ブログネタ:今までで1番痛かった思い出
ミッキー
今までで一番痛かった事ってなんだ?
ハイジ
むっ?何とまたその話をしたいのかも?以前に確か話したはずなんだよ。というわけでぴゅぴゅ……
ミッキー
ちょ、ちょっと待った!いつのどの話のことを言ってるんだ!?せめてそれを言ってくれても良いと思うぞ!
ハイジ
んー?あれは自発の忘却によってもたらされた追憶の彼方と、この混沌の世にその身をやつした薄れ行く肉体との邂逅によってのみ手に入れる事が出来る奇跡の挿話なんだよ。というわけで全然思い出せないからごきげんよう。ぴゅぴゅ……
ミッキー
おい!何を言ってるのか全然分からないぞ!何かを細かく説明しようとしてなかったか?ホントに思い出せないのか!?
ハイジ
むっ、思い出せないと言ったら思い出せないんだよ。既知の欠片を脳髄の覚醒で収集しようとしても、血塗られた過去の記憶がそれを忌避しているのだ。薄暮に消え行く大地の恵みに傾聴し、漆黒の深海に漂う魑魅魍魎に想いを馳せ、我が忘却を奪還する旅の助けとならん事を……
ミッキー
ちょ、ちょっと待ってくれ。何かさっきから物凄く話が分かりにくいぞ。もうちょっと分かりやすく言ってくれ。っていうか、痛かった思い出だぞ?そんな話には聞こえなかったんだけどな
ハイジ
ちっ、だからさっきから話を痛くしてる最中なんだよ。結局この手の小説は悪い敵と戦って勝つだけの内容だから、小難しい言葉で装飾しないと面白くないのかも。そういう意味では、話をどう伝えるのか、というのも立派な作家のテクニックと言えるんだよ。そうなのかも?そうに違いないのかも
ミッキー
おい、僕は話を痛くするなんて言ってないぞ。って、そっか、確か以前もそんな話をしてたな……道理で変な言葉遣いをしてると思った……
ハイジ
痛い遺体が異体と気付いた医師。痛々しい解体業者が板射たとか胃だ胃だとか言いたいみたいだし……
ミッキー
ああ、ごめんごめん、今は別にお互いに独り言を言い合う時間じゃないんだぞ。とにかく今までで一番痛かった思い出を訊かせてくれないかな
ハイジ
むむむ、あれは周知の間隙を縫って閃光となった忘我の闇に蝕まれ、神話の時代まで遡上してついに懐中へと収めた戯画の戯曲かも。つまりそれは……
ミッキー
こら!全然痛い話し方が治ってないじゃないか!そういう意味で言ってるんじゃないぞ!単純に今までで一番痛かった話を……
ハイジ
ポカパカポキカッ!
ミッキー
痛てー!いきなり蹴るな!何なんだ一体!
ハイジ
ドカバカメリキョッ!
ミッキー
こら!今度は殴りかかってくるな!避けなかったら危なかったぞ!
ハイジ
むむむ、むむむのむ
ミッキー
おい、何がしたいのか分からないぞ。ホントにアクション小説の決闘シーンみたいになってるじゃないか。どうしてこういう展開になるんだ?
ハイジ
んー?今までで一番痛かった記憶が無いみたいだから、いっそ今日それを更新してあげようとしているんだよ。ついでに私の思い出にも残って一石二鳥かも。そうなのかも?そうに違いないのかも
ミッキー
僕はお前の痛かった思い出を訊いてるんだ!
ハイジ
んー?だから何を言ってるのか分かってるクセに友達を痛めつけるという痛々しい行動を涙を呑んで実行しているところなんだよ。いざ神妙に覚悟かも
ミッキー
自分で分かってるならやらないでくれ!
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