ブログネタ:毎日食べても飽きない自信のある食べ物
ミッキー
フライドポテトってどれだけ食べても全く飽きないのか?
ミニー
あら、何かしら、突然、今更どうしてそんな事を訊かれなければならないのかしら。まさかフライドポテトが今後入手出来ないとかいうニュースでも流れたんじゃないでしょうね。それなのに手ぶらでいるのはどういう事なのかしら。私のために少しでも買い溜めしてきてちょうだい。震災の直後に多くの大人が奪い合うように品物を買い漁っていたじゃないの。まさか私にあんな恥ずかしいマネをさせるつもりじゃないでしょうね
ミッキー
いや、結局お前が僕に買いに行かせてるなら恥ずかしい行動に変わりないと思うけど……
ミニー
あらそう。という事はあなたは一切食べずに、買ってきたフライドポテトを全て私に食べさせようとしているのね。それは一見優しさのように見えるけれど、せめて一本でも食べれば共犯という事になるのよ。私が街を歩くたびに周囲の人達から冷ややかな視線を投げ掛けられたり石を投げられたとすると、どっちみち隣を歩いているあなたにもぶつかるし、それなら共犯者として開き直ってしまった方が精神的にも納得出来ると思うわ。あなたを置いて私が逃げるという方法を選択する時も良心が咎める事が無いでしょうし、どうせ優しさを見せるならばその結果も考えてから行動した方がより相手を喜ばせる事に繋がるはずよ
ミッキー
何を言ってるんだ!どんな理由でも買い占めなんてしないぞ!それに僕を置いて逃げるために僕にも食べさせるなんて酷過ぎるだろ!
ミニー
うるさいわね。それでは世間体を気にして今後無くなっていく一方のフライドポテトを指を咥えて見送れと言いたいのね。指なんて何本咥えても全くお腹に溜まらないし、周囲の人間の視線や悪評をどれだけ集めても全く満腹にはならないわ。何を考えているのかしら
ミッキー
いや、ちょっと待ってくれ。お前は確かに周囲の目なんて気にしないけど、だからといって私欲を満たすために人から批判されるような事をやったりしないじゃないか。そういう誰にも言われずに自分を律してるところはいつも素直に尊敬してるんだぞ
ミニー
……うるさいわね。突然褒めたからってお腹がいっぱいになったりしないわよ。せいぜい胸がいっぱいに……って、何を言わせるのかしら、みっともない。このままではお腹がどんどんしぼんで胸ばかり膨らんで、逆三角形になってしまうに違いないわ。そもそもよく逆三角形という言葉が使われるけれど、厳密にはしっかりウェストの太さがあるから三角形ではないわよね。とはいえウェストが0センチになって頂点が出来たら身体がそこから千切れたり折れたりしてしまうでしょうけれど。それに三角形というのも認識が甘いと思うわ。せいぜい三角すいとか円すいになるはずよ。人体は残念ながら立体の造形物で、主に逆三角形とたとえられる人こそ筋肉隆々で立体的な身体をしているじゃないの。厚みの無い二次元に見えるのはせいぜい私のような凹凸の無い……って、誰が干からびた乾燥昆布みたいな存在なのかしら、失礼な。驚くくらいに出汁が出るから甘く見ないでちょうだい
ミッキー
誰も甘く見てないぞ!そもそもフライドポテトが無くなるなんて一言も言ってないじゃないか
ミニー
あらそう。だったらどうしてフライドポテトについて飽きるかどうかなんて訊かれてしまったのかしら?私が飽きっぽい性格かどうかなんて、あなたなら訊くまでもなく知っているはずだけれど
ミッキー
う、うん……それは分かってるつもりだけど……僕なんかとずっと一緒にいてくれてるしな……
ミニー
何を言っているのかよく聞こえないけれど、私より飽きっぽい性格の人なんてあまりいないんじゃないかしら
ミッキー
えっ?飽きっぽい?そうは思えないぞ?
ミニー
あら、そうかしら。他人なんて見ただけで会話もする前に飽きてしまうし、食べものも見ただけで口にする前に飽きてしまうわ。例外は揚げたてのフライドポテトだけよ
ミッキー
ううっ、僕はその例外の中に入ってないのか……
ミニー
違うわよ。あなたとフライドポテトだけ……って、何を言わせるのかしら、みっともない
ミッキー
そ、そっか!僕が人として唯一の例外に入ってるなんて嬉しいぞ、ありがとう
ミニー
……うるさいわね。どうして私はこんなみっともない事を言うのに飽きないのかしら……腹立たしいわね……
ミッキー
おーい、何か言ったか?
公認会話士が出版した小説一覧はこちら
スポンサーリンク