告白、告赤、告黒？つい成功しそうな新しい告白の形について考えてみる

ええ、そうね。引っぱたくわよ

うるさいわね。あなたが色んな形があると言ったのよ。だから私は今から告赤に挑戦しようとしただけじゃないの。どうして怒鳴られなければならないのかしら、腹立たしいわね。早く頬を出してちょうだい

要するに自白とか独白とか白状とか頭が真っ白とか、そんな形で想いを告げるのが告白じゃないの。だから私は引っぱたいて真っ赤な鮮血を噴き出させたり、叩いたところが真っ赤に腫れ上がったりしながら想いを告げてみようと思ったのよ。赤く告げるから告赤ね

うるさいわね。色んな、って言ったから色について考えているんじゃないの。でも今の告赤は真っ赤なウソよ。顔を赤くして怒鳴るのは辞めてちょうだい。どうせ私には告黒くらいしか出来ないもの

あら、あなたの未来を真っ黒にしてしまったり、あなたの既存の人間関係を黒々と変色させてしまったり、人間社会の中で最も光の当たらない黒い場所へ引きずり込んだりするのよ。って、重要な告げる要素が完全に抜け落ちているじゃないの。これでは何も告げていない単なる黒になってしまうわ。人を暗黒の使い魔みたいに言うなんて失礼な。苦労させるわよ

あらそう。という事は告の部分について変化があるのね。先程言った自白とか独白とかかしら。言われてみればあなたは酔生夢死そのものという印象だものね

酒に酔ったような、夢を見ているようなぼんやりした様子で何もせず、何も成さずに一生を終える事よ

うるさいわね。一生ぼんやり生きていられたらそんなに悪い事でもないかもしれないじゃないの。そこまで全力で酔生夢死を否定するからには何か違う未来にするつもりがあるのかしら？

……何を真剣に告白しているのかしら、みっともないわね。それなら酔生夢死をしていれば良いのよ。私は激白するわよ

違うわよ。私は李白になるわよ、って言ったの。酔生夢死は李白を指す言葉よ。彼は周囲からだらだらとして何も生み出さない酔生夢死と言われていたけれど、現在では中国詩歌における最高の存在と言われているわ。私も会話界の最高の存在を目指したいわね

……何を興奮しているのか分からないけれど、私に協力するつもりならまずはしばらく黙っていてちょうだい。酔生夢死と言っているじゃないの