最も利用者数の多い旅行の移動手段は飛行機でも新幹線でも長距離バスでもない？

あらそう。飛行機も新幹線も行かないような町は、財政難で大きな町に統合されてしまえと言いたいのね。でも町の名前が全国区の有名な町に変わっただけで、その場所に飛行機や新幹線が行かない事には変わりはないわよ。逆に駅や空港の近くを散策しただけなのにその地域も旅行したような気分になってしまって、以前よりも観光客は減ってしまうんじゃないかしら。それで結局あなたは日本中の小さな観光地の恨みをどう受け止めるつもりなのかしら？

あらそう。という事は飛行機や新幹線を使えないような貧乏人は旅行をするなと言いたいのね。工夫と想像力で何とでもなるはずよ。例えば風船をたくさんくくりつけて旅行をしようと思い立ったものの、多くの風船を膨らませるのがとても大変で何日も掛かってしまうのよ。しかもたくさん膨らませたところで、専用のガスで膨らませないと浮かない事に気付いて、ショックで寝込んでしまうわ。その結果、結局海外旅行に行くのと同じくらいの入院費を支払うハメになってしまったようなものよ

しつこいわね。そんなの脳に決まってるじゃないの。誰だって旅行プランをまず練って、旅行中もどこで何をしようか常に考えているわ。まず脳が移動して、そこに身体を当てはめていくだけの流れ作業が旅行の本質よ

あら、そうかしら。よく知らない土地で全く予期しない事態に遭遇して心から楽しめるような人なんてほとんどいないんじゃないかしら。例えば新幹線が５時間も止まってしまったり、飛行機が着陸寸前で元の飛行場へ折り返してしまったり、バスジャックされたり、そうなったら誰だって文句を言うはずよ

ええ、そうね。でも【旅は家から出て何かをする】程度の認識にしておけばそんな状況でも楽しめるんじゃないかしら。人生だって旅だって、必ず行きたい場所へ行けると思ったら大間違いよ

あらそう。でも確実に期待から絶望へと旅しているわよ。生から死へと旅してしまう恐れもあるわね。そう考えれば日常にだって旅は溢れていると思うわ

しつこいわね。脳だと言っているじゃないの

あら、予期しないケースの場合はまず感情が動いているかもしれないわね

あら、そんなケースは無いわ。無いわね。頭に関する事だけだと思うわ

違うわよ。そんなケースは恋や愛だけね。あなたに関する事だけ、って言ったの。って、何を言わせるのかしら、みっともないわね。いつもいつも人の感情ばかり動かしていないでちゃんと脳を動かしてちょうだい

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あら、何の事かしら

あら、脳内旅行中に秘書が勝手に言った事については私は無関係よ