高いところが苦手になる意外な理由について

引っぱたくわよ

うるさいわね。私のような庶民が高いところなんて行けるわけがないじゃないの。それに高いところなんてフライドポテトも置いていないようなろくでもないレストランばかりに違いないわ。一体それのどこが高級なのかしらね。お金の持ち過ぎで頭がおかしくなっているんじゃないかしら

あらそう。ついにあなたの方が私よりも地位が上になったと言いたいのね。庶民がどれだけ頑張っても庶民のままなのかもしれないけれど、あなたはいつの間にセレブになったのかしら。セレブに取り入って友達になったとしても、育ちの違いというのはそう簡単に隠せないわよ。駄菓子屋を見つけるたびに【子供の頃は毎日食べていたな。懐かしい】などと言ったりしてすぐにバレてしまうんじゃないかしら。セレブだったら駄菓子屋の全商品を毎日買い占めて、【こんなゴミは見た事が無い、早く捨ててしまいなさい】と言ったりするでしょうからね

うるさいわね。そんなの怖がる理由がないじゃないの。何を考えているのかしら

あらそう。何の話をしているのか分からないけれど、高いところに行くのは悪くないと思うわ。そこを目指さないと人生に張り合いがない気がするものね。よく現状維持で良いと言う人がいるけれど、現状を維持出来ているなら他にも新しいものを取り入れる余裕だってきっとあるんじゃないかしら

ええ、そうね。その恐怖症の人がいるなんて勿体無いわね。私の印象では結構年配の人に多いんじゃないかしら。【もう若くないからそんな事は出来ない】などと口癖のように言ったりするものね。別に何歳でも何でも出来るわよ。ただの失敗を恐れる言い訳にしか聞こえないわね。例えば１００歳になったお婆ちゃんが海外旅行に行くために英会話を勉強し始めたらどんどん上達して日本にいる外国人と交流を持つようになって活き活きと過ごし始めたけれど、こうして海外の人と話してしまうともう旅行に行かなくても良いような気がする、などと言い出して、今度は独自の宇宙語を開発し始めて誰もついていけなくなってしまったようなものよ

何をお婆ちゃんが宇宙語しか話さなくなった家族の一人のようにつぶやいているのか分からないけれど、結局今日は一体何の話なのかしら？話題をどこか低いところに置き去りにしてしまって何が何だかさっぱり分からないわ

あらそう。位置が高い話をしたがっていたみたいだけれど、いつの間にかその熱意は他界したのね。多感な時期だから打開せず達観するのは悪くないんじゃないかしら。って、くだらない事を言わせないでちょうだい。高いダジャレの大会なのかと思われてしまうじゃないの

しつこいわね。嫌いではないけれど、苦手というカンジかしら。高いところといえば上がったものね

違うわよ。高いところはあなただものね、って言ったの。って、何を言わせるのかしら

ええ、そうね。見ていられないものね

違うわよ。みっともないもの、って言ったの。全くみっともないわね

あらそう。あなたのみっともないところを言って欲しいのかしら？ずいぶん変態的な趣味をしているわね