サッカーや野球の背番号のとんでもない理由について

あら、そうね。普段サッカーに関心がないような顔をして、大会期間中はニュースでも毎日騒いでいたわね。私の誰もが羨む記憶力を頼りに思い返してみると、４年に一度だけ盛り上がる、という法則があるみたいだわ。恐らくこの法則に気付いているのは世界で私だけじゃないかしら。何故４年に一度なのか検証してみるのも面白いかもしれないわね。まず去年の今頃は一体サッカーについて何を想っていたのか発表してみなさい

あらそう。やはり去年の今頃は特に興味がなかったのね。じゃぁ一昨年の今頃は一体サッカーとどう向き合っていたのかしら？

あら、どういう事かしら？

まぁ、たったそれだけのために盛り上がっているなんてとても信じられないわ。サッカーの試合を３試合やるだけじゃないの。代表に選ばれると呪わるとか、代表の中から一人だけ何かの生贄にならなければならないとか、それがきっと４年に一度なのよ

うるさいわね。選ぶわよ

違うわよ。目指すわよ、って言ったの。ホントは選手全員で背番号を奪い合っているんでしょう？知ってるわよ、それくらい。だから私も背番号をもらえるようにチャレンジしてみるわ

人生において背番号をつけるなんて中々ない機会じゃないの。それを皆で競い合っているに違いないわ。１番成績が良かった人の背番号が１番で、球場の駐車場で最もロッカーから近い場所に車を停める権利がもらえるはずよ

選手のグッズ販売をするのよ。スタジアムの近くだからよく売れるはずよ

うるさいわね。誰も聞きたくないわよそんな話。球場から近くに住んでいる順に番号をつけたという話でしょう？私がさっきその話はしたじゃないの

あらそう。じゃぁ一番バッターがよく二塁打を打つから背番号は２番ね。二番バッターは送りバントをするから背番号は０番かしら？でもその頃には一番バッターは三塁にいるから３番に背番号を変えなければならないじゃないの。困ったわ、永遠に一番バッターには追いつけないじゃない。そう考えると、一番バッターの背番号は【どんなに足の速い人間でも動いている亀には追いつけない】という理論を表す【ツェノンの逆理】番という事になるわね。三番と四番と五番はホームランを打つから、背番号はＨＲ番かしら。皆同じでずいぶん紛らわしいわね。アウトになると思われている六番から九番の背番号は０番になってしまうわ。そんな失礼な背番号をつけて、よく士気が上がったわね

あら、数字でくくられるなんて絶対に嫌だわ。私は自分の意志でどの数字にも臨機応変になれる存在を目指しているのよ。もし試合に出たら、その状況に応じて何度も違う背番号に着替えるわ。だからユニフォームを５０着くらいは抱えながら試合する事になるわね

あなたは－１番とか４番とか９番とか１３番くらいが良いんじゃないかしら

そうかしら？ちゃんと理由があってつけたつもりだけれど

４歳くらいの精神年齢と、９歳くらいの知能指数と、１３歳くらいの捻くれた性格よ

０歳だと生まれてきてしまうから、生まれてこなければ良かったのに、という意味でマイナス１番よ

違うわよ。マイハズバ……って、何を言わせるのかしら、みっともない。もう終わりにしましょう