どうも公認会話士です。
このたび欅坂46の平手友梨奈さんが主演する映画「響 -HIBIKI-」が公開されたので観てきました。
最近は映画の宣伝のために色々な番組に出演してますね。
昨年末の紅白以降、怪我でしばらく休業していただけに、元気な姿を見れるのは嬉しいものです。
欅坂46ではデビュー曲から全てセンターを務めている平手さん。初の映画もいきなり主演という破格の扱いです。
まぁこれはもう彼女の生まれ持った存在感の成せる業と言いますか、逆に経験を積ませようとして脇役で出演している方が画面に違和感が出てしまいそうですからね。
ちなみに余談ですが、最近って金曜日が初日の映画が多くないですか?
以前は土曜日だったような気がするんですが、人々の生活リズムに合わせて変化してきてるんですかね。
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あらすじ
15歳の彼女の小説は、圧倒的かつ絶対的な才能を感じさせるもので、文学の世界に革命を起こす力を持っていた。文芸誌「木蓮」編集者の花井ふみ(北川景子)との出会いを経て、響は一躍世の脚光を浴びることとなる。
しかし、響は、普通じゃない。彼女は自分の信じる生き方を絶対曲げない。
世間の常識に囚われ、建前をかざして生きる人々の誤魔化しを許すことができない。
響がとる行動は、過去の栄光にすがる有名作家、スクープの欲だけで動く記者、生きることに挫折した売れない小説家など、様々な人に計り知れない影響を与え、彼らの価値観をも変え始める。
一方、響の執筆した処女作は、日本を代表する文学賞、直木賞・芥川賞のダブルノミネートという歴史的快挙にまで発展していく。
という事で、天才女子高生作家を題材にした漫画を原作とする映画です。
おこがましいので「公認会話士みたいだな」などとは口が裂けても言わないようにしましょう。
ちなみに原作は読んでないです。
観た感想
ではなるべくネタバレしないように物語の感想です。
基本的には主人公である「天才・鮎喰(あくい)響」の奇天烈な言動と、それに翻弄される周囲の「凡人」による物語です。
響は自分の価値観を一切曲げず、周囲が脅そうが暴力に訴えようが立ち向かいます。
愛想も可愛げも無い超暴力的なキャラですが、「所詮は架空の人物だからなぁ」と「実際にこんな人いるかもな」のギリギリを攻めた人物描写というカンジでしょうか。
主演の平手さんの演技力もさることながら、世界観と緊迫感を演出する、脇を固める豪華俳優人も素晴らしいです。
出版業界や文学賞の裏側なんかも垣間見えて、興味のある人にはとても楽しめる映画なんじゃないかと思います。
一つ残念なのは、主人公の鮎喰響が怒りを「物理的な暴力」に変換してしまう点ですかね。
もちろん先に喧嘩を吹っ掛けられた正当防衛や反撃という大義名分はありますが、天才作家ならやっぱりそこは圧倒的な「言葉の暴力」で相手を叩きのめして欲しかったです。
欅坂46ファンとしての感想
では次に平手さんのファンとして感想を。
周囲からどれだけ批判されようが自分の価値観を一切曲げず、妥協と曖昧を許さない主人公・鮎喰響を見事に演じてます。
欅坂46のデビュー以来、事務所が彼女につけようとしているイメージとぴったりのキャラクターと言えるでしょう。
PVや過去のドラマ出演の様子を見る限り、平手さんは演技が下手という事は無いと思いますが、今回はあまりにも感情の少ないキャラクターだったため、平手さんをあまり知らない人にとっては「ただの棒読みじゃねーか」みたいに感じてしまうかも。
「アイドルグループのセンターというだけで主演をさせてもらっている」などと穿った見方をする人も多いと思いますが、実際に映画を観れば「今の日本の芸能界でこの役を演じれるのはこの子しかいないな」と納得させるには充分な内容だった事は間違いないでしょう。
個人的には今まで植え付けてきたキャラクターとは真逆の明るい女子高生役などにも挑戦して欲しいです。
作家としての感想
最後に、今回は趣向を変えて物書きとしての感想も加えておきましょう。
この作品では「面白い作家」は常識の無い奇人変人のように描かれ、逆に「つまらない作家」は周囲と上手く付き合える常識人のように描かれてます。
まぁ「天才」を演出する上で、そうした過剰な表現になるのも仕方が無いのかもしれないですが、他人と価値観が掛け離れている人間に本当に面白い作品なんて書けるのかなぁ、と私は思うんです。
天才科学者や天才発明家はどうだか知りませんが、作家に関しては「他人の心をより深く理解出来」、「他人の心により深く入り込む事が出来る」のが天才だと思います。
そのためには世間的、一般的に「常識」と思われている感覚を身につけていないと無理だと思うんです。
だから鮎喰響が書く小説はきっと「興味深い」とは思いますが、「心が震える」事は無いんじゃないかな、と感じました。
まぁ所詮は売れない物書きの戯言ですが。
以上、映画「響」の感想でした!
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