【クリスマス特別会話ブログ】黒い生誕祭　その３

あら、何かしら、突然、気味が悪いわね。歩いていて突然何かが突撃してくるなんて、どのように対処したら良いのかしら。少なくとも勢いあまって殺してしまっても文句は言われないでしょうね

あら、ハイジだったのね。突然抱きついてきて気絶するなんて失礼な。どうせ【近くに寄っただけでも元気を全て吸い取られそうな暗黒のオーラが満ち満ちている、本当にそうなるかどうか勇気を出して触れてみた人間を無闇に傷付けるなんて、文字通り人間らしさが無の闇の存在としか言いようが無い。この何故か黒い毛しか生えなかったおかげで熊と間違われて猟銃で撃ち殺されてしまったパンダの怨念のような女め】と言いたいんでしょう？黒いだけで怖がられたり不吉だと思われたり、皆のために犠牲になって一身に邪悪を集める黒の気持ちを考えた事があるのかしら。って、聞こえていないみたいだからこの場に放置しておいても良いのかしら

あらそう。何だか分からないけれど、私達のよく知っている人がクリスマスをお祝いしようとか何とか言っていたわよ。だから私達は黙って何もせずに待っていれば、良かれと思って準備した全てが空回りするパーティーが勝手に開催されるんじゃないかしら。それが彼の唯一の得意技と言えるかもしれないものね

まぁ、もしかして彼の空回りには私も含まれているんじゃないでしょうね、失礼な。私はいつも空回りを見ているだけよ

違うわよ。私はいつも彼ばかりを見ているだけ……って、何を言わせるのかしら、みっともない

……全く聞いていなかったみたいね。聞かれるとみっともないからその方が都合が良いけれど、結局今日は何の話なのかしら？話題がコマのようにグルグル回転してしまって何という文字が書いてあるのかさっぱり分からないわ

……あらそう。確かにみっともないわね。でも先程のあなたは聞こえていなかったはずよ。だから今は会話中に突然未来人が登場してきたのと同じくらい辻褄の合わないおかしな事態が発生してしまっているのよ。あなたを未来へ返すか、あなたの未来を消滅させるかのどちらかしか解決策は無いんじゃないかしら。そこから動かないでちょうだい

あら、私を誘い出すというのは一体どういう事かしら。まさか彼の存在をにおわせれば私が必ず誘い出されるとでも思っているんじゃないでしょうね。どうして私が甘い彼を求めてどこへでも飛んでいくミツバチのような存在だと思われているのかしら、失礼な。私は毒針で刺してしまうような存在だと思うわ

サプライズパーティーというのは、私ではなくて彼を驚かせるつもりだったのね。何もしなくても普段から驚いているような人だと思うけれど、何をするつもりなのかしら