一番の親友は実は一番の親友ではないかもしれない可能性について

あら、何かしら、突然、気持ち悪いわね

あら、間に自分が入って取り持ってあげないと私とハイジはお互いに話し掛けもしないような関係だと思って驕り高ぶっているのね、失礼な。あなたの思った通りの型に私達がはまると思ったら大間違いよ

うるさいわね。あなたがいない時はお互いになるべく遭遇しないように気を付けて生活しているから何も問題ないわよ。そして話もしないからあなたに伝えるような内容も何も無いわね

あら、さっきも同じ事をあなたから聞いた気がするけれど、あれはあなたではなかったのかしら。今度から名札を付けて歩いて欲しいわね。本来名前なんてどうでも良いけれど、流石に同じ外見の人が三人もいると自ら名前を表示して生活するのが礼儀だと思うわ

あら、私はスキップをしていたように見えたかしら？でも廊下でスキップしてはいけないという決まりは無いから問題ないわよ。それよりいつも走っているニミーさんの事が心配になってしまうわ。ちなみに残念ながら私はミーニでもミニーでもニミーでもなくてハニーよ。彼と接する担当は常に私で……って、何を言わせるのかしら、みっともない

あら、でもそれはハニーさんが勝手にやっている事だから仕方が無いわ。どれだけ私と同じにしか見えない外見の人が恥ずかしい事を言ったとしても、それは私ではないのよ

うるさいわね。この生きづらい世の中、誰もが傷付かないように策を講じて生きているのよ。だから人生に失敗したりつまづいたりする時に備えて他の人格がいたって良いじゃないの。ゲームのキャラだけが何度失敗をしてゲームオーバーになっても許されるなんてズルいと思うわ。そんなつまらない狭い了見で私を縛り付けるような真似をしていると、あなたと付き合っている事が私にとって最大の失敗という事になってしまうんじゃないかしら。もう別れるわよ

違うわよ。もう束ねるわよ、って言ったの。あなたみたいなどうしようもない人の相手は私一人の一つの人格で充分よ。他の人はもちろん、私の他の人格にだってあなたの相手は絶対に譲らないわ、って、何を言わせるのかしら、みっともない