ミッキー
マクドナルドのフライドポテトがテリヤキバーガー味になったらしいぞ
ミニー
あらそう。それがどうかしたのかしら
ミッキー
いや、お前はフライドポテトが大好物じゃないか。だから買ってきたんだぞ
ミニー
あらそう。私はフライドポテトの塩味以外はほとんど味を感じない究極に研ぎ澄まされた舌の持ち主だけれど、あえて別の味が私のおマスクに適うかどうか挑戦しようとしているのね
ミッキー
究極の味覚というか、世間的には味音痴と表現するような……いや、何でもない……
ミニー
ちょっと、聞こえているわよ、失礼な。私のお耳栓に適うと思ったら大間違いよ
ミッキー
さっきからその妙な表現は一体何なんだ？おマスクとかお耳栓とか、聞いた事無いぞ
ミニー
あらそう。実力的に認められて気に入られる事を【お眼鏡に適う】というじゃないの。でもそれはあくまで視覚に限定された表現と考えるべきじゃないかしら。味覚や聴覚なども独自の表現を作るべきよ
ミッキー
なるほど。それでマスクとか耳栓って言われてもいまいちピンと来ないけど……そのまま【舌に適う】とか【鼓膜に適う】とかの方が分かりやすいんじゃないか？
ミニー
あら、メガネは装備品なのに、どうして味覚と聴覚だけ身体の器官で表現しなければならないのかしら。そんな発想で私のおフライドポテトに適うと思ったら大間違いよ
ミッキー
更に分かりにくいぞ！フライドポテトに適うのは一体どういう状況なんだ！？
ミニー
うるさいわね。感動とか感心とか心の琴線とかに決まってるじゃないの
ミッキー
お前が感動したり感心したりする象徴がフライドポテトって事か……って、フライドポテトは装備品じゃないと思うぞ！
ミニー
うるさいわね。そんな言葉狩りをすれば私のお暗闇に適うと思ったら大間違いよ
ミッキー
話せば話すほど混乱してくるな……今度は一体どういう状況を表現してるんだ？
ミニー
あら、言葉狩りなんて皮肉屋がする行為じゃないの。今まで独りで生きてきたのに急に話し相手が現れて浮かれていたものの、やはり最後は孤独な暗闇に包まれた人生になるくらい皮肉な……って、何を言わせようとしているのかしら。みっともないわね。お車間距離をやたらと詰める車に適ったらどうしてくれるのかしら
ミッキー
それがお前にとってみっともない装備品なのか？まぁ煽り運転とかはホントに見てるこっちが恥ずかしくなるくらいみっともない行為だと思うけど……って、話が全然進まないぞ！とにかくフライドポテトを食べて感想を言えば良いんだ
スポンサーリンク
単品価格＋30円(税込)
※写真はＬサイズです
ミニー
あらそう。フライドポテトを袋に入れて振ったりして、何をしているのかしら。お議員の海外視察費に適うと思っているんじゃないでしょうね
ミッキー
それは無駄って意味か？僕は別に無駄な行動をしてるわけじゃないぞ。こうやって塩味のフライドポテトの味を変えてるんだ。よし、じゃぁ食べてみよう。いただきます。うん、なるほど。テリヤキバーガーを食べてる時にレモンの味を意識する事なんて無いんだけど、このフライドポテトはずいぶんレモンの風味が強いな。甘じょっぱさでテリヤキバーガーを表現しようとしてるのかもしれないけど、甘さよりも酸味の方が強いからテリヤキっぽくはないな。でもただの爽やか風味よりも確かに濃厚な旨味も足されてて、味としては問題なく美味しいぞ。問題があるとすれば、てりやきマックバーガー味という名前くらいか。お前はどうだ？
ミニー
あら、そうね。元々が美味しいフライドポテトに味付けしているわけだから、不味くなるはずがないんじゃないかしら。というより普段のフライドポテトと全く味が変わらないわね。やはり先程振っていたのは完全におあなたの食レポに適う無駄な行為だったと言えそうね
ミッキー
やっぱり塩味以外を感じる味覚が欠如しちゃってるじゃないか！全然研ぎ澄まされてないぞ！しかもどうして僕の食レポが言うだけ無駄な行為になってるんだ！
公認会話士が出版した小説一覧はこちら