ミッキー
それで一体どうやってハイジを喜ばせるんだ?
ミニー
さぁ、どうかしらね。あれこれ余計な事なんて考えない方が良いんじゃないかしら。あなたにとって楽しい事がハイジにとっても楽しいとは限らないわよ。あまりハイジのためなどと思い過ぎない方が上手くいくと思うわ
ミッキー
うーん、でも贈り物とかって、独りよがりで選ぶよりも相手の喜びそうなものを買うのが良いって言われてたりするじゃないか
ミニー
ええ、そうね。でも本人から直接依頼されたならまだしも、訊かずに買うなら相手が本当に欲しがっているものかどうかなんて分からないじゃないの。だから贈り物なんてものは喜ばれなかったり使ってくれなかったりしても気にしない方が良いのよ。もらう側も、わざわざ何かをくれたという行為を喜ぶべきで、どんな品物かなんて事はどうでも良いんじゃないかしら
ミッキー
中々そこまで割り切って考えてくれる人もいないような気がするけど……それに結局じゃぁどうするのが良いのか……
ミニー
何をごにょごにょ好きな女性の欲しがっているアクセサリーを何とかリサーチして買いに行ったところ、店員が【残念ながら売り切れですが、こちらのタイプでしたら同様に喜ばれますよ】と勧めてきたので購入してプレゼントしたら、【これ私が一番嫌いなデザインのやつ】と言われて振られてしまって、後日店員に文句を言いに行くと既に違う支店に転勤になってしまっていた男のようにつぶやいているのかしら、気持ち悪いわね。とにかく今日はハイジがあなたの家にやってくるから、あなたなりのクリスマスを演出してちょうだい
ミッキー
う、うん、まぁ既に飾り付けとか、料理やケーキの準備は出来てるんだけどさ。流石にこれは準備しておかないと間に合わないからな。プレゼントも買ってあるし……お前も何か準備してるのか?
ミニー
さぁ、どうかしらね。皆で気を使って気を張って気張ったクリスマスを過ごすのが果たして本当に仲が良い友人と言えるのかしら。のんびり座ってフライドチキンを箸にしてフライドポテトの奪い合いでもしていた方が健全かもしれないわね
ミッキー
その世界観はよく分からないけど……まぁそこまで気張ってるわけじゃないぞ。僕の家でパーティーなんて経験ないし、どの程度準備すれば良いのかよく分からないからな
ミニー
あらそう。神がやっつけ仕事で適当に作ったあなたがいよいよ本領を発揮しているのね。どんな適当なパーティーになるのか楽しみね
ミッキー
こら!適当に生み出された存在なんていくらなんでも酷いぞ!
ミニー
うるさいわね。冗談よ。突然適当に受け流す事を忘れて怒り出すなんて何を考えているのかしら。神の意向に反すると何が起こるか分からないわよ
ミッキー
神と言うかお前の意向になってるカンジだけど……っていうか冗談になってないし……まぁ良いか。さ、ちょうど家に着いたし、遠慮なく上がってくれ
ミニー
あら、お菓子の家にでもしているのかと思ったけれど、何の変哲も面白味も奇抜さも無いただの日本家屋じゃないの。何を考えているのかしら
ミッキー
イルミネーションにしてる家みたいな事をするのはちょっと大変過ぎるぞ!もしするならもっと前から準備しないと……
ミニー
うるさいわね。大きな声を出しても使い過ぎた電気代をカバーしたり出来ないから辞めてちょうだい。あら、何だか見覚えのある靴があるわね。既に先客がいるのかしら
ミッキー
いや、先客も何も今日は3人しか……あれ?ホントだ。この靴って……えーと、えっ?ハイジがいつも履いてる靴じゃないのか!?
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