ブログネタ:毎日新鮮?毎日同じ?
ミッキー
毎日新鮮な想いで生活出来たら良いな
ミニー
あらそう。良かったわね
ミッキー
いや、それが出来たら良かった、になるけど、話してるだけじゃ良かったとは言い切れないぞ
ミニー
あらそう。良かったわね
ミッキー
いや、今のも良いかどうか分からないけど……
ミニー
あらそう。良かったわね
ミッキー
おい、何だか返事が適当な気がするぞ
ミニー
あらそう。良かったわね
ミッキー
こら!全然良くないぞ!ちゃんと会話して欲しいぞ!
ミニー
うるさいわね。ほとんど他の誰も経験しないような新鮮な会話が出来て良かったじゃないの。適当に答えた甲斐があったんじゃないかしら
ミッキー
おい、やっぱり適当に話してたんじゃないか。それじゃ例え新鮮でも嬉しくないぞ
ミニー
あらそう。結局は何か不測な事態が起こる事に対して【新鮮】と言っているわけではなくて、自分にとって都合の良い驚きを【新鮮】と言いたいだけなんでしょうね。本当に新鮮な体験がしたいなら、まだ一度も体験した事の無い【死】だって立派な新鮮さよ
ミッキー
うっ、まぁ確かにそうだけど……でもやっぱり一生解決出来ないような悲惨な事はなるべく起こらないで欲しいしな……
ミニー
何をごにょごにょスーパーで新鮮な魚と書かれていた魚を買って帰ってきたものの、いざ食べてみたらどうも新鮮さを感じない食感だったので翌日訊いてみると、【あの魚が昨日僕の見た最初の魚だったので新鮮な想いがしました】などと説明されてしまった男のようにつぶやいているのかしら、気持ち悪いわね。とにかく新鮮な体験がしたいなら転校するなり退学するなりすれば良いんじゃないかしら。あまり私に近寄らないでちょうだい
ミッキー
ちょ、ちょっと待った!お前がいない生活なんてありえないぞ!そんなの新鮮でも何でもないぞ!
ミニー
……うるさいわね。そんな言葉を新鮮な想いで受け止めると思ったら大間違いよ。それどころか何だか落ち着いて熟成されてしまうんじゃないかしら。いかがわしいわね
ミッキー
いや、何だかよくわからないけど、とにかく毎日新鮮な事が起こったりしたら楽しいだろうな
ミニー
あらそう。中には一定のサイクルで何も波乱なんて起こらずにいて欲しいと思っている人もいるわよ。そして意外とそう思っている人の方が小さな変化にも敏感に気付けるんじゃないかしら。例えば行きつけの定食屋が毎回付け合せに大嫌いなナスの漬物を出してくるので、【これはいらないから、その分他のものを増やしたり値段を安くしてくれると嬉しい】と告げると、店側が何とかしてナス嫌いを克服してもらおうとして毎回勝手にナスがメインの料理しか提供しなくなってしまったようなものよ
ミッキー
例えと言いたい事が全然噛み合ってない気がするんだけど……と、とにかくじゃぁお前はどっちが良いんだ?毎日新鮮な事が起こるのと、いつも同じように過ごすのと、どっちが好みなんだ?
ミニー
さぁ、どうかしらね。こうして毎日会話しているけれど、一応内容は全て違うし、そういう意味では新鮮なんじゃないかしら。というよりどれだけ必死に抵抗しても世の中はどんどん変わっていくから、それに抗おうとしてもいつか限界が来るでしょうね。柔軟に変わっていくと考えておく方が無難じゃないかしら
ミッキー
なるほど。高校を卒業したりすれば人間関係とかも変わりそうだしな。というよりクラス替えとか席替えだけでも変わっちゃいそうな気がする。その都度受け入れる方が器用に生きられるのかな
ミニー
ええ、そうね。だからあまり私に近寄らないでちょうだい。待っても変わらないから新鮮なものに変えていくのよ
ミッキー
こら!僕と別れるのも新鮮、って事にされたらたまらないぞ!僕は何がどう変わっても絶対に離れないぞ!
ミニー
違うわよ。全く変わらないから新鮮なものと考えられるわよ、って言ったの。実は全く変わらないものこそ新鮮……って、何を言わせるのかしら、みっともない
ミッキー
ううっ、そっか。何があってもずっと一緒にいる方が世間的には新鮮な二人って事か……そんな風に想ってくれてるなんて感激だ
ミニー
……何だかあまり新鮮ではないリアクションという気がするわね。やはりあまり近寄らないでちょうだい
ミッキー
全く素直じゃない!
公認会話士が出版した小説一覧はこちら