彼女にホットドリンクを勧める時に巻き起こってしまう展開とは？

ああ、寒いわね。何がどうなってこんなに寒いのかしら？ひょっとして今回の会話が寒い事になるという未来からのお告げなのかしら。これだけ寒いと次元も歪んで、未来も過去も全部ゴチャゴチャになってしまうかもしれないわね。でも間違いなく寒いのは私のせいではないし、それなら今日はこのまま彼との会話をしないで独り言を繰り返すのが無難なのかもしれないわ。まぁ、もし彼抜きでお告げ通りになったとすると、私が一人で寒くなってしまうじゃないの、失礼な

ちょっと、気安く私に話し掛けないでちょうだい。いつもいつも私が温かくて温厚で温（ぬる）い彼女だと思ったら大間違いよ。冷静な私は時に冷たく冷徹な態度をとってしまう事だってあるのよ。しかも今はとても恐ろしい雰囲気を察知してしまっているわ。二度と私に近寄らないでちょうだい

まぁ、普段はフライドポテトの一本も私に買わないクセに突然温かい飲み物を買ってくるというのはどういう事なのかしら？私の言葉が芯から冷え切っている事を揶揄して、せめて身体だけでも温めろとバカにしているのね、失礼な。そんなものに頼らずに私は会話の世界を生きていくわよ。だからその飲み物はあなたが一人で飲み干してちょうだい。恐らくあなたは一人で飲んでもちょっと足りないくらいじゃないかしら

あらそう。あくまで私に温かい飲み物を飲ませるという選択肢しか持っていないのね、腹立たしい。ホットを飲んでホッとするとか何とか、ついに本当に寒い事を私が言い出すと思っているのかしら。まぁ、しかも本当に言ってしまったじゃないの。どう責任を取ってくれるのかしらね。コンポタをコンポートして梱包したりするわよ

うるさいわね。私の言葉が寒いから二人して温まろうと言いたいんでしょう？失礼な。私は誰よりも熱い情熱を燃やして言葉を紡いでいるのよ。本来ならば常に氷でも頬張っていなければ聞いた人の耳が焼け爛れてしまうはずよ。でもあなたは全くそう思っていなかったのね。背筋が凍る想いだわ。もう二度と私に近寄らないでちょうだい

あらそう。それなら私は冷たい甘酒やコーンポタージュやお汁粉で良いわよ。本当に冷やしたヤツね

違うわよ。本性を表したわね、って言ったの。やはり私が冷たいものを飲んだら今より更に寒くなってしまうと懸念しているじゃないの、失礼な