ブログネタ:田んぼに落ちたり、ドブにはまったり、電柱にぶつかったことある?
ミッキー
あー、今日は何だか恥ずかしかったなぁ
ミニー
あら、それはまたずいぶんと面白い事を言うわね
ミッキー
え?まだ何が恥ずかしかったのか話してないじゃないか
ミニー
ええ、それがどうかしたのかしら。あなたが何故か今日だけ恥ずかしがっているところが私としては興味深いのよ
ミッキー
うーん、よく分からないけど……そんなに僕って恥ずかしがらないイメージがあるかな
ミニー
あら、何を言っているのかしら。生きているだけで常に恥ずかしい存在のあなたが今日だけ自分を認識して恥ずかしがっているのが面白いわね、って最初から言っているじゃないの
ミッキー
こら!常に恥ずかしいってどういう事なんだ!
ミニー
うるさいわね。学校からずっと後ろ歩きで帰れるかどうかに挑戦して、途中でぬかるんだ泥に足を取られて転んで号泣していたじゃないの。そんな事もすっかり忘れて、田んぼや泥にはまるような失敗をした事が無いような顔をして生きているのが私からするとおかしくてたまらないわ
ミッキー
号泣していた、って……それって小学校の1、2年生頃の話じゃないのか……?自分でも忘れてるようなエピソードをどうしてお前が知って……
ミニー
更に学校からずっと目をつぶって帰れるかどうかに挑戦して、途中で蓋の開いた側溝にはまって膝を擦り剥いて、驚きと痛さで号泣していたじゃないの。そんな事もすっかり忘れて、後先を考えない行動なんてした事が無いような顔をして生きているのを見るたびに私は必死で笑いをこらえているのよ
ミッキー
だからそれも小さな子供の頃の……どうしてお前が知ってるんだ……っていうかお前が笑いそうになってる姿なんて一度も見た事無いぞ。どうせなら笑ってくれた方が気が楽なんだけどな
ミニー
あらそう。心の中では大笑いをしているから心配しなくても良いわよ。今もずっと笑っているわ
ミッキー
何かバカにされてるような気がするな。って、そんな事より、どうやって僕の昔の話を……
ミニー
さぁ、どうかしらね。その手段や経緯なんて全く重要ではないと思うわ。重要なのは、あなたが赤面するような昔の恥ずかしいエピソードまで私が知っていて、それでもこうして愛想を尽かさずに今までと同じ関係が続いている、という事よ。あなたはその幸せだけを感じるべきで、それ以外の事なんて全てが蛇足でしかないわ
ミッキー
……上手い事言いくるめられてるような気がする……蛇足で重要じゃないんだったら教えてくれても良いんじゃないのか?
ミニー
あら、意外と引き下がるわね。私のストーキング能力を甘く見ない方が良いわよ。あなたと知り合ってからだけだと思ったら大間違いなのよ。あなたの過去にだって私はしっかりと張り付いて観察しているもの
ミッキー
そんな事出来るわけないだろ!
ミニー
うるさいわね。そういうイメージの話じゃないの。昨日のあなたを目撃した人は世界のどこかに必ずいるし、一昨日のあなたを目撃した人だって世界のどこかに必ずいるわ。そういう事よ
ミッキー
……今までは僕の母さんが情報源なのかと思ってたけど、既に僕の過去のクラスメイト全員と知り合いだったりして……どっちにしても詳細は教えてくれないみたいだな
ミニー
ええ、こんな何が本当で何が嘘か分からないような話はどうでも良いから今日の恥ずかしい話を早く話してちょうだい
ミッキー
強引に話題を変えようとしてるな。まぁ良いか。えーと、今朝はカバンのチャックが開いたまま電車に乗っててさ。近くに乗ってた人なら中が見えちゃったんじゃないかなぁ、と
ミニー
……あらそう。それのどこが恥ずかしいのかしら。あなたにとってそれは、自転車のハンドルを左右逆に持つというバカバカしい挑戦をして電柱に突っ込んでいったエピソードよりも恥ずかしいものなのかしら?
ミッキー
うっ、確かにあれは……ん?その時は誰にも見られてなかったような記憶があるんだけど……
ミニー
ちなみにあまり良くない結果の試験の答案が入っていた時も帰りの電車でカバンのチャックは開いていたわよ。家に帰ってからも特に気付かなかったみたいだから、恥ずかしくはなかったでしょうけれど
ミッキー
ちょ、ちょっと待った!一体お前はどこからどこまで知ってるんだ!
ミニー
そんなの最初から最後まで全てに決まってるじゃないの。覚悟しておいてちょうだい
ミッキー
……それって今後一生ずっと僕の事を見続けるって意味だよな……スゴイ大胆な宣言だと思うんだけど
ミニー
あら、私が見るか他の誰かが見るかは分からないわよ
ミッキー
そういう怖い事を言うんじゃない!
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