ブログネタ:結婚式は和風がいい?洋風がいい?
ミッキー
今度親戚の結婚式に行く事になったんだ
ミニー
あらそう。残念だったわね
ミッキー
え?何で?めでたいじゃないか
ミニー
あら、そうかしら。まだ私の家には案内の葉書などは届いていないけれど、そのうち届くのかしら
ミッキー
いや、分からないけど……もしかして僕の親戚と結婚する人はお前の親戚なのか?いや、でもまだどの親戚が結婚するのか言ってないしな
ミニー
あら、私の親戚が結婚する予定なんて私は一つも聞いていないわよ。こんなに残念な事があるかしら
ミッキー
ああ、なるほど。お互いの親戚だったらもっとめでたかったのに、って意味で残念って言ってたのか。でもそこまでいったら奇跡的な確率だと思うぞ
ミニー
引っぱたくわよ
ミッキー
何でだよ!何も間違った事は言ってないはずだぞ!
ミニー
うるさいわね。あなたは結婚式に参列して賛美歌や三々九度といった、宗教的観点においての惨劇を目撃したり、惨憺たる友人代表のネタや三回も繰り返し繰り返し行われる、出てくるたびに豪華感が薄れる散々なお色直しを経験するつもりなんでしょう?その間私は一体何をすれば良いのかしら。例え人気のある芸能人だったとしても結婚式の立ち見なんて聞いた事が無いわよ。それとも私は蝶ネクタイでも締めて、あなたのウーロン茶が減るたびにコップに注いだりしなければならないのかしら、失礼な。どんな豪華なキュイジーヌが提供されるのか分からないけれど、私がただの給仕係になってしまうじゃないの
ミッキー
ちょ、ちょっと待った。まさか結婚式に呼ばれてない事を怒ってるのか?でもお前とは関係の無い人だしな……まぁめでたい席の話だから、事前に言っておけば僕の招待という事で参加出来ない事も無いだろうけど……
ミニー
あら、今更別に参加しなくても良いわよ。式場は結構広いでしょうし、色んな場所にスペースがありそうだもの
ミッキー
何となく結婚式に潜伏しようとしてるカンジに聞こえるんだけど……と、とにかく親戚の僕は披露宴だけで2次会に参加するわけじゃないし、その日は会えないってわけじゃないぞ
ミニー
ええ、そうでしょうね。あなたは会っていないような感覚になるかもしれないけれど。どんな結婚式なのか楽しみね。ナイフを避ける技を練習しなければならないかしら
ミッキー
完全に潜伏するつもりじゃないか!しかもウェディングケーキの中に隠れるつもりなのか!?
ミニー
うるさいわね。冗談に決まってるじゃないの。卒業と同時に教え子だった新郎に酷い振られ方をした高校時代の担任の女教師じゃあるまいし、そんなみっともないマネなんてしないわよ
ミッキー
……普通教師はそんな事はしないんじゃないのか……どんな価値観なんだ、全く
ミニー
あら、禁断の愛を貫いて、ようやく人目をはばからずに付き合えると思った矢先に振られてしまうのよ。手塩にかけて愛を育んできた3年間どころか、女として生きてきた年数全てを返して欲しい気持ちでしょうね。真面目に生きてきた人間ほど融通が利かなくて周囲が見えなくて、一線を超える決断をしたら恐ろしい行動に出てしまうものよ
ミッキー
まぁそうかもしれないけど、お前は僕の担任じゃないし……と、とにかく僕が話したいのはそういう事じゃなくて、今度の結婚式は完全に和装らしいんだよ
ミニー
あらそう。ずいぶんと髪の長い新婦なのね。今時自分で日本髪を結えるなんて珍しいんじゃないかしら。夫になる人に髪が巻き付いて離れなくなったのが二人のなれ初めかしら?
ミッキー
人をそんな妖怪みたいに……流石にあの頭は自分で結わないでカツラじゃないかと思うぞ
ミニー
あらそう。ただすっぽり被るカツラというのも味気ないわね。着物の中に隠れて、二人羽織のような状態にすればあるいは……
ミッキー
ちゃんと招待してもらうようにするって!どうしてそんな脇道から侵入するような選択肢になるんだ!
ミニー
うるさいわね。あなたと正式に参加する初の結婚式は他人のではなくて自分の……って、何を言わせるのかしら、みっともない
ミッキー
うっ、そ、そんな理由があったのか……それじゃ招待客としては参加したくないよな……
ミニー
ええ、そうね。だから私は自分の結婚式、要するに自分が結婚式そのものの存在として、ケーキや角隠しになろうとしているんじゃないの
ミッキー
それはいくらなんでも極端だぞ!
公認会話士が出版した小説一覧はこちら
スポンサーリンク