ブログネタ:ワサビ、のり、ゴマ…ソバに欠かせないものは?
ミッキー
昨日は近所の蕎麦屋で出前を取ったんだ
ミニー
あらそう。たまに出前を注文出来るくらいには裕福な家庭だと私にアピールしておきたいのね。そうして私の気を引こうとしているのかもしれないけれど、お金があるだけでは人間は魅力的には見えないわよ。例えば誰からもモテないのにお金だけは持っている人が何とか周囲の気を引こうとした結果、ブランド物を買い漁って全身を高額の服で包むようになるのよ。それでも全く相手にされないどころかブランド物だという事にも気付いてもらえなくて、ついに彼は札束を身体に巻いただけの洋服に身を包むようになるわ。途端に彼は帰り道で何者かに襲われて裸にされてしまうけれど、その快感に目覚めた彼は人に好かれる事なんてすっかり忘れて裸で町を走り回るようになってしまったようなものよ
ミッキー
何なんだその話は!全然例えになってないぞ!
ミニー
あら、そういえば札束を巻いただけの服が洋服か和服かなんて誰にも分からないわね。でも日本の紙幣だったと仮定すると、それは和服と表現すべきだったかもしれないわ。間違って悪かったわね
ミッキー
妙な例え話の細かい表現については全くツッコんでないんだけど……っていうか、蕎麦屋の出前だけでどうしてそこまで人間性を否定されなきゃならないんだ。蕎麦屋の出前って逆に金持ちの家は頼まないような気がするんだけど
ミニー
うるさいわね。天ぷらそばを注文したからって調子に乗って揚げ足を取らないでちょうだい、腹立たしいわね
ミッキー
……僕が天ぷらそばを食べた事はまだ言ってないと思うんだけど……とにかく、たまには家で店屋物を注文するのも気分が変わって悪くないな。結構美味しかったぞ
ミニー
あらそう。僕の家に嫁げば近所に美味しい蕎麦屋があるぞ、と他力に頼りきったいかがわしい告白をしているのね。そうして私の家事の負担が減る事をアピールして気を引こうとしているのかもしれないけれど、自分の魅力が伝わらなければ人の心には響かないわよ。例えば何も特筆すべき点が無くて誰からもモテない人のお姉さんは有名なピアニストで、お兄さんは有名なスポーツ選手なのよ。彼の話は常に兄弟の自慢話で、彼は自分の自慢は一切していないのにどんどん周囲から自己主張の激しい人間と認識されてしまうわ。その後彼は努力して難しい司法試験に合格するけれど、その頃にはスポーツ選手を引退したお兄さんとピアニストとして落ち目になったお姉さんが彼にたかり始めるわ。彼は必死に勉強して法律の専門家になったのに、最初の仕事が実の兄と姉を訴える事になってしまったようなものよ
ミッキー
だから例えがどうもズレてるような気がするんだけど……と、とにかく、僕は蕎麦でお前の気を引こうなんて考えは一切ないぞ!
ミニー
うるさいわね。いかがわしい告白に失敗したからといって興奮しないでちょうだい。美味しい蕎麦があれば何でも夢が叶うと思ったら大間違いよ
ミッキー
そんな考えを持った事は今までに一度も無いんだけどな……まぁ良いか。せっかく蕎麦を食べたから今日は蕎麦に欠かせない薬味を訊こうと思っただけなんだぞ。ワサビとかノリとかネギとかゴマとか
ミニー
あらそう。蕎麦には欠かせないものがそんなにたくさんあるのね。蕎麦粉だけかと思っていたわ
ミッキー
蕎麦に蕎麦粉を使うのなんて当たり前じゃないか!
ミニー
まぁ、欠かせないものを真面目に答えただけでどうして怒鳴られなければならないのかしら?中々二人の関係が進展しない事に気を揉むあなたはついに力ずくで私を言いなりにさせようとしているのね。どれだけ表面上は繕っても、本心から従わなければいつかは破綻する日が来るのよ。例えば毎日毎日彼女に対して暴力を振るっていた人が、ついに誤って彼女を殺してしまうわ。それを機に彼は全く暴力的な衝動を感じなくなって、模範囚として真面目に勤め上げて数年で刑務所から出てくるのよ。その時の彼は真面目に働く事に幸福を感じるようになっていたけれど、元殺人犯の彼にまともな仕事は与えられないわ。そうして仕方なく拾われた極道の世界で真面目に結果を残していった彼が、気付けば世界一の極悪人になっていたようなものよ
ミッキー
一体どういう状況を例えて言ってるのかやっぱり分からないけど……とにかく蕎麦の薬味で欠かせないものを……
ミニー
うるさいわね。いつまで蕎麦の話をしているのかしら、しつこいわね。蕎麦に入れるのは何もいらないわよ。当たり前じゃないの
ミッキー
いや、当たり前とも言いきれないと思うぞ
ミニー
違うわよ。そばにいられれば何もいらないわよ、って言ったの。何を食べるか、よりも重要な事があるのよ、失礼な
ミッキー
そ、そうだな。僕もお前と一緒に食べれば何でも美味しいぞ
ミニー
でもフライドポテトだけは別よ
ミッキー
せっかく良い話なんだから今はわざわざ言わなくて良いだろ!
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