「何だかよく分からない場所に来たな」
「あらそう。良かったわね」
「いや、どこなんだここは?」
「あらそう。良かったわね」
「おい、質問の答えになってないぞ。一体どこなん……」
「うるさいわね。どこでも構わないんじゃないかしら。人は突然どこかへ連れて行かれて無残に殺される可能性がある生き物なのよ」
「おい、そんな事を言われても、とてもじゃないけど受け入れられないぞ。そういう予兆があるなら準備したり対処したりする方が良いじゃないか」
「しつこいわね。もう既に変なところへ連れてこられた後だから今から騒いでもどうにもならないわよ。無駄な抵抗をするとかえって惨殺されてしまうような状況じゃないかしら、残念だったわね」
「いや、だからどうしてその変なところへ来ちゃったのかが分からないじゃないか。お前は理由を知ってるのか?」
「むっ?見た事の無い不審者を発見!ぴゅぴゅぴゅっ!どーん!」
「痛てー!いきなり背後から突撃してくるな!何なんだ一体!」
「むむむ、どこの誰だか知らないけど、あんまり人の私有地に勝手に入っちゃいけないんだよ。しかも勝手にショベルカーだかシャベルカーだかを持参して庭を作り変えたりして、重機不法侵入かも。そうなのかも?違うかも」
「いや、そこは重機じゃなくて住居じゃないのか?」
「んー?でもそこにいる黒いショベルカーだかシャベルカーだかを連れて庭で遊んでるから重機なんだよ。重機が不法に侵入してるのかも」
「ああ、なるほど。って、ミニーを重機扱いしないでくれ。どう見てもそんないかつい外見じゃないじゃないか」
「むっ?外見は知らないんだよ。とにかく今にも喋り出しそうだからシャベルか?と言ってるのかも!」
「【シャベルか】の状態だからって重機って事にはならないじゃないか!っていうか、さっきからどうして他人のフリをするんだ!?」
「ぴぴぴー!はいはい、あんたかい、ここで騒いでるってのは。警察が来たからには大人しくしなさいよ。お、おい、僕が来たら更に暴れ出しちゃったじゃないか、一体どうなってるんだ。え?どうせ捕まるならせめて一度やってみたかった大暴れをしてやるだと?こらこら、そんな自分勝手な理由で無駄な仕事を増やさないでくれよ、そんな論理が通ったら大変な世の中になっちゃうんだからさ。こら、暴れるなって言ってるじゃないか。あー、もう、面倒臭いなぁ、どうせ始末書を書くんだったらもう最初から見なかった事にしよう。じゃぁねー」
「誰なんだよお前は!自分だけ勝手な論理が通るなんて都合が良過ぎるぞ!」
「むっ?だったらどうせこいつは犯罪者になるんだから正当防衛で射殺しちゃおう。の方が良かったかも?」
「こら!もっと酷いじゃないか!って、とにかくそれは良いとして、僕もミニーも全然暴れてないし、どうしてさっきから知らないフリをするのかを訊いてるんだ!」
「むむむ、ちょっとふざけたら烈火のごとくツッコんだりして、職務に忠実過ぎるんだよ。ちょっとアレンジしただけで【史実と違う】とか言い出す大河ドラマの視聴者みたいなしつこさかも。そうなのかも?そうに違いないのかも」
「全く騒々しいわね。要するに私達はハイジのテリトリーに迷い込んだみたいだから、大人しくハイジのする事に従っているしかないんじゃないかしら。さぁ、後はハイジが好きなだけ盛り上げてちょうだい」
「むっ?むむむむむむ」
「「………………」」
「むむむむむむ……びえーん!こんな知らない土地で盛り上がるのなんて不可能かも!しくしくめそめそ」
「……やっぱりハイジも知らない場所なんじゃないか。結局ここはどこなんだ?」
「あら、どうして私に訊くのか分からないけれど、とにかく私達の他に誰もいないという素晴らしい場所がついに見付かったんじゃないかしらね。他人と親しくしたい、などという野心さえ捨てれば人間はとてもシンプルに生きていけるのよ。友達は大事、などという余計な情報のせいでかえって大勢が悩んで卑屈になって自分を責めてストレスを抱えている事に誰も気付いていないのかしら」
「な、何だか重い話になっちゃってるけど、誰もいない場所のためにアメーバとFC2を捨ててきたのか?って、僕達の会話は大勢に聞いてもらわないとダメなんだぞ」
「うるさいわね。冗談に決まってるじゃないの。既に大勢に嗅ぎ付けられてしっかり会話を聞かれてしまっているものね」
「ちょっと表現に難があるけど、ホントにありがたい事だな。というわけで、どうやら今後はここで会話していくらしいので、良ければ今まで通り遊びに来てください!」
「むっ?どうやらミッキーは話し終えたっぽいのかも?ついに私とミニーで心置きなく話せるんだよ」
「あら、そうね。結局ここはどうなっていくのかしらね」
「んー?聞いた話では、将来的に今までの小説も全部引っ越してくるらしいんだよ。だから私は全ての小説に強引に割り込んで話をメチャクチャにしていく次第かも」
「あらそう。だったら私は全ての小説を絶望の悲劇に書き換えてしまおうかしらね」
「ぴー!私が物語から出れなくなって死んでしまうのが目に見えてるのかも!ガクガクブルブル」
「あら、ついにハイジまで話し終えてしまったわね。これで誰にも邪魔される事なく悲劇の結末に……」
「こら!黙って聞いてたらメチャクチャじゃないか!悲劇になんてさせないぞ!」
「まぁ、あなたのツッコミで記念すべき最初の会話が終わってしまうなんて、こんな悲劇があるのかしら」
「人を悲劇扱いするなんて酷いぞ!」
というわけで、どうも公認会話士です。
やはり3人では重要な話をしてくれなかったので、ちょっと補足させていただきます。
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公認会話士