ミッキー
そろそろ七夕だな
ミニー
ええ、そうね。それがどうかしたのかしら
ミッキー
いや、何か願い事とかはしないのか？
ミニー
あら、何か願い事をしないといけない決まりでもあったのかしら？あまり馴染みが無いわね
ミッキー
そ、そうか？普通に学校行事として短冊を作ったりした記憶があるんだけどな……そういうのはやらない学校だったのか
ミニー
さぁ、どうかしらね。この時期になるとたわ言とかうわ言のような妄言を紙に書いて周囲に公表している人達がいたけれど、私はそういういかがわしい事には参加しなかったわね
ミッキー
じゃぁやっぱり学校行事で七夕をしてたんじゃないか……短冊を渡されたのに何も書かなかったのか？願い事を書くんだぞ
ミニー
あらそう。あれは願い事を書いていたのね。だったら私はそれが全て叶わないように願っていたんじゃないかしら。自分の力で叶えないと意味が無いものね
ミッキー
それじゃお前の願い事も叶っちゃったら意味が無いじゃないか。全く……と、とにかく、今年は七夕をやってみないか？
ミニー
しつこいわね。世の中から七夕が無くなるように願えば良いのかしら？空の星も【そろそろ放っておいてくれ】と思っているでしょうからね。普段は興味が無いクセに年に一度突然ジロジロ見たりして、まるで犯罪者にでもなってしまったような気持ちなんじゃないかしら
ミッキー
うーん、一応恋人と会ってるって話になってるわけだし、皆が見てる事なんて気にしてないかもしれないぞ？
ミニー
あら、そうかしら。衆人監視の状態で年に一度しか会えない上に、その間ずっと願い事を聞かされ続けるなんて頭がおかしくなってしまうんじゃないかしら。織姫と彦星にどの程度の力があるのか知らないけれど、もし私が人々の願いを左右するような力を持っていたとしたら、そんな風に一斉に集団の力を借りて行動を起こすような人間の願いが全て逆の結果になるように力を使うと思うわ
ミッキー
織姫と彦星がそんな事を言い出したら七夕が全く成立しなくなっちゃうぞ！最悪じゃないか！
ミニー
うるさいわね。だったらあえて逆の願い事を書けば良いじゃないの。力を持った存在というのは意外と自身の力を驕って過信して、深く物事を考える頭の回転が鈍っていたりするから、手玉に取るのなんてたやすい事だもの
ミッキー
全く……そんな事を言ってるのを知られたら天罰が下りそうだぞ……
ミニー
あらそう。人間の思い込みや責任転嫁とは違う、本物の天罰を体験出来るのね。一体何をされるのかしら
ミッキー
……何故かワクワクしてるように見えるな……と、とにかく、軽い気持ちで良いから何か願い事を書いてみないか？
ミニー
しつこいわね。そもそもあなたは何を書くのかしら？どうせ【人差し指と中指の長さがあまり変わらないのをどうにかして欲しい】とか【くしゃみをした後、ホコリが散ったように変な影が見える現象の名前が知りたい】とか【人気漫画も不人気漫画もひっくるめて一冊の雑誌に載っているが、執筆料の内訳がどうなっているのか知りたい】とか、そういう事を願うんでしょう？
ミッキー
どんな願いなんだそれは。僕が願うのはやっぱりお前とずっと一緒にいたいとか、いつまでも仲良く過ごしたいとか、というよりはやっぱりお前が楽しく幸せに過ごせるように、ってカンジだな
ミニー
あらそう。だったら私はしっかりその逆を願ってしまうんじゃないかしら。残念だったわね
ミッキー
こら！お前が不幸になるのなんて耐えられないぞ！どうしてそんな事を願ったりするんだ！？
ミニー
うるさいわね。あなたの願い事の文章の私とあなたの部分を逆にするだけじゃないの。何を興奮しているのかしら
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