夏に発生するのがゲリラ豪雨なら、秋に発生するのはゲリラ握手？

ええ、そうね。それがどうかしたのかしら。残念ながらまだまだ日本は北半球から動く気配は無いわよ

あらそう。秋になるとあなたの隣にいるだけで何の意味も無い言葉を繰り出される可能性があるのね。今後は気をつけて行動する事にするわ

明日は晴れかしら。曇りかしら。もしかすると雪かもしれないわね。可能性が０％というのは中々断言したり出来ないものだと思うけれど、そう考えると天気予報の０％と１００％は大胆ね。【天気予報は絶対に当たる】という事に対して０％と言っているのかしら。それなら【雨じゃない事だってありえますよ】という事に対して１００％の気持ちなのかもしれないわね。まぁ、それなら天気予報なんて見ても意味が無いような気がしてきたわ

最近はゲリラ豪雨とかいう上手い表現を使って【予報は難しいんですよ】という逃げ道を作ったりして、腹立たしいわね。世の中に新しい言葉として定着させる事に成功して、心の中ではラララ豪雨かもしれないわ。ほんの数分で道路が冠水したりするし、あまりにも人類と気象庁が進歩しない事を見かねて地球が怒っているのがゲリラ豪雨の理由じゃないかしら

……ちょっと、いきなり手を握ったりしないでちょうだい。ずっと良い天気の中で会話をしていたはずなのに、どうなってしまったのかしら。まさかゲリラ握手とかいって今後は突然妙な動きを私に対してやっていこうと思っているんじゃないでしょうね、いかがわしい

もしくは天気雨が狐の嫁入りと表現される事にあやかって、私が妙な気持ちになる事を期待しているのかしら。いずれにしてもいかがわしい事に巻き込もうとしている事だけは事実としか言えないかもしれないわね

……ちょっと、握った手に力を込めたりしないでちょうだい。骨が折れて握力が無くなって、私の手がただの紅葉のようになったらどう責任を取るつもりなのかしら。何の意味も無い言葉を繰り出されても時間の無駄だから反応しなかっただけじゃないの。あなたが言ったのよ

あらそう。言いたい事があるなら私の言葉なんて待たずに好きに話せば良いじゃないの。会話と言ったって実はお互いに好きな事を言い合っているだけなのかもしれないわよ。たまたま同じテーマについて話しているから会話になっているのかと錯覚している場合もあるんじゃないかしら

さぁ、どうかしらね。同じ苦しいなら秋の方が良いかしら

あら、夏は暑苦しいじゃないの。そして秋は腕が苦しいわ。あなたのせいよ

違うわよ。秋は胸が苦しいわ、って言ったの。夏は暑苦しいのが理由なのか何なのか分からないけれど、全然私と手を繋いだりしようとしなかったじゃないの。今は突然だからドキドキして胸が……って、何を言わせるのかしら、みっともないわね

うるさいわね。ゲリラ握手は予報が難しいから諦めてちょうだい