一人旅に出掛けよう！旅行は本来一人で行くべきである理由とは

今日も私の食事はフライドポテトという事になるとは思うけれど、私の糧となる過程にある価値のある勝ち組のジャガイモは一体どこからやってくるのかしら。北海道かしら。何とアメリカかしら。語源であるジャカルタかしら。どこから集まっても私の胃の中に落ち着くというのはスゴイ事じゃないかしらね。という事は私の胃は国際空港で、私の口は管制塔という事になるわね

黒い服を着ると不吉に見えるのかもしれないけれど、黒い服を見て不吉だと思う精神状態にある事が最も不吉なんだと思うわ。今自分が幸せだと思っている人は、きっと黒い服を見たって笑い出すくらい幸せなはずだもの。という事は黒い色を見た瞬間に鏡に自分が写っているのかと勘違いしてしまったのかもしれないわね

髪を伸ばすとか爪を伸ばすとか、勝手に伸びてくるものに対して伸ばすという言い方は果たしてどうなのかしらね。それは伸ばしているわけではなくて、切らないようにしているだけなんじゃないかしら。だから爪の長い人に対して【ずいぶん爪が伸びてますね】というのではなくて【ずいぶん爪を切ってないですね】というのが正しいはずよ。と思ったら【爪が長いですね】と言ってしまえば済む問題だと気付いた私がこんなに一つの文章を伸ばしに伸ばしてしまった責任は誰が取ってくれるのかしら、腹立たしいわね

……うるさいわね。どうして何やら記憶にあるような怒鳴り声が聞こえるのかしら。全く鳴っていない着信音が聞こえたり、全く振動していない携帯がポケットで振動しているように感じる携帯依存症の人みたいに私が何かを聞こうとしている、とでも言わせたいのかしら。まぁ、これでは私が誰かに依存して生きているみたいじゃないの

……ずいぶんしつこい空耳ね。でも聞いているのは空の耳ではなくて私の耳だから、空耳ではなくて空音と表現するのが正しいかもしれないわね。となると今日の空はずいぶんとうるさいんじゃないかしら。しかも妙に聞き覚えのある声の真似をしたりして侮れないわね

まぁ、突然手を握ったりして何を考えているのかしら。あなたが一人旅について訊いてきたら私は一人で色々な概念や文章や言葉の中を旅しているんじゃないの。邪魔しないでちょうだい

うるさいわね。旅行というのは旅先を満喫したり心身を休めたり、自分の目的を果たすためにするものでしょうから、本来は一人でするものだと思うわ。旅行を満喫したい、楽しみたい、という欲求が強いから、人間は旅先で我がままになる特徴があるらしいものね。だから数人で行くとお互いに気を遣って誰も楽しめなかったり、逆に皆の我がままが衝突して大喧嘩になったりするのよ。だから私もまずこうして一人で何かをする気分を味わってみたんじゃないの。どうやら私は一生このまま人には慣れそうもないわね

違うわよ。一生このまま一人にはなれそうもない、って言ったの。今より楽しい事なんて存在しな……って、何を言わせるのかしら、みっともない

あら、どっちみちずっとあなたが手を握っているから一人になれないかと思ったけれど、ずいぶん簡単に手を離したわね。私に一人でどこかへ行って欲しいのかしら。二度と近寄らないでちょうだい