ブログネタ：趣味の友達いる？ 参加中
「趣味の合う友達がいると楽しいんだろうな」
「あら、どういう事かしら？」
「いや、話も盛り上がるだろうし、お互いに情報交換とかをして、もっと好きな事に詳しくなれそうじゃないか」
「あらそう。それは物騒ね。どういう目的なのかしら」
「いや、今言ったような目的……って、どうして物騒なんだ？」
「あら、私と同じ趣味を持った人が情報交換なんて始めたらとんでもない事になってしまうわよ。夜中に安心して眠っていられないような国になるんじゃないかしら」
「こら！一体何をするつもりなんだ！？変な趣味があるんじゃないだろうな！？」
「うるさいわね。人々を夜中に安心して眠れなくするのが趣味かもしれないじゃないの。何を興奮しているのかしら」
「いや、その内容を訊いてるんだぞ。一体どんな趣味なんだ？」
「しつこいわね。人々の不安を煽るのが趣味なんじゃないかしら。いつどこで何が起こっても不思議ではない世の中だものね」
「うーん、いまいち何をするのか分からないけど……本やアニメや映画を観たり、スポーツやゲームをするような趣味とは違うのか？他には何か一つの事を調べたり集めたり……」
「あら、だったら人々の不安な表情や悩みや恨みのエピソードを集めるのが趣味じゃないかしら。人の数だけ悩みがあるでしょうからね」
「一体何を集めてるんだ……趣味って楽しむのが目的だと思うけど、それでどうやって楽しむんだ？」
「あら、人と人がいがみ合ったり罵り合ったり恨み合ったり傷付け合ったり、そんな楽しい事なんて他には中々ないじゃないの。本や映画のようなフィクションでは永遠に表現しきれない部分かもしれないわね」
「こら！それのどこが楽しいんだ！悪趣味過ぎるぞ！」
「うるさいわね。人間の本性を見るには感情を逆撫でするのが一番なのよ。猫の毛だってそのまま撫でてもノミは見付からないじゃないの。普段の穏やかな生活 に紛れて誰もがとんでもない本性を隠し持って生きているのよ。自分の部屋に帰った途端に誰にも聞こえない声で【殺してやる】とか【一生許さない】などと口 走ってしまった経験の一つや二つ、誰の記憶の中にも隠れているんじゃないかしら？」
「まぁ言いたい事は分かるけど、だからそれの何が楽しいのかが全く伝わってこないぞ。不幸な他人より自分の方が幸せ、と思いたいのか？」
「あら、そういう事を思う人もたくさんいるでしょうね。口では気の毒だと言いつつ、心の中では自分の幸せにほくそ笑んでいる人を見るのは楽しいんじゃないかしら」
「……要するに他人の本性を見るのが楽しいって事みたいだな……」
「ええ、そうね。あまりに敵がいると動向を見張る必要があるのよ」
「おい、それじゃ恨みやいがみ合いの対象がお前になっちゃってるじゃないか。楽しんでないで何とかした方が良いぞ」
「違うわよ。あなたに敵がいるかどうか見張る必要が……って、何を言わせるのかしら、みっともないわね」
「ううっ、なんと、僕に何か嫌な事が起こらないように陰ながら気をつけてくれてたのか……？そんなに想われてるなんて僕は幸せ者だな」
「あらそう。あなたみたいに幸せボケをしている人が本気で罵り合ったりするのも意外と見応えがあるでしょうからね」
「それじゃ結局モメさせて楽しむ意味になっちゃうじゃないか！全く素直じゃない！」
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