ブログネタ：家に常備してある薬
ミッキー
人それぞれ常備薬ってのは違うんだろうな
ミニー
あら、何かしら、突然、気持ち悪いわね。頭の良くなる薬も個性を持てる薬も販売されていないわよ。残念だったわね
ミッキー
いきなり何て事を言うんだ！そんなの必要無いぞ！
ミニー
あらそう。という事は頭の良いあなたは世の中のどんな問題でも解けてしまうとでも言いたいのかしら？それなら昨日の夜に私が何をしていたか答えてちょうだい
ミッキー
いや、それは頭が良いとかいうのとは別次元のクイズだと思うぞ
ミニー
あら、そうかしら。あなたの事を考えていたに決まっているじゃないの。少し考えれば分かるはずよ
ミッキー
うっ、なるほど……でも例え分かったとしてもそんな事を僕が自ら言うのって恥ずかしい気が……
ミニー
何をごにょごにょ街を歩いていたら突然先程食べた食事にあたって吐き気をもよおしてしまったものの、どこを見渡してもトイレが見当たらずに仕方なくドラッグストアに飛び込んで【今すぐ吐き気に効く薬を売ってくれ】と必死に懇願したところ、冷静な店員にビニール袋を渡されてそこに吐くように促されて、大勢の他の客の注目を浴びる中で吐き気が引かずに血の気が引いてしまった男のようにつぶやいているのかしら、気持ち悪いわね。とにかくあなたが自ら恥ずかしくなる必要は無いわよ。私があなたをどうやって恥ずかしい目に遭わせようか考えていただけだもの
ミッキー
こら！一体何て事を考えてるんだ！考える内容が悪質過ぎるぞ！
ミニー
うるさいわね。冗談に決まってるじゃないの。それくらいの事も分からないのかしら。全く察しも頭も悪いわね。よく恥ずかしくなく生きていられるわね
ミッキー
うううっ、ごめん、つい……いきなり言われても冗談かどうか判断がつかないからな……
ミニー
あらそう。もっと色々と考えていたのにずいぶん簡単に恥ずかしい行動を反省してしまったわね。次は私があまり楽しめなかった事に対して反省すべきじゃないかしら
ミッキー
おい、もしかして全部お前の計画通り話が進められてたんじゃないだろうな
ミニー
ちょっと、ついさっき反省したのをもう忘れてしまったのかしら？全て冗談に決まってるじゃないの
ミッキー
うっ、その冗談ってのが本気にしか聞こえないから困るんだよな……冗談か本気か分かる薬があったら良いのにな
ミニー
まぁ、という事は私が冗談を言っていると思っているのね、失礼な。こんなに言葉を信用されていない状態では付き合っていくのなんて不可能だと思うわ。二度と私に近寄らないでちょうだい
ミッキー
ちょ、ちょっと待った！お前だって自分で冗談って言ってたじゃないか！それで怒るのは話が合わないぞ！
ミニー
うるさいわね。私は本気で冗談を言っているのよ。だからそんな薬を使っても私は常に本気の言葉しか言っていないでしょうね
ミッキー
またスゴイ屁理屈を……と、とにかく昨日はちょっと頭が痛くて薬を飲もうと思ったんだけど、たまたま頭痛薬を使い切っちゃってたんだ。だからそれくらいの薬は家に常備しておきたいなって思ってさ。お前の家にも色々と常備薬ってあるんじゃないか？
ミニー
さぁ、どうかしらね。気分が悪くなったり調子が悪くなったりする前に薬の事を考える、というカンジかもしれないわ。少なくとも私が常備している薬は家に無いわよ。昨日も無かったもの
ミッキー
えっ？お前も昨日体調が悪かったのか？薬の事を考えただけじゃ効果なんて無いし、やっぱりある程度は備えておいた方が……
ミニー
違うわよ。昨日もいなかったもの、って言ったの。薬のような人が近くにいないと気分が悪くなったり調子が悪くなったりするのよ。だからその時に薬の事を考えて気を紛らわすのよ、さっき言ったじゃないの
ミッキー
そ、そういう意味だったのか……じゃぁその薬ってもしかして僕の事か……そんなに想ってくれてるなんて……でもよく恥ずかしがらずにこんな嬉しい事を正直に話してくれたな
ミニー
だからあなたを恥ずかしい女に会わせるって言ったじゃないの。もう忘れてしまったのかしら
ミッキー
【女（おんな）】って書いて【女（め）】って読むのは流石に予想出来ないぞ
公認会話士が出版した小説一覧はこちら
スポンサーリンク