ブログネタ：人にごちそうすることある？
ミッキー
僕達くらいの年齢だとあんまり誰かにご馳走するような事って少ないな
ミニー
あらそう。残念だったわね
ミッキー
いや、残念かどうかは分からないけど、余計なお金は使ってないとも言えるんじゃないか？
ミニー
あらそう。残念だったわね
ミッキー
いや、お金を使わずに済んでるなら残念じゃないぞ。何が残念なんだ？
ミニー
あらそう。残念だったわね
ミッキー
こら！答えになってないぞ！ちゃんと会話してくれ！
ミニー
うるさいわね。ご馳走と縁が遠くて残念じゃないの。とても会話にならないくらいご馳走の経験が少ないんじゃないかしら。残念だったわね
ミッキー
なるほど、そういう意味か。いや、経験は少なくても想像で話す事くらいは出来るんじゃないか？
ミニー
あらそう。という事はせっかく注文されたフライドポテトが注文した人とは全く別の知らない人にご馳走されて食べられる想像も出来るわね。まず油に飛び込んだ時にフライドポテトは命を得るのか死んでしまうのかという問題について……
ミッキー
ちょ、ちょっと待った。いきなり何の話なんだこれは？
ミニー
あら、想像すれば何でも話せると言っていたじゃないの。それともジャガイモの前にあなたが油に飛び込んで死んでしまったのかしら？という事は私達が食べているフライドポテトはジャガイモが新たな命を吹き込まれたわけではなくて、ジャガイモの死後の世界という事になるわね
ミッキー
だから一体何の話なんだ！？想像どころじゃなくなってるぞ！
ミニー
うるさいわね。冗談に決まってるじゃないの。想像力の片鱗をご馳走してしまって悪かったわね。要するにご馳走なんて嬉しいか嬉しくないかで言うと、嬉しくないという事じゃないかしら
ミッキー
いや、今の話と食事の話を比べられるとちょっと分からなくなるぞ。僕としてはご馳走はするのもされるのも嬉しいケースが多いと思うんだけどな
ミニー
あらそう。先程はお金を使わずに済む、みたいな事を言っていた気がするけれど。結局は無駄遣いと、恩義の押し売りみたいなカンジじゃないかしらね。ご馳走されたからには今までよりも深い関係にならなければいけないような、暗黙の圧力をかける行為に違いないわ
ミッキー
そうなるとずいぶん意味も変わってくるな……逆にそういう意図が何も無いのがご馳走のあるべき姿って気がするんだけど……
ミニー
何をごにょごにょ上司がご馳走してくれるというから期待していたところ、レストランや料亭ではなく上司の自宅へ案内されて、あまり美味しくない奥さんの料理を食べるハメになって、どうやら上司が一人で食べ切れないのを手伝わされただけだと気付いた男のようにつぶやいているのかしら、気持ち悪いわね。とにかくあなたに他意が無くても、ご馳走される側はあれこれ考えてしまうかもしれないわよ。和菓子は札がつきものだもの
ミッキー
まぁ饅頭に札束が隠してあったりする時代もあったみたいだな。って、現代でもそんな事があるんだろうか
ミニー
違うわよ。私は察してしまうもの、って言ったの。ご馳走される事にどんな意図があるのかしっかり考えてしまうわよ
ミッキー
全く……僕がお前に奢ったりするのは何も変な意図は無いから心配しなくて良いぞ
ミニー
あらそう。という事は深い関係になろうと思わないのね。あまり私に近寄らないでちょうだい
ミッキー
そ、そういう事を言うとまたややこしくなっちゃうじゃないか！
公認会話士が出版した小説一覧はこちら
スポンサーリンク