どうも公認会話士です。
今週観る予定だった舞台が中止になってしまった腹いせ(?)に、映画を観てきました。
三浦春馬さん主演の「天外者」です。
三浦春馬さんと言えば3月に観る予定だったミュージカルがコロナで中止になりましたが、その後まさか亡くなってしまうとは……というカンジでしたね。
演劇界だけでなく、世の中の色んな業種がコロナによって大ダメージを受けたと思いますが、価値観や人生観が変わってしまった人もきっと数え切れないくらいいるんじゃないかと思います。
早く世の中が落ち着くと良いですね。
と、それはさておき、文字通りこの映画は遺作となります(来年3月に公開される主演ではない映画が残っているようですが)。
感想などはおいおい述べていきましょう。
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あらすじ
激動の幕末から明治初期、日本の未来のために駆け抜けた男がいた ——
五代友厚(ごだいともあつ)武士の魂と商人の才を持つこの男、薩摩藩士から明治政府役人を経て実業家となり、今日に続く商都大阪の基礎を作り上げた。
東の渋沢栄一、西の五代友厚とも評される功績を挙げながらも、長らく歴史に埋もれていた。
近年、多くの人の研究により、その真価が再認識される。
「名もいらぬ、実もいらぬ、ただ未来のために」とひたすら大いなる目標に向かったその志と熱い思いが、時代を超えて今、解き放たれる。圧倒的な熱量で生き抜いた五代友厚を演じるのは主演・三浦春馬。
大胆な発想と行動力、そして冷静且、緻密さと優しさを持つ、このミステリアスでさえある人物像をかつて見たことのない迫力と重厚な演技で体現した。
取り囲む盟友の坂本龍馬を三浦翔平。
豪傑なエネルギーで演じ、新しい龍馬像を切り開いた。
龍馬と共に現れ後に三菱財閥を築く岩崎弥太郎を、愛嬌たっぷりの西川貴教。
そして初代内閣総理大臣となる伊藤博文の若かりし頃を、フレッシュな森永悠希。
意表を突くキャスティングが、その斬新さと俳優陣の息のあった演技で魅せた。
更に五代友厚の両親として、生瀬勝久と筒井真理子が脇を固め、薩摩の上級武家の品位と葛藤を表す。
一方、五代友厚の繊細さや優しさを引き出したのが、遊女はる役の森川葵。
自由な未来を夢見る。
はかなくも強いその姿は、現代を生きる女性の象徴でもある。
また五代友厚の志のよき理解者が、蓮佛美沙子演じる妻・豊子。
取り巻く女性達もまた、時代の渦の中で五代友厚に重ねた己の人生を全うする。
豪華キャストに日本の歴史を鮮やかに彩る偉人・傑物達を絶妙に配役、かつ“扇の要=五代友厚”に、三浦春馬を据えることで、“予測不能なドラマの連続で今も眩しく輝き続ける”五代友厚の熱過ぎる人生を、近代日本の夜明けと共に、瑞々しく壮大な青春群像劇として描き、満を持して世に贈り出す。
江戸末期、ペリー来航に震撼した日本の片隅で、新しい時代の到来を敏感に察知した若き二人の青年武士が全速力で駆け抜ける ——
五代才助(後の友厚、三浦春馬)と坂本龍馬(三浦翔平)。
二人はなぜか、大勢の侍に命を狙われている。
日本の未来を遠くまで見据える二人の人生が、この瞬間、重なり始める。
攘夷か、開国かー。
五代は激しい内輪揉めには目もくれず、世界に目を向けていた。
そんな折、遊女のはる(森川葵)と出会い「自由な夢を見たい」という想いに駆られ、誰もが夢見ることのできる国をつくるため坂本龍馬、岩崎弥太郎(西川貴教)、伊藤博文(森永悠希)らと志を共にするのであった ——
(公式ホームページより)
というわけで、実在する人物である五代友厚を描いた物語です。
世間では2024年に切り替わる新紙幣の1万円札である渋沢栄一氏にスポットが当たってますが、別の人物を主役に同じ時代が描かれているこの作品もとても興味深いですね。
観た感想
ではなるべくネタバレしないように映画の感想……といっても史実を元に描かれている作品なので、調べればどんな人物だったのかは映画を観なくても分かるんじゃないかと思います。
まぁ何しろ、色んな人が色んな考えや志を持っていて、考えが違う人間は殺してしまっても構わない、みたいな血生臭い時代によくこんな人が生き延びてきたなぁ、と思いました。
先を見通す能力というか、観察眼や分析力が凄まじいですね。
現代では相当重宝される人材だと思いますが、幕末や明治初期の当時ではとんでもない変わり者、という評価になってしまうようです。
俳優陣は皆さん活き活きとしていて、激動の時代に夢と希望を持って生きていた人達の生命力や活力が感じられました。
食事中に会話するシーンが無駄に多くてちょっと聞き取りづらい場面も見受けられましたが、どの役も皆さんはまり役だったと思います。
舞台や映画を観ている時に役者さんそのものの姿を意識する事というのはほとんどないんですが、今回は既に亡くなっている三浦春馬さんが主演という事もあり、役と物語のみに意識を集中するのがちょっと難しかったです。
誰もが夢を持てる国を作るために邁進し、生涯を捧げた五代友厚と三浦春馬さんを重ね合わせて、何とも複雑な気持ちになりました。
今の日本には夢も希望も無いと悲観したのかもしれないですし、多くの若者が命を懸けて作ろうとした日本はこんな国だったのだろうか、と思ったのかもしれないですし、それは死んだ本人にしか分からないですが、とにかく今の日本の姿を今一度考えてみるうえでいいきっかけとなる映画だと思います。
ちなみに私が観た映画館では、エンドロールの後に拍手が湧き上がりました。
舞台のカーテンコールでは当たり前の光景ですが、映画館では非常に珍しいと思いますし、いかにこの映画が観た人に感銘を与えたか、という事が想像してもらえるんじゃないかと思います。
お時間のある方は是非!
以上、映画「天外者」を観た感想でした!
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