ブログネタ:芸能人の小説読んだことある?
ミッキー
たまに芸能人が小説を書いて大ヒットしたりするな
ミニー
ええ、そうね。それがどうかしたのかしら
ミッキー
いや、そういうのって読んだりするか?
ミニー
ええ、そうね。全く知らずに読んでしまう事はあるわよ。適当に読んでいたらそういう本に当たる可能性もあるものね
ミッキー
そ、そっか。分かってて興味を持って読むわけじゃなくて、あくまで偶然なわけか
ミニー
ええ、そうね。作者の事なんて知りたくないものね。テレビや雑誌などで見た事がある作家の作品だったら確実にその本は読まないわよ
ミッキー
ずいぶん極端だな……それはまたどうしてなんだ?
ミニー
残念ながら物語が作家のイメージを超える事が無いからよ。どれだけ物語に集中しようと思っても、【あの人の頭の中にはこういう世界があるのか】と作者の顔が浮かんできて、せっかくの物語が物凄くこじんまりとした内容にしか思えなくなってしまうわ
ミッキー
な、なるほど。作家の姿というか、作家が書いたという情報が浮かんで、作り物のフィクションとしか思えなくなる、ってカンジか?
ミニー
ええ、そうね。国語の授業で何故か著名な作家の人生や経歴を勉強したりするけれど、ああいうのもやめてもらいたいわね。知れば知るほどその人の作品を読む気が失せてしまうもの
ミッキー
そ、そっか。僕にはその感覚はよく分からないな……
ミニー
あら、そうでしょうね。もちろんこれは私の読み方の問題だから、逆に書いた人の事を詳しく知りたいと思う人もたくさんいるわよ。少なくとも作家や作品には全く罪は無いわね。だからあなたもあまり私に顔を見せないでちょうだい。物凄くこじんまりとした会話になってしまったらどうしてくれるのかしら
ミッキー
ちょ、ちょっと待った!別に僕達はフィクションの話をしてるわけじゃないじゃないか!それに小さなテーマで会話したって構わないと思うぞ!
ミニー
あらそう。タンスの脇にあるホコリを掃除するための細い棒のような商品を長年に渡って研究して開発して家族に見せたところ、【そんなものはこうすれば良い】と思い切り息でホコリを吹き飛ばされてしまった開発者のような女で悪かったわね
ミッキー
またずいぶんこじんまりとした研究に歳月を費やしたんだな……って、そうじゃなくて、とにかくじゃぁ芸能人の書いた小説は楽しめないわけか
ミニー
まぁ、一体今まで何を聞いていたのかしら。気に入らない内容だったからって何度も読み返しても残念ながら同じ内容の文章しか出てこないわよ。息で吹き飛ばされたホコリを巻き取る棒のような商品を開発したところ、【そんなものはこれで充分】と全て掃除機で吸い取られてしまったようなものよ
ミッキー
おい、読み返したら違う話になったじゃないか。って、一体何なんだその話は……
ミニー
何をごにょごにょ電車で隣に座った男が無意識に本を音読してしまう癖があるらしく、ちょうど今自分も読んでいて楽しみにしている小説の結末を思い切り音読されてしまった男のようにつぶやいているのかしら、気持ち悪いわね。とにかく今日は一体何の話なのかしら?話題の顔が見えなくて何が何だかさっぱり分からないわね
ミッキー
おい、それじゃ顔が見えない時も問題があるじゃないか。と、とにかく、芸能人の小説を読んだ事があるかどうか訊いただけだぞ。たまに何かの賞を受賞したりする人もいるし、少しは興味があるんじゃないかと思ってさ
ミニー
あらそう。賞なんて出版社の都合で売り出したい本を取り上げているだけだから、気にしていたら出版社の思う壺よ。審査員がこの世の全ての本を読んでいない時点で何の価値もないわね。かつての文豪も自分の名前をわけの分からない出版社に利用されて、毎年毎年名前を汚されて怒っているんじゃないかしら
ミッキー
な、なるほど。賞を取った本が毎年酷評されてたりするしな
ミニー
あら、それは別に選考基準や作品の内容に問題があるわけじゃなくて、人によって感想が違うから賞とは関係なくそういう評価をされるのが当然じゃないかしら。でも【有名人の本だから読んでみた】とか、【賞を受賞した話題の本だから読む】という人は、既に余計な情報に惑わされながら読んでいるから、まともな評価は出来ないでしょうね
ミッキー
さっきお前が言ってたように、作品とは関係ない要素が気になってちゃんと内容を楽しめない、ってカンジか
ミニー
ええ、そうね。何か伝えたい事があって書き上げた小説を最初から色眼鏡越しに読まれて、文学賞なんてものは作家にとっては悲劇でしかないわね。文学賞は【たった一つの作品がたくさん売れる】という出版社側のメリット以外にはデメリットしかないはずだけれど、出版社は一つのヒット作を生み出すために今後も文学賞を続けるんでしょうね。とにかく賞を受賞しようがしまいが、作家は一切表に出ず、作品だけを発表して読者に思い切り世界観をイメージしてもらうのが最大のファンサービスだと思うわ
ミッキー
まぁその辺は作家それぞれに色んな想いもあるんだろうな。メディアに積極的に出ていく作家もいるし、出版社と契約してたら握手会とかサイン会とかもやらなきゃいけないんだろうし
ミニー
ええ、そうね。アイドルじゃあるまいし、命がけで作品を書いている作家達を振り回したり、上から目線で評価したり、出版社の考えている事はわけが分からないわね。結果的に多くの本が全然売れない現状を作り出してしまって、頭にホコリでも溜まってるんじゃないかしら
ミッキー
全く……あんまり敵に回すような事を言わない方が良いと思うぞ
ミニー
あらそう。先程も言ったけれど、私は作家と作品を批判するつもりは一切無いわよ。作家の才能の上にあぐらをかいて出版不況を招いた無能な出版社達に言いたい事は山ほどあるけれど
ミッキー
いや、だからそれが危ないんだってのに。電子作家を一人闇に葬り去る事くらい簡単なのかもしれないからな
ミニー
あら、こうして好きな事を言えるのも顔を隠している理由じゃないの。作家なんて誰かに気を使って言いたい事も言えなくなったら死んだも同然だもの。それにいざとなったらあなたの発言という事にすれば何とかなるんじゃないかしら
ミッキー
命を狙われてる人の影武者みたいじゃないか!僕はそんなのやりたくないぞ!
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