アニメをハリウッドでリメイクすると何もかもホラー作品になってしまう可能性について

あらそう。英語だったり実写だったり２時間にまとめられていたり、もう全く元の面影なんて残っていないでしょうね。例えば日本で大人気の歌手が全米に進出するとか騒ぎ出して、向こうで有名な音楽プロデューサーなども招いた結果、大失敗するのよ。でもそれはあくまで日本のような売り上げを期待したからそう感じるだけで、新人としては異例のヒットだと紹介されるわ。異例の新人というところが受けているアメリカでは日本で大人気という事を隠さなければならなくなって、日本ではキャリアに傷がつくとして全米デビューの事は上手に話題にならなくなっていくのよ。ついに彼女は世界で一番大きな音楽賞の新人賞をアメリカで発売したアルバムで受賞して、同時に最優秀賞を日本で発売したアルバムで受賞してしまうわ。結局何が何だか分からなくなって、同一人物だと気付かなかった音楽賞も権威を汚されたと怒ってしまって、それぞれ幻想を抱いていた両国のファンも離れてしまって、最後に音楽界から追放されて姿を消してしまったようなものよ

そうね。どれもこれもダメじゃないかしら

さぁ、どうかしらね。アニメやゲームを元にした実写のアクションが原作よりも凄かった話なんて聞いた事が無いわ。もちろん人それぞれの価値観によって高評価になる作品もあるでしょうけれど、概ね不評で失敗作のレッテルを貼られてしまっているじゃないの。例えば言葉遣いが独特で大人気の小説がドラマになるのよ。もちろん原作の良い部分をそのまま使って、台本は独特で奇妙な言い回しばかりになるわ。ところが実写になった途端に、こんな事を言うヤツは現実ではありえない、リアリティが無い。とか言われて評価がガタ落ちになってしまうのよ。それ以降その作家は萎縮してしまって、なるべく現実にいそうな人を描くようになるわ。ところがその絶妙な現実感が今度はとても評価されて、作家も出版社も必死に過去の作品を無かった事にするのよ。夢のような世界を描くと、最終的には夢のように消えてしまうものなのかもしれないわね

さぁ、どうかしらね。突然理由も無く川に浮いていた桃から人が生まれるシーンを見せられてもアメリカでは理解されないんじゃないかしら。何しろ日本人でさえ何を言っているのか理解に苦しむ世界観だものね。いっそ内容を少し変えてホラー映画にすれば良いんじゃないかしら。実写で桃から人が生まれるところを表現したらどっちみちホラーになってしまうはずだもの

そうね。だからその設定も変えたら良いんじゃないかしら。実は悪魔の申し子で、人々を怖がらせるために魔界からやってきたのよ

小さい桃を食べると演説したくなるのよ

Ｓサイズのpeachだからスピーチ……って、綴りが違うじゃないの。まさか私にこんなくだらない事を言わせるなんて恐ろしいわね。何を考えているのかしら

うるさいわね。人の揚げ足ばかり取って失礼な。流血するまで引っぱたくから早くこっちに来てちょうだい。ホラーの要素を出す必要があるのよ