ブログネタ:好きな芸能人
ミニー
ああ、腹が立つわ
ミッキー
どうした、何かあったのか
ミニー
全く、私の事を何だと思ってるのかしら
ミッキー
それは人それぞれ違うだろうけど。誰かに何かされたのか
ミニー
まずはあなたが私をどんな存在と思ってるのか言ってみてちょうだい
ミッキー
え?うーん、ボクサーが言葉を武器に戦ってるようなカンジか?
ミニー
あら、それは何かしら。たまには興味深い事を言うわね
ミッキー
いや、言葉で人を傷つけたり、一瞬の隙を見つけて叩きのめしたりするのが上手なんじゃないかと思って……
ミニー
まぁ、そんな攻撃的な人間だと思われていたなんて。それなら心置きなく本気を出してやろうかしら
ミッキー
ええっ、今までのは本気じゃなかったのか?
ミニー
私はいつでもあらゆる事に対して本気よ。でも今後はあなたを傷つけるためだけに心血を注ぐ事にするわ
ミッキー
そんな事で頑張らなくていいって!
ミニー
そもそも私はボクサーじゃないわよ。そんな事も分からないとは失礼な
ミッキー
早速攻撃が始まってるのか?でもこれ例え話だし……
ミニー
ボクサーだったらこちらも殴られるかもしれないじゃないの。私は誰からの攻撃も全く寄せ付けないわよ
ミッキー
そういう意味か!
ミニー
ああ、それにしても腹が立つわ
ミッキー
そういえばそれを訊こうと思ってたんだよ。一体どうしたんだ?何だと思ってるんだ、とか言ってたけど
ミニー
今日は珍しくCDを買いにCDショップへ行ったのよ。そうしたら店頭で握手会が開催されていたわ。しかも私が前から好意を持っている人で、既に大勢が列を作って並んでいて、ちょっとした騒ぎになっていたわ
ミッキー
なるほど。早く握手したいのに時間が掛かった事に怒ってるのか?
ミニー
握手をしている人間が全員【前からファンでした】とか言っているから私は閃いたのよ。それならきっと全員が私とも握手をしたいに違いないわ、って
ミッキー
え?どういう事?
ミニー
だって間違いなく私の方が彼らより詳しいもの。だからファン代表の私とも握手をしたがるのは当然じゃないの。本人が10割の価値を持っているとしたら、私も8割……いえ、本人が忘れている過去のインタビューや発言も全て記憶している私は、本人以上に本人なのよ。好きな芸能人に対してだけは、そういう事態がありえると私は思うわ。そんな12割から13割くらいの価値がある私こそが握手会を開催すべきじゃない、と思ったのよ。そこで横に並ぼうと思ったらつまみ出されてしまったわ。本人も本人以上に本人が登場した事に怯えた表情をしていたわ
ミッキー
えーと、何をどう言ったら良いのか……
ミニー
私は私以外の何者でも無いけれど、誰かの本人以上の存在になる事に関してはやぶさかではないわ。それにしても私の事を何だと思ってつまみ出したのかしら
ミッキー
狂信的なファンだと思われたのは間違いなさそうだな。そしてそういう存在がたびたび応援している存在の安寧を逆に脅かしてしまう事があるんじゃないかと……
ミニー
そうね。本人以上に本人になってしまうと、私に仕事のオファーが来てしまうものね。タレント生命を脅かしてしまうかもしれないわ
ミッキー
まぁそう思っていたら幸せだよ、きっと。それにしてもよく大人しく引き下がってきたな
ミニー
本人より目立ってしまって気の毒になったから自ら手を引いたのよ
ミッキー
なるほど。本人のトラウマにならなければ良いけどな
ミニー
あら、どうしてそうなるのよ、失礼な。蹂躙してやろうかしら
ミッキー
それは僕の肉体を?それとも人権をか?
ミニー
違うわよ。12割になろうかしら、って言ったの。私はあなただったら20割以上でもなれるわよ。【そ、そこまで知り尽くされているのか……】【おい、勝手に人のツッコミを予想するな!】【う、完璧過ぎて逆に怖い……】【完敗です。あなたの奴隷として生きていきます】あなたが言いそうな事を4つくらい先回りだって出来るわよ。私が1つ言うたびにこう思ったでしょう?
ミッキー
いや、最後は違うぞ
ミニー
【途中までは当たっててゾッとしたけどな】【う、またか。しかも当たってる】【う、また当たった。どうなってるんだ】【もうダメだ。どうやったらミニー様の奴隷になれますか?】ほら、当たっていたでしょう?
ミッキー
だから最後は違うって!
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