「あらそう。世の中には一発逆転を狙っている人がきっと大勢いるんでしょうね。そうして目立とうとしてエスカレートして逮捕される、という流れかしら。情けない形で一生名前がネットに残ってしまって、一発逆転された気分でしょうね」

  • ちょっと前は本当に小説家になりたかったです。今では、小説家に「なる」のはともかく、一生、小説家としてやっていくことはとても難しい、とわかりました。それが出来てこそ本当に小説家と言えるのではないかという気がしています。

    • 「あら、そうね。小説を書く事は誰にでも出来るけれど、それを仕事として成立させていく事が出来るのはほんの一握り、という事なんでしょうね。たった一度好みに合わない作品を読んだだけで【衰えた】などと判断されて二度と読まれなくなったりするし、長く続けていくのは大変でしょうね」