ブログネタ:ハッピーな夢とダークな夢、どっちを見ることが多い?
ミッキー
夢にも色んな種類があるな
ミニー
あらそう。枕の上で横になっちゃってサ
ミッキー
……ど、どうしたんだ、普段と口調が全然違うじゃないか……
ミニー
あら、そうだったかしら?口調なんて特に何も意識した覚えは無いけれど
ミッキー
そ、そうか。確かに今は普通だったな。さっきのは何だったんだろう
ミニー
私に訊かれてもさっぱり分からないけれど、夢でも見ていたんじゃないかしら。柔らかい綿が詰まった枕の上で横になったりしてサ
ミッキー
うっ、また……ど、どうなってるんだ一体……ホントに夢でも見てるのかな……
ミニー
何をごにょごにょ普段全く接点なんて無いのに何故か夢の中ではいつも親友として登場するクラスメイトに話し掛けてみたいけれど、話し掛けた理由を訊かれたらどう説明しても気持ち悪がられるのが目に見えているから中々近付けずにいたら、ついに夢の中では杯を交わした義兄弟になってしまった男のようにつぶやいているのかしら、気持ち悪いわね。とにかく私は何も口調なんて変えていないと言っているじゃないの。何を慌てふためいておののいているのかしら
ミッキー
う、うん。何か気になる表現があったもんだから……よし、細かい事は気にせず会話した方が良いな。僕は夢には色んな種類があるな、って話をしようと思ったんだ
ミニー
あらそう。夢なんてそんなにいくつも種類があるのかしらね。夢と言われて真っ先に思い付くのなんて一つしかないけれど。綿の上で目を横にしてサ
ミッキー
それだよそれ!何なんだその妙な口調は!
ミニー
うるさいわね。何を興奮しているのかしら。大きな声を出せば夢が驚いていなくなって目が覚めると思ったら大間違いよ。突然大声を出したら夢よりも現実の世界の方があなたに対して優しくなくなるんじゃないかしら
ミッキー
いや、別にそういうつもりは……うーん、どんな台詞の時に変な口調になってたっけ……さっきは気にしないようにと思ったけど、ここまで頻繁に出てくるなら解決してからの方が話が早そうだ。確か綿がどうこう……
ミニー
しつこいわね。何をさっきから言っているのかしら。夢の話をしたいんでしょう?だから綿の上で目を横にしてサ、と言っているじゃないの
ミッキー
うっ、やっぱりわざとそうやって言ってたのか。っていうかそれは一体どういう意味なんだ?枕の上で横になるのは当たり前じゃないか
ミニー
ええ、そうね。だからワタの上で目を横にしてサ、というのが【夢】という漢字の成り立ちになっているじゃないの。何度言えば分かるのかしら。悪夢のように察しが悪いわね
ミッキー
突然漢字を分解されたって気付くわけないだろ!何の事かと思ったじゃないか
ミニー
あらそう。悪夢でも観ている気持ちになってしまったのかしら?良かったわね
ミッキー
いや、全然良くないぞ。どうしてそう思うんだ?
ミニー
あら、以前にも話した事があるけれど、悪夢を観るなんて最高じゃないの。現実がいかに素晴らしい世界なのか気付く事が出来るものね。一方で幸せな夢を観てしまうと、現実がいかに厳しい世界なのか気付いてしまうわ。だから夢の中では不幸になればなるほど良いのよ。所詮夢の中の出来事じゃないの。徐々に夢が現実を浸食して入れ替わる、というノーベル文学賞を逃し続けて不気味なファンが発狂寸前の作家の小説みたいな展開にはならないから安心して悪夢を観れば良いと思うわ
ミッキー
な、なるほど。でもせっかくだからグッスリ心地よく眠りたい、という気持ちもあるぞ。しかも今の説明ではあくまで架空の夢の中の出来事だから【悪夢で良かったわね】で済むけど、今日僕が夢って漢字を分解したまま話をされたのは思いっ切り現実じゃないか
ミニー
うるさいわね。長々とつまらない正論を並べたりして、私にも悪夢を体験させようとしているのかしら、失礼な。二度と近寄らないでちょうだい
ミッキー
ちょ、ちょっと待った!別にそういうつもりじゃないぞ!夢の話をしようと思っただけじゃないか!
ミニー
しつこいわね。私は夢なんて一つしか知らないからこれ以上話しようが無いわ。今話した通りよ
ミッキー
さっきの【ワタの上に目とサ】ってヤツか……
ミニー
違うわよ。今の私がそうよ、って言ったの。あなたと過ごす時間はまさに夢のような時間で……って、何を言わせるのかしら、みっともない
ミッキー
ううっ、そんな風に思ってくれてるなんて……僕にとっても夢みたいだ
ミニー
あらそう。今の状態は現実とは違うのね、失礼な。どんな悪夢のような目に遭わせてやろうかしら
ミッキー
どうして僕が言うと架空の話になるんだ!全く素直じゃない!
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