【会話ブログ】 ミッキー+ミニー

桃色の生誕祭 その1

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ミッキー
そろそろクリスマスだな
ミニー
ええ、そうね。おめでとうと言えば良いのかしら?
ミッキー
いや、めでたいのかどうか、僕にはちょっとよく分からないぞ
ミニー
あらそう。だったらおめでとうと言えば良いのかしらね
ミッキー
おい、詳しく知らない事は全くめでたくないぞ。クリスマスが近いという話をしようと思っただけだからな
ミニー
あらそう。確実におめでとうとしか言えない状況でしょうね
ミッキー
こら!真面目に会話して欲しいぞ!
ミニー
うるさいわね。いくら街が浮かれて浮ついた浮遊感に満ちているからって、そんな大きな声を出しても良いという事にはならないわよ。声に驚いて夢から覚めたように現実に戻ってしまう人が続出して、あなたに不幸の責任を取らせようとする人達に囲まれてしまうんじゃないかしら。現実なんてクリスマス程度では埋められないくらい苦痛と苦悩に満ちているものね。残念だったわね
ミッキー
何を言ってるんだ!クリスマスだからって皆そんなにおかしな事にはならないはずだぞ!
ミニー
あらそう。という事は平常で平坦で平素なままクリスマスをやり過ごしたいと思っているのね。だったらそのまま何もしなければ良いんじゃないかしら。毎年毎年お祭騒ぎをしているから、たまには皆で何もしない方が神も喜ぶかもしれないわよ
ミッキー
うーん、もう今更手遅れという気がするけどな。ずいぶん前から色んなところでクリスマスイベントとかクリスマス商戦をしてるし、予定が埋まってる人もかなりたくさんいるはずだぞ
ミニー
あらそう。神も人も毎年毎年同じ事の繰り返しで、本来あるべき精神的な要素とか宗教的な要素みたいな、静かに厳かに想いを馳せるような要素が薄れているんじゃないかしら。例えば卒業証書授与のために生徒の名前を順番に読み上げていた教師が、徐々に飽きてしまって突然プロレスのリングアナのような呼び方を始めたようなものよ
ミッキー
例えがシュールでよく分からないけど……うーん、でもせっかくのクリスマスなんだし、僕としてはお前と何か特別な事をして過ごしたいぞ
ミニー
あら、特に徹底的に別々なところで過ごすのかしら?二度と私に近寄らないでちょうだい
ミッキー
こら!特別を分解しないでくれ!一緒に過ごしたいぞ!
ミニー
あら、一人ひとりが諸々の過ごし方をするのね。期待通りあなたとは違う過ごし方をするように気をつけなければならないわね。私に近寄らないでちょうだい
ミッキー
だから言葉を分解して悪い解釈にしないでくれ!僕はずっと一緒にいたいぞ!
ミニー
……うるさいわね。冗談よ。何を真夏のように暑苦しい事を言っているのかしら。神も世間もクリスマスだと気付けなくなる可能性があるわよ。残念だったわね
ミッキー
いや、何も北半球だけがクリスマスなわけじゃないし、暑い季節にクリスマスを迎える国もあるから大丈夫だと思うぞ
ミニー
しつこいわね。冗談と言っているじゃないの。とにかく何かしたい事があるならはっきり言った方が良いんじゃないかしら。私にトマトをぶつけたいとか、私を本気で殴りたいとか、牛に追い回させたいとか、ハイヒールで全力疾走させたいとか、高さ90メートルの棒に逆さ吊りにさせたいとか、足を蔓で縛ってバンジージャンプ……
ミッキー
ちょ、ちょっと待った!何か世界の奇祭大集合みたいになってるぞ!僕はただ一緒に食事したり、プレゼント交換をしたり、普通にクリスマスを祝いたいだけだぞ!
ミニー
あらそう。あなたの普通が世界の普通や私の普通と同じだと思ったら大間違いよ。私はあなたと一緒に食事したり、プレゼント交換をしたりしたいもの
ミッキー
……じゃぁ結局僕と同じじゃないか。何も問題は無いぞ
ミニー
違うわよ。あなたと一緒にショック死したり、プラセンタ投与をしたい、って言ったの。って、誰が胎盤エキスが必要なほど肌荒れが酷いのかしら、失礼な。あまりにも毒性が強過ぎて、エキスの方が驚いてショック死するわよ
ミッキー
何を言いたいのか全然分からないぞ!結局クリスマスは一緒に過ごしてくれるのか!?僕はお前と一緒にクリスマスを過ごせればそれだけで幸せなんだけどな
ミニー
しつこいわね。だから最初からおめでとうと言っているじゃないの

続く

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