体育の授業で跳び箱をしている友達と会話する時に気を付けるべき事

あら、何かしら、騒々しいわね。私が困っている人を常に助けると思ったら大間違いよ。知らない人にまで手を差し伸べていたら私の人生の貴重な時間に手を差し伸べる事が出来なくなってしまうもの

まぁ、体育には一切参加していない私はクラスの皆からカモにされていると言いたいのね、失礼な。誰も私の事なんて気に掛けないし、私も心を許すつもりは無いけれど、それでどうして私がクラスメイト達を相手に損をしているのかちゃんと説明してちょうだい

あらそう。分かったわ。仕方ないわね、ハイジは跳び箱と言っているのよ

つい跳び箱について話しているから言葉が跳び跳びになってしまっている、と言っているわね

ええ、そうね。跳べない人のために低い跳び箱で練習させたりするけれど、あまりに低過ぎると空中で下半身の方が上になる前のめりの危険な体勢になってしまって、思い切り跳べば跳ぶほど顔面で着地してスライディングするような事になりかねない、と言っているわね

とはいえ跳び箱を横に置くと１８０度思い切り足を広げなければ跳べないような気がして、まるで漢字の【土】のような形になるのは一般人の柔軟性では不可能なんじゃないか。とはいえ跳び箱を縦に置くと飛距離が必要になって、勢い良く前傾姿勢にならなければ跳べなくて、横から見てまるで漢字の【刀】のような形になるのは二足歩行の一般人には不可能なんじゃないか。いっそ跳び箱は正方形にするのが良いかもしれない。更に跳び箱の授業は体を育む【体育】ではなくて、恐怖心に打ち勝つための【恐勝】とか【心勝】という名前に変更すべきだと思う。と言っているわね

あら、そうね。光の跳び箱というカンジかしら

違うわよ。光が飛ぶ箱で感じたのかしら、って言ったの。私がいなくても二人の会話くらいは細胞の電気反応で分かってしまうわよ。私を甘く見ないでちょうだい

違うわよ。相棒の電波発信で分かってしまう……って、何を言わせるのかしら。決してハイジに発信機がついているわけではないわよ。電話中だっただけよ